第331回 犬は吠えるがキャラバンは進む(前編)

空虹桜>まだ早いかなぁとは思うんですが、パーフリやるよりは怒られないかなぁ※1)ってこ
       とで、重い腰を上げて小沢健二※2)の1stアルバム「犬は吠えるがキャラバンは
       進む」のレヴュ。
U・B  >ちなみに、1994年服部良一音楽賞受賞作らしいです。で、いろいろあって、今は「dogs」と題名もジャ
       ケットも変更されてますけど、収録曲は同じです。細かい違いは注釈にて(※3)。で、1曲目が「昨日
       と今日
空虹桜>1曲目からダウナというか、皮肉屋というか。
U・B  >まんまで取れば、深夜0時間近。
空虹桜昨日と今日がくっついてゆく世界だからね。(※4
U・B  >でも、なんか不釣り合いというか、違和感大きいんだよなぁ。
空虹桜小沢君が唄ってるからじゃない?
U・B  >ああ、この頃の小沢君はたしかにこの曲のイメージじゃないかも。
空虹桜>だから、「Eclectic」に至った(※5)って話は将来やるかもしれないから置いといて、このアルバムタイトル
       で、パーフリから受け継がれるパブリックイメージを前に、この曲を1曲目に置くのはやっぱり、小沢
       君の決意表明なんだよね。
U・B  >いつまでも若くない?
空虹桜>むしろ、いつまでもパーフリではない。だって、この曲が、んでこのアルバム自体が
       日と今日がくっついてゆく世界なんだよ。(※6
U・B  >なんか、上手いこと言った的な。
空虹桜>当たりはずれはともかく、それっぽいことかまさないと、ストライクなお姉様方の逆鱗に触れた
       らタダじゃ済まないよ。絶対。
U・B  >たしかに。2曲目が「天気読み
空虹桜>一般的には7曲目の方がウケいいんだけど、こっそりこのアルバム中で一番好き
U・B  >さすがは地学フェチらしい発言。
空虹桜>いや、それもあるけど、サビがとても好き。実はスゴい日本的だと思うし、小沢君って
       ントに優しいんだなぁと思う。
U・B  >そりゃ、「うさぎ!」なんて童話かどうかよくわからない代物書いちゃうぐらいですから。
空虹桜>あれはねぇ・・・こっそりまだきちんと読み切ってないからなぁ・・・
U・B  >俺も俺も。
空虹桜>その前に、第2回はどうなったって話もあるけど・・・
U・B  >どちらにせよその話は将来的にやらにゃならんから置いとき、3曲目「暗闇から手を伸ばせ
空虹桜>ここで一転してポップ。で、このポップ調で、小沢君はブレイクすると。
U・B  >もちろん、パーフリ時代からポップではあったのだけど。
空虹桜ちょっぴり文脈が違うんだよね。このポップは。ある意味で、幸せだったからというか。
U・B  >幸せになってしまったボニーさんが不幸せな歌を唄ってもイマイチピンと来ない的な
空虹桜>わかりません。
U・B  >大丈夫。わかる人には爆笑だから
空虹桜>う〜ん・・・ある意味でこのポップ調というか、具体的に言うと歌詞中に出てくる「ハニー」は死に至
       る病だったのかもしれない。ただ、このポップ調で小沢君を知ったわけだし、好きになったわけだから、
       アタシとしては否定できない
U・B  >はいはい。パーフリから入ってない世代の最前列あたりですからね。俺ら。
空虹桜>しかもアタシは、そのあとスチャダラに流れてるし。(※7
U・B  >たしかに。
空虹桜>で、この視座は明らかにリアルタイムではない視座なわけで、もしもリアルタイムのストライ
       クだったら喜ぶんだよねぇ。きっと。
U・B  >ハニーって言われちゃった!!的なな。ああ、心当たりあるストライクなお姉様が今の件読ん
       だら、青春に復讐されるな。絶対。
空虹桜>3曲目にして物語のはじまりには 丁度いい季節になっただろう※8)とか、
       思わせぶりなフレーズも出てくるしね。
U・B  >さて、4曲目「地上の夜」で、とりあえず今回は終わり。
空虹桜>この曲とか切れ味勝負なんだと思うんだけど、ちょっとアレンジ変えれば、今の小沢君が唄ってて
       も全然おかしくない
U・B  >ぶれてないと?
空虹桜>というか、「Ecology Of Everyday Life」(※9)で強く思ったんだけど、原点回帰してるだけだと思
       うんだよねぇ。最近の小沢君は。
U・B  >はいはい。となると、この調子じゃ「球体〜」は無問題だけど、「LIFE」が厄介そうだなぁ。(※10
空虹桜>大丈夫大丈夫。「LIFE」は「LIFE」で大好きだから
U・B  >ならいいんですけど。あと、パーフリ以降の二人の対比ってやったら面白いカモ。と、企画案。(※11


※1 パーフリ:Flipper's Guitarの愛称。小沢健二とCorneliusこと小山田圭吾の二人組だったがケンカして解散。代表作「カメラトーク」
※2 小沢健二:音楽エリートというか音楽ハイソというかリアルハイソのお坊ちゃま。
※3 タイトルとジャケ以外の主な違いは、「犬は〜」の歌詞カードだったかに印刷されていた「ライナーノーツ」が無くなってしまったこと。将来小沢健二研究する人は、「犬は〜」を中古で買いあさって、ライナーノーツついてるの探さねばならないので注意。なお、ライナーノーツによると、タイトルはアラビアの諺らしい。が、Amazonのレヴュではトルーマン・カポーティの言葉だとも。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 Eclectic:小沢健二の4thアルバム。そのうちレヴュ予定。
※6 ※4同様拡大部は歌詞より引用。
※7 スチャダラ:ご存じ空虹さんが大好きなスチャダラパーのこと。詳しくはここあたり。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 Ecology Of Everyday Life:小沢健二の5thアルバム。全編インストゥルメンタルのため、カウントしていいかどうか若干怪しい。
※10 球体〜:球体の奏でる音楽のこと。小沢の3rdアルバム。 LIFE:小沢の2ndアルバム。
※11 空虹桜34行。U・B24行で、そりゃまぁ当然のようにの勝ち。しゃべり始めたら思いの外盛り上がり気味(笑)


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