第157回 川本真琴(前編)

空虹桜>もちろん、RADIO SHOCKが発売されなかった(※1)からってのもあるんだけど、なんか、アンタが
       余所の掲示板で暴れてる(※2)の見て、思い立ったんで川本真琴の「川本真琴」やります。
U・B  >・・・ハァ?
空虹桜>別にここのコンセプトとしては間違ってないでしょ?自分の好きなミュージシャン
       を好きなように語るか、それともちょっと時代が過ぎたミュージシャンを日本のミュージック
       シーンに再位置づけするかなんだから。
U・B  >いや、・・・ええ、間違ってないですけど、それにしたって何故に川本真琴?
空虹桜>もともといろいろ思うとこはあったんだけど、アンタが「素直な言葉」みたいな話してたじゃな
       い。だったらたしか宮台慎司(※3)に「素直すぎて売れなくなった」とか評された(※4)川本真琴が
       ピッタリかなと思って。
U・B  >・・・それにしたって・・・まぁいいや。んじゃ、えーと、川本真琴の川本真琴っちゅーことは、1stアルバ
       ムの川本真琴ですな?(※5
空虹桜>そゆこと。で、1曲目が「10分前」で、早速とっても素直なんだけど、これって神様に自分
       の容姿をもっと良くしてくれって、デートかなんかの10分前にお願いしてんだよね。それこそ、直前最
       後、着いた地下鉄駅のトイレとかに駆け込んで、いちいちチェックするんだよ。化粧から服からアク
       セサリからなにから全部。んで気合い入れ直すっていう・・・聴いてる
U・B  >聴いてますし、さすがにそっち系には疎い※6)俺でも、それぐらいのことは想像できるけ
       ど、そういう曲なのか?
空虹桜そういう曲なの。あのね、結局こういう生まれ変わり願望みたいなのが、当時流行
       ってた(※7)わけじゃない。で、アタシはずっとこの人の書く詞って文学的だと思ってたんだけ
       ど、そこからただ字面だけ取り出せばそうなんだけど、結局これって、そうまでしてでもあなたに
       っち向いていて欲しいって話でしょ。だから10分後の幻想を抱いてるし、
       ポジティブだし。
U・B  >なんか、言ってることがよくわからんくなってきたのだが。ものすごく強引に解釈すれ
       ば、素直な隠喩でよろしいか?
空虹桜>がっつ語義矛盾してる気がするけど、ニュアンスとしてはそんな感じ。溢れてる気持ちは
       あるんだけど、常に言葉足らずだから、1つのことを徹底して伝えようとする
       じなんだよね。
U・B  >あーんと、っつーことは、2曲目でデビュウ曲の「愛の才能(ALBUM VERSION)」の方がわかり
       いいかもしれんな。
空虹桜>これだって、単純に言えばキスしてってだけの曲でしょ?んでもって、相手が鈍感だから、
       んなことにも気づかないっていう。
U・B  >なんたって、明日の一限までには何度もkissしようだもんな。(※8
空虹桜>うん。スゴいストレートな言葉吐いてるように見えるんだけど、冷静に考えてみたらさ、ストレート
       に言わなきゃなんないよな状況って切迫してるんだよね。んで、全部に言えるんだけど、この
       ストレートな言葉って、実は自分に向かってるんだよね。だから聞いてる方はさらっと聴い
       てるウチはいいけど、ある程度すると共感を通り越して怖くなる
U・B  >だから売れなくなったと?
空虹桜>そう言っちゃうのは簡単だけど、もともとCD出さなくなっちゃったってのもあるしね。なに
       があったか知らないけど。(※9)ただ、この人の場合は自分を表現する作業で自分
       が傷つく系だとは思うけど。(※10
U・B  >それはちょっとわかる気がする。しかーし、いつまでもここで引っかかってるわけにはいかんので3
       曲目「STONE
空虹桜>ところがこれがよくわかんないっていうか、ここまで来るとわかる必要すらないというか。
       いや、タイトルが具体的になに指すのかわかんないだけなんだけど。
U・B  >とりあえずだよな。
空虹桜>うん。それはね。むしろ街しか舞台になってない。だから、週刊誌は「女子高生の教祖
       的な扱い方したんだと思うし、宮台慎司がコメントアウトしてるんだけど。(※11
U・B  >あと、タイトルだけじゃなく、なにが「呪い」なのかってのも
空虹桜>いや、それは街であることを考えれば、「流行り」かなとか思うじゃない。
U・B  >だったら石は宝石じゃないの?
空虹桜>いや、白と黒でしかも、僕のだけはSTRANGEなんだから、意味としては魂が近いかとは思うん
       だけど・・・
U・B  >そのまま悩み続けてもらうとして、次4曲目「DNA」にしても、今回は進みが遅い
空虹桜>ちなみに2ndシングルで、だいっキライなのに愛してるの略がDNA
U・B  >それ、俺の仕事なんスけど。
空虹桜>なら、愚痴ってないでちゃんと進行しなさい
U・B  >・・・ええ、もちろん返す言葉もございません
空虹桜>んなことわかって言ってるの。で、この曲もなんか異様に伏線張られまくって
       と思うんだけど、ものスゴく端折っちゃえば、DNAに刷り込まれてるぐらい好きだって話しだとは
       思うんだけど、問題はさ、最後に他人だよねってフレーズが出てくるところ(※12)で。
U・B  >でも、その前に他人同士だから一緒にいられるはずさってあるじゃん。(※13
空虹桜>うん。たぶん、本気でやればこの人の曲って1曲でクロスフェーダ1回分になると思
       うんだけど、もちろんそれもあるし、息してるだけでつながってる気がしてるってのはDNAレヴ
       ェルで一緒なんじゃないの?とか、そういう妄想もあると思うんだよね。
U・B  >そう言う話をするなら、ひとりぼっちを交わして あたしをひらいてって(※14)、
       要するにSEXの最中ってことだろ?
空虹桜>だからこそDNAなんじゃないのかなぁと思うんだよね。表面的にはああ、可愛い恋のお
       話ねぐらいですんじゃうと思うんだけど、そういうところが意味深で、素直な言葉の裏を
       読む的な感じなんだよね。
U・B  >・・・それはもしかして、素直な言葉には必ず裏があるってことですか?(※15


※1 5月28日に「RADIO SHOCK!!! Mix Vol.1」で、アニとシンゴスター(元ホフディラン)がクラブでやってるイヴェントのミックスCDが出るとかって噂があったけど、結局延期になったらしいという話。
※2 暴れたように見えるのだろうか?他人様からは・・・
※3 宮台慎司:怪しげな都立大の助教授(たしか)サブカルっぽいとこにいると、必ずこの名前を目にするので、いい加減食傷気味。微妙にピントずれたりするし。
※4 空虹の記憶によるとJポップ批評あたりらしい。
※5 わかりにくい気がするので、まとめてみると、川本真琴というミュージシャンの1stアルバムのタイトルが「川本真琴」。全然関係ないけど、今歌詞カード見てみたらプロデューサに岡村靖幸がいて(愛の才能)、バックの演奏にSPARKS GO GOが入ってたり(STONE)した。
※6 その昔吐いた捨て台詞にの情けなさが象徴されている気がする。「女心なんてわかってたら、もう少しモテてるよ」(涙)
※7 このアルバムに入ってる「1/2」という曲がアニメ「るろうに剣心」のOPだった頃と言えばわかりいいか?嘘です。当時の流行りモノと言えばエヴァがあって、女子高生がヤマンバメイクでルーズソックス履いてた頃です。あと、雰囲気的には「ゆず」とかもこの頃で、この人はそっちとの兼ね合いもあってデビュウしたとおもふ。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 いろいろ噂はあるのだが、正確な事実は知らない。ちなみにU・B空虹も、一時期ものすごい怪しい空気をこの人の曲から感じて、CD出さなくなったのは新興宗教に走ったからだと信じていた。
※10 この世には2通りの表現者がいて、大多数は表現することで障害を乗り越えるんだけど、極一部は表現すればするほど自分を傷つけて最後は自殺してしまう。どこにその原因があるのかアタシはよく知らないのだけれど、傷ついてでも自分を表現しなきゃいけないって、どういう状態なのか時々想像する(by 空虹桜
※11 女子高生の教祖と呼ばれる存在がどんどん非文学的というか表面的なお飾りになっていくのはとても面白い傾向だとU・Bは思うがどうか。記号化してると言ってもいいけど、要するに、誰もそんなもん信じてないんだな。
※12 もちろん、拡大部は歌詞より引用。
※13 同上(笑)
※14 同上(いい加減手抜き)
※15 空虹桜47行(!!)U・B24行での完勝。なお、空虹の意向(笑)により、今回このあとの話は全面カットで、なにもなかったかのように再来月5曲目から話が始まります。ご了承ください。あと、今さら気づいたけど、話せば話すほど話が迷走してってる気がする。最近。


空虹桜HP アノマロカリス > U・Bと空虹桜のクロスフェーダ > 川本真琴 > 第157回 川本真琴(前編)
雑感・レヴュ集 メタセコイア > 音楽 > アルバムレヴュ > 川本真琴 > 第157回 川本真琴(前編)
空虹桜HP アノマロカリスBANNER
(C) Copyright Unaru Bacteria & SORANIJI Sakura,2003
e-mail bacteria@gennari.net