雑感・レヴュ集 メタセコイア
展覧会とか

イヴェント名記述者記述日
『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本唸るバクテリア2024/04/26

本文中のリンク先には、アフィリエイトを含むことがあります。ほぼお金になってないですけど。

アトロクの「今年の美術展が丸わかり!“展・ベストテン 2024” by 浦島茂世」で知った「『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本」を見に、初めて板橋区立美術館へやってきました。
遠いよ、板橋区立美術館。遠いよ・・・
もちろん、家出遅れたし、電車乗り過ごしてしまったワシも悪いのだが、滞在時間40分程度じゃ物足りず。もうちょっとゆっくり見たかった。
帰りも、次の予定の一本遅れになってしまった・・・
閑話休題。
とはいえ板橋区立美術館はホンノリ新築の匂いがあったのだけど、令和元年にリニューアルだから、結構時間経ってるのね。
で、展示は2階だったのだけど、入ってすぐの展示でビックリ。
詩と絵でシュルレアリスムがはじまったという認識が無かったのです。
そうだったのか。詩もか!
この意味では、空虹さんがやってる超短編もシュルレアリスムの延長線上な印象。
で、当時の文芸誌はやはり表紙のデザインが素晴らしい
ああいうところのセンスが今はないのだよなぁ。
本編としては、やはり一発目の東郷青児「超現実派の散歩」が抜群で魅入ってしまう。
シンプルなのにちょっと気が触れていて、寒系の暗色がヒンヤリみもあり。
でもって、足と手が黒で体格に配置されていて、何気に視線誘導もしている印象。
これが二科展初登場とかなんでしょ?スゲェの出てきた!思ったでしょうね。当時。
もちろん持ってるのは「SOMPO美術館」
そして、同じく並びにいる阿部金剛「Rien No.1」古賀春江「鳥籠」」も素晴らしい。
で、そこからはめくるめくシュルレアリスムなのだけど、初期の突飛さみたいなものは、やはり収斂される前のカンブリア爆発というか感があるので見ていて楽しい。
三岸好太郎「海と射光」もめを引かれるのだけど、六條篤の「らんぷの中の家族」のアレな感じとか、なにより前田藤四郎「空中曲技」が素晴らしい。
おそらくサーカスで曲芸している女を眼球が見上げてる絵なのだけど、ちょっとマン・レイを思い出したり。
時系列的にも第一次大戦後から第二次大戦の間なので間違ってはいないはずで、この辺の文化史・時系列をとりまとめてくれてる人はいらっしゃいませんかね。新書でいいから押さえておきたい。
いくつか意味が多すぎる作品があった「詰めすぎ!」思ったりもするのだけれど、それもまぁ時代かなぁと。
とはいえ、プロテストが過ぎるのはシュルレアリスムなのか?とも。
で、ダリのセンセーショナルさは特筆に値していて、一気に模倣というかインスパイア系が発生するのね。
たぶん、当時は「どいつもこいつも」言われてただろうこと請け合い。
そんな中、伊藤久三郎「振子」も良かったのだけど、伊藤研之「音階」が抜群。久々に、絵を見ただけで音楽が聞こえてくる印象。
「デカルコマニー」という技法を知らなかったりもしたのだけれど、メインビジュアルにもなっている浅原清隆「多感な地上」を過ぎると、徐々にトーンが暖色の暗色になるのです。
そう。第二次大戦。
すべては第二次大戦が悪いなと思う。戦争がなんで駄目かっていったら、才能を殺すからというと選民主義的観点もだけど、実際のところ戦争という名の焼畑農業をやらなきゃならないのは、ヨーロッパが天災がすくないからで、天災の多い国は戦争なんかしなくても焼け畑出来るんだよ!はよ来い関東大震災!(駄目)
そんな中、シュルレアリスムを胸に生き延びた福沢一郎は尊敬すべき人なのだけど、しかし、現在に到ったシュルレアリスムは相も変わらずなトーンだから、ちょっと物足りなさはある。
ただ、そこに鎮座する現在のヘッドライナは岡本太郎なのです。この展示では1作だけだけど。
そうか、そうなるのか!と素直な感慨。
だからこそ余計に、岡本太郎の地平の向こうを生きている人間にとって、じゃあ、今はどうなのよ?とは思ってしまう。この続きが見たいなぁ。
と、最後の第6章を駆け抜けてしまったら高山良策「矛盾の橋」を、きちんと見ずに終えてしまったのでした・・・
ああ、せっかくの高山良策を・・・ギャフン。
って、そうか!ウルトラ怪獣はシュルレアリスムか!逆説的に、今のウルトラに足りないのはシュルレアリスムだ!!!

物販が図録だけで、他に無かったのは悔やまれるなぁ。
時間無かったから良いのだけど、物販あったらなぁ。物販・・・
Tシャツあったら買ってたなぁ・・・

広告

BACK

雑感・レヴュ集 メタセコイアBANNER
(C) Copyright Unaru Bacteria,2024
e-mail bacteria@gennari.net