第349回 犬は吠えるがキャラバンは進む(後編)

U・B  >消えた人どころか、今時分にカラオケで唄っちゃうような娘ですら、どこでなにやってるのか把握してない
       沢健二※1)の1stアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」こと「dogs」のレヴュ
       の後編。
空虹桜妊娠おめでとうございます。(※2
U・B  >いや・・・もうどう切り返していいのかわからんのですが。
空虹桜>いいんじゃない。ありがとうございますで。
U・B  >良くないと思う。ちうか、この流れは一ヶ月ぐらいきちんと読んでる人にしかわからんだろう。とも
       かく、5曲目「向日葵はゆれるまま」めちゃめちゃジャジーだけど2分41秒。
空虹桜>小沢君の本性はジャズをやりたい人だからね。間違いなく。この頃はこの長さが限界だったんだろ
       うけど。
U・B  >「Eclectic」(※3)まで来ると、誰の目にも明らかな話ですが。
空虹桜>あと、手拍子というかで刻まれてる三拍子が、なんだかんだいって根っこの所がコーネリアス
       と同じだなぁと(※4)。
U・B  >そうそう、カジヒデキの1st再発(※5)買って聴き直したとき、記憶よりも薄っぺらかったんだけ
       ど、あれは縮小再生産しすぎてて、ルーツが微妙に違うんだな。
空虹桜>A3の縮小コピーとA4の縮小コピーの違いだよね。
U・B  >そーなのか・・・?いいや。6曲目「カウボーイ疾走
空虹桜雰囲気だけならシングル曲だよね。
U・B  >わかりやすいというかキャッチィ。
空虹桜>なのに油断してるともう間違いが無いことや もう隙を見せないやりとりには
       嫌気がさしちまった※6)なんて歌詞が、グサッとくる。
U・B  >別に恋愛だけのやりとりだけじゃなくな。あと新しい1日がまた始まるだろう
       夜明け前の弱すぎる光なんかも、タイトルとは裏腹感。
空虹桜疾走よりは失踪だよね。断然。
U・B  >現実的に失踪状態だったりするしな。さて、乗ってきたところで、7曲目13:37もある「天使たちの
       シーン
空虹桜>スケールだけは大きいよね。
U・B  >・・・危ない橋を。
空虹桜>もちろん、しっかり全編歌詞付きでこの長さってスゴいとは思うんだけどね。
U・B  >穏やかに重たいあたりが、ただ長いだけじゃなく、おそらく当時小沢君にハマってただろう渋谷
       系文化部女子のツボだったんで、代表曲的ポジションになってるんじゃなかろうか。
空虹桜>なんだけどさ、でもだとしたら「LIFE」を評価してる層は、この曲を評価してる層と別物になるハズ
       んだよね。小沢君が発表してきたアルバムの中で「LIFE」は異質だから。
U・B  >そこは「LIFE」のレヴュしてからじゃないと言及できないとこだなぁ。
空虹桜>そりゃねぇ。もちろん、アタシこの曲が嫌いなわけじゃないし、このスケール感はさっきのジャジーさと直結し
       ていて、小沢君を全般論として語るときには重要になると思う。だけど、これスケール
       感出すために引き延ばされすぎて薄いんだよなぁ。
U・B  >またまた恐ろしいことを。
空虹桜>いや、小沢君の若気の至りというか。だからこそ、このアルバムが「dogs」に改名されてしま
       ったってとこに行き当たるわけだし。
U・B  >たしかにそれは・・・
空虹桜>神様とか天使とか主題にして、最後の最後ににぎやかな場所でかかりつけづける音
       楽に 僕はずっと耳を傾けている※7)なんて、若気の至りそのものじゃないかなぁと思う
       んです。
U・B  >う〜ん。ホントは小沢君の曲に見る神様論とかきちんとやっとく必要もあるんだけどなぁ。
空虹桜>アルバムレヴュの中に取り込むのは厳しいなぁ。
U・B  >うむ。ちうことで最後「ローラースケート・パーク」どんどんタイトルから離れてく歌詞が勢い
       で書いた感いっぱい
空虹桜>絵は浮かぶけどね。あとはありとあらゆる種類の言葉を知って 何も言えなくな
       るなんてそんなバカなあやまちはしないのさ※8
U・B  >言葉の意味はわかるけど、ちょっと飛びすぎというか。
空虹桜>根が暗い小沢君のことだから、土曜日の公園がキラキラしすぎてどうしようかと
       思ったんじゃないの?
U・B  >わーわーわー
空虹桜>だって、連想ゲームとしてここに行き着くってことは、そゆことじゃん。
U・B  >そゆことはそゆことですけど・・・ともかくまとめを。
空虹桜>今さらながら全8曲のアルバムを2回に分けて喋る必要はなかったんじゃ?
U・B  >わーわーわー
空虹桜>誤魔化さない誤魔化さない。
U・B  >本音を言えば、曲数の多さより喋る量の多さに依存するコンテンツですから。
空虹桜>わかってます。で、本論だけど、実は一般に思われてるよりだいぶ手探りでリリースされたものじゃな
       いかと思うんです。セールス的にもそうだし、小沢健二本人にとってもなにをどこまでできるか
       手探りだったという。そういうアルバムだからこそ、一曲一曲どこへつながっていくかを意識して
       聴いてみると面白いんじゃないかなぁと。(※9


※1 小沢健二:ホントにお坊ちゃまという、わりと希少動物。オフィシャルサイトあることはあるけど、リンクしてもしゃーないしなぁと。
※2 U・Bが妊娠したわけではないし、U・Bが誰かを孕ませたわけでもないので注意。U・Bの妹の話だが、なぜだか空虹さんの食いつきが良い。
※3 Eclectic:小沢健二の4thアルバム。それ以前の3枚と比べて毛色がまったく違うので、いろいろ話題になった。詳しくはそのうち。
※4 コーネリアス:猿の惑星の人。小沢健二を語る上で外すのはやっぱり間違いかと。
※5 カジヒデキの1st再発:これのこと。「DMC」の中の人が書いてるコメント同様、カジ君がソロになったぐらいのころ思春期だったU・Bにはこのオシャレ感はツボだったのだが、今回久々に聴き直したらちょっと拍子抜けだったという。まるでエヴァを見直したらあまりに色褪せがヒドくて耐えられないような。でもまぁ、何度か聴き直すと馴染んでくるから恐ろしい。
※6 拡大部は歌詞より引用。次の空虹発言中の拡大部も同様に歌詞より引用。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 空虹桜35行。U・B29行で、そりゃの勝ち。若干ツッコミが浅い気もするが、逆説的にそれは空虹の主張(手探り)を裏付けてる気もする。あくまで気だけど。


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