衝撃

 現実とはそんなものだ。
 信じるだけの理由があったから、君は手を伸ばした。そうだね?
 届いたと思った刹那、乾いた音がして君は我に返ったはずだ。
 君の右手は彼女の手のひらに振り払われ、刹那は君の網膜に焼き付き、どうしようもないから君はその手を握りしめた。
 彼女の手のひらは冷たかったかい?

超短編 500文字の心臓
第34回競作「衝撃」参加作

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