第285回 上手い料理が旨いのかという話

空虹桜>打ち合わせ段階とお題がまったく異なってらっしゃる(※1)ようにお見受けしますが、いい加減にし
       ろよ
U・B  >Let it be. Let it be. あるいはケセラセラ。ケセラセラ。
空虹桜>明日は明日の風が吹くと?
U・B  >Yes I do.
空虹桜>アンタは英語授業受けたばっかの中学生か。
U・B  >ツッコミ方がなんか新しいな。それ。
空虹桜>・・・いや、うん。で、なに?単に上手いこと言えた!とか、そんな勢いで付けたとしか思えない
       んですけど。このお題。
U・B  >そこ突かれるとぐぅの音も出ないんだけど、なんと申しましょうか、ふと、上手いだけが旨
       くねぇよなぁと思って。
空虹桜>その思う瞬間が重要なのだけれど、えっと、きっかけがあったと思うけど、そう思ったのはいつ?
U・B  >えっと・・・Theピーズの新しいアルバム聴いてたとき。(※2
空虹桜>つまり、そこに上手いだけじゃない旨さがあると思った理由があると。たしか・・・マグマでなんかそ
       んな話してなかった?アンタ。
U・B  >ん〜・・・ああ、はいはい。あとでインタビュウ読んだらそこはそこで俺の勘違いが多分に含ま
       れてたんだけど、CDからのインプレッションとして、そう、だからハルさんの唄聴いてたら、別に上手く唄
       おうとしてるわけじゃなくて、唄いたいことを唄おうとしてるんだよなぁ思ったわけですよ。
空虹桜>でも、その唄いたいことを唄うのに必要なスキルって上手くないと持てないんだよね。
U・B  >うわっ、核心突くし。ちゅどーん
空虹桜>えっと・・・ごめん。そのリアクションまではアタシでもフォロウしきれない
U・B  >なんですか?その南海キャンディーズの山ちゃん(※3)のような哀れみ台詞は。それはポジション的
       に俺が言うべき台詞じゃないんですか?
空虹桜>なら言えばいいじゃん。っていうか、その前に「ちゅどーん」ってなんだよ「ちゅどーん」って。
U・B  >最初っからそっちなノリでツッコんでください。、話戻すけど、
空虹桜>戻すのかよ。
U・B  >ちなみに、それ三村ツッコミな(※4)。わりと。でだ、やっぱり人をそんな否定できるほどエラくもなけ
       りゃスキルもない俺らができることって、決して上手くはない料理を旨く食ってみせること
       かなぁって思って。
空虹桜>でも、それってすんごい失礼だよね。相手にとっては
U・B  >えっ?
空虹桜>別に上手くなくても旨いと思って出された料理を旨く食べてみせるのはOKだし、ハッピィだと思
       けど、旨いけど不味いと思って出された料理を旨く食べてみせるのは、結局伝わってないって
       ことだし、アタシ的には、伝えたくて伝わならないのが一番ダメージ大きいし。それに下手
       だけど旨い料理もあるだろうし、なにより、上手くて旨いと思って相手が出した料理を不味いと
       ってやる誠意も必要だと思う。時にはね。
U・B  >それはまぁな・・・
空虹桜>さっきも言ったけど、やっぱりテーマなりがあって作ったときに伝わらないのは旨い不味い以前のところで
       凹むんだよね。なんだろ、それが料理だとすら認識されてないわけでしょ。
U・B  >まぁな。
空虹桜>アタシは相対主義者だし社会学囓ってる(※5)から、主観と客観にはシビアなつもりなの
       だけれど、やっぱり一作り手としては譲りたくない線があるのよ。
U・B  >オレンジレンジとか?
空虹桜>そこで具体例出されると非常に対応困るんですけど。
U・B  >いや、言いたいことはわかるし、前にここでやったようにヒョウ柄を可愛いって言うバカに
       はなりたくないんだけど、俺は自分を誠実な消費者に置いてる(※6)から、できることならあ
       るモノ全部全肯定して、美味しく味わえた方が豊かなぁなんて思うわけだ。
空虹桜>いちおー言っとくと、ヒョウ柄云々のところは本題と微妙にズレてて、それは語彙とか感受性の問
       題。自分がイイと思うモノを評価するとき「可愛い」って言葉しか知らないだけだから。
U・B  >ああ、たしかに。すんません。
空虹桜>謝ることじゃないけどね。で、「豊さ」については真面目に話せば、もちろん定義が云々とかいろいろ話には
       なるんだけど、結局のところ、それすら一つの価値観でしかないのね。
U・B  >ええ。それは自覚してます。
空虹桜>だから、この話をどう落とし込むのかってのもあるんだけど、アタシとしては(※7)、やれるな
       らやればいいとしか。たしかにそのまま捨て置くのはもったいないと思うし。評を
       書いてるときなんかはできるだけ拾いたいなぁとも思ってるし。(※8


※1 打ち合わせ段階では「辞め時の話」でした。大幅な企画変更は久々(苦笑)このお題はお題でそのうちやります。
※2 TheピーズのNewアルバム「赤羽39」のこと。詳しくはオフィシャルやらを。
※3 南海キャンディーズ:去年のM-1GPでブレイクしたお笑い芸人。大きなしずちゃんの極端な芸風と大木凡人ライクな山ちゃんの優しいツッコミが持ち味。
※4 三村ツッコミ:お笑いコンビ「さまぁ~ず」のツッコミ、三村のツッコミが独特なため名付けられたツッコミ法。わりとそのままでかつキレ気味に。
※5 蛇足ながら、聞き取り中心のフィールドワーカだし質的調査をやってたので、そこに自覚的でないと論文は書けないのです(by 空虹
※6 こらそこ!バカにして笑わない。作り手の人たちの話とか聴いてると、わりと凹むんだぞ。「ああ、俺はそっちに行けない」とか思って。
※7 こういう言い方をすると、ズルいとか逃げているとか言って、なんでも一般論にしようとする人がいるのだけれど、一人から得られた情報では一般化できない(「一般」の意味を辞書で引いてみよう)し、なにより、自分の発言に誠実であるというか、自分の感覚に責任を持つための発言で、ちょっとそこを理解してない人とは議論ができないかなぁと(by 空虹
※8 空虹桜31行。U・B26行での勝ち。思ったより話が跳ねなかったのが残念ナリ。そのわりに空虹しゃべってるけどね(笑)


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