第379回 馬鹿者よ大志を抱け(後編)

U・B  >気がつけばビックリするほど間が開いてしまいましたが、THEイナズマ戦隊※1)の2ndアルバム
       「馬鹿者よ大志を抱け」の話をする後編。
空虹桜>全然覚えてないんですが・・・
U・B  >まぁ、俺もどこまで喋ったのか忘れて慌ててクロスフェーダ読み返したぐらいですから、仕方
       ないとは思いますが、ともかく8曲目「後悔するなら反省を
空虹桜>なんか似たようなのなかった?
U・B  >えーと、2曲目のサブタイトルが「後悔するにゃ若すぎる」でして。
空虹桜>・・・後悔してたんだろうねぇ・・・
U・B  >なぁ・・・って、そんなしんみりしててもしょうがないわけで。
空虹桜>でもさ、1枚のアルバムで同じようなこと2回も3回も言っちゃうのは自覚症状の有無にかかわらず、なんか
       理由あるわけじゃん。
U・B  >なんかの雑誌でインタヴュ読んだけど、このアルバムはアクセルベタ踏みの上にさらに踏
       み込むようなことをしてたみたいなこと言ってた。
空虹桜>後戻りできないから、前へ行くしかないという。
U・B  >誰も言ってくれないから自分の言葉で自分の背中を押してるようには聞こえるカモ。
空虹桜>べつに悪くはないけど、やりすぎるとウザいよね。9曲目はうってかわって「恋の馬力」べつに競馬は
       止めなくてもいいと思います。
U・B  >そこですか・・・タバコ吸わないから余計にだ。(※2
空虹桜>歌詞内容としてはわりとありがちな内容じゃない。するとさ、どゆ突飛な単語を用意できるかがカギになる
       と思うんだよね。すると、この程度だったらたとえばTHE ZOOT 16の「Na-O-Su-Yo」の俊美のしょーもない感
       のが上じゃん。(※3
U・B  >そこ引き合いに出されるとアレなんだけど、この曲の場合はむしろ直そうとしていく力の方がメインな
       わけで、ダメな俺でも君のためなら直せるぜってとこなわけじゃん。
空虹桜>でも、直さなきゃいけないことのレヴェルが、
U・B  >ハイハイ。そこの比べあいしてると永遠終わらん気がするから次行こう。10曲目「月明かりの下」さっき
       の話じゃないけど、もう後戻りできない感たっぷり。
空虹桜>やっぱここで辛いところは、無我夢中で走ってるわけじゃなくて、醒めて自分を見ながら走って
       るとこだよね
U・B  >んだ。これが無我夢中だったり意識しないで走ってるんだったらもっと突き抜けたとこに行けたんだろうけど、丈
       ちゃん結構冷静なんだよね。それがロックとしてはヌルイ部分になってしまう。
空虹桜>そこにできる揺らぎとか悩みを素直に吐き出せるとスキカウ程度にはなるんだろうけど、
U・B  >スキカウになったところで売れてませんからね。ビックリするぐらい。
空虹桜>湿っぽい話になる前に11曲目「のらりくらりで10年後」だけど、内容的には大差なく。
U・B  >昔の友達とたまに合う人とはこういう話しがちだけど、結局このアルバムがピンと来ないのは全然のらりくらり
       とか言っといてのらりくらりできてないとこ。
空虹桜>「応援歌」で誰かの背中押した気になって、その路線行ってみたら自分の背中しか押せてなか
       った
U・B  >さっきから同じことの繰り返しになってるけど、そこに対する醒め方がまだこのアルバムじゃ足りない。
空虹桜>12曲目は「陽はまた昇る!!」だけど、それまでにグッタリ来てるから、この疾走感だけじゃ物足りない。
U・B  >嫌いじゃないんだけどなぁ。一枚のアルバムの中でマンネリが煮詰まっちゃって
       から、そこから出れてない印象しか残らないんだよな。
空虹桜>好意的に受け止めれば、その煮詰まってる感がいいのかもしれないけど、ちょっとウチら的には
       離が近すぎるのかもしれない。
U・B  >その「煮詰まる」の用法が正しいかどうか微妙なとこだけど、たしかに逆にリアリティありすぎるかもな。
空虹桜>なにを「煮詰めてたか」によるからね。あんま煮詰まったコーヒーは美味しくないでしょ。
U・B  >言い訳クサいなぁ。
空虹桜>さて、14曲目はビジネス的に入れさせられた感が強い「応援歌」なんで13曲目の「三都物語」で今回
       はお終い。
U・B  >大阪生まれが札幌でバンド結成して東京に至る曲なわけで、ある意味このアルバムで価値が
       あるのはこの曲だけという。
空虹桜アテもなけりゃ コネも無く 天才肌でもないけど 根拠のない自信なら
       負けないぜ※4
U・B  >なぁ。もちろん、このアルバムの苦悩感っていうかがこのあとにとって重要だったとは思うんだけど、これだけ
       ポンと聴かされると、え〜って思わざるを得なかった。
空虹桜>物足りないよね。
U・B  >実際、このアルバムで行き詰まったから3枚目のアルバムタイトルが「為さねば成らぬIII枚目
       になってしまったというところで、次回へ続く。(※5


※1 Vo.上中丈弥(基本全曲作詞)、G.山田武郎、Ba.中田俊哉、Dr.久保裕行の四人組ロックバンド。ドラム以外の3人が大阪出身で、ドラムだけ北海道出身という異色な組み合わせ。詳しくはオフィシャル参照。
※2 競馬もタバコも歌詞にそんなような件がある。
※3 俊美:Tokyo No.1 SOUOL SETのギターであるところの渡辺俊美のソロユニットがTHE ZOOT 16。鼻毛出てたりパンツが後ろ前だったりする。たぶん、自分の子どもに説教したら突っこまれたとかそゆ理由からできた曲と思われる。こういうところで、しょーもない感を重視するところはいかにも空虹さんっぽい。ちなみに、俊美の嫁はちはる。
※4 拡大部は歌詞より引用。今回ここしか歌詞引用してないところが、このアルバムへの評価と取っていただいて構わないかと。
※5 空虹桜27行。U・B30行で当然空虹さんの勝ち。たぶん、こっからどうやってイナ戦ってバンドが自己を確立していくかが、聴き方の一つとしてあるんじゃないかなぁとU・Bは思ってるんで、こういう展開になってます。ご了承ください。あと丈ちゃん!来年こそRSRに!!


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