第445回 どうにもこうにも俺MHz(後編)

U・B  >ベストが出る(※1)ことになりましたが、とりあえずイナ戦※2)一区切りと言うことで、THEイナズマ
       戦隊の5thアルバム「どうにもこうにも俺MHz」をくっちゃべる後編。
空虹桜>8曲目「冬の並木道」おもっきり演歌
U・B  >まったくで。
空虹桜>認めちゃうんだ。
U・B  >だって、増子チルドレン(※3)であるところの丈ちゃんが、いかにも演歌的なモティーフで曲を作るのは必然
空虹桜>今ひとつわからん。
U・B  >説明するの?
空虹桜>「冬の並木道」自体が演歌的なモティーフだとか北風とか真冬だとか雪だとか、ロックの歌詞とは思えない
       固地なんて単語が出てくるところだとかはわかるけど、それが増子チルドレンとつながるところがわからん。
U・B  >毎年RSR(※4)来てるのに?
空虹桜>そのロジックが既に無茶苦茶なんですけど。
U・B  >まぁたしかにそこをつつかれると否定はできないわけですが、そこらは注釈(※5)で書くよ。ともかく、この曲が
       フォーク調じゃなく演歌調になるところがいかにもイナ戦なわけで。
空虹桜>「いかにもイナ戦」ってのはわかる。けれどむしろ9曲目「情熱の風」のが強烈にいかにも
U・B  >つか、こっからの3連発は強烈すぎでしょう。
空虹桜>明らかに胃もたれするもんね。
U・B  >しねぇよ。
空虹桜>さらっと。
U・B  >上昇する心は槍となり、待ち受ける壁を壊せ情熱 それしかないけど、そ
       れさえあれば負けやしない※6)のドストレートっぷりとか、なんの衒いもなくなった
       か!って嬉しくなるじゃん。
空虹桜>むしろ夢に生かされてるのは 君一人じゃない 夢に殺されるのも 君一人
       じゃない※7)のがグッと来たけどね。
U・B  >ああ、丈ちゃんもやっぱ夢に殺されるとか思ってたんだ!みたいな。
空虹桜>ANIみたいな人(※8)は別だけど、一般的に高めのハードルを跳びたいと思ってる人は、やっぱりそれを
       一回は思っちゃうんじゃないかなぁ。
U・B  >次の10曲目「線路沿い」は俺内イナ戦ランキングでも3本の指に入るぐらい大好きなんだけど、全を捧
       げても なりたかった1番に なんとなくきづいているのは 才能じゃ勝て
       ないって事※9)って歌詞があるんですよ。
空虹桜>スゴい中途半端なとこを引用しますね。
U・B  >曲聴いたことある人しかわからんツッコミを。
空虹桜>まぁまぁ。聴いたこと無い人には買ってくださいでいいじゃん。そこは。
U・B  >そこまで露骨だとちょっと引くじゃん。ともかくで、それを白状してるのに、その前に「情熱の風」なんて曲を書いて
       るのに、丈ちゃんこの曲に付けたタイトルが「線路沿い」なんですよ!もうね、この
       一点がスンゴイの
空虹桜>タイトルと作品の距離ってこと?まぁ、この手のバンドとしてはいい方だよね。
U・B  >なんですか?その上から目線。
空虹桜>ホラ、超短編界隈(※10)って、その手の「作品とタイトルの距離」に対する目線がシビアだから。
U・B  >ハイハイ。あとこの曲、メロディ自体も好きなんだけど、きっとそうなんだ!!力いっぱいで 不格
       好だって 熱ければいい 誰がなんたって あー その情熱は 最高より
       最強だ!!※11)なんですよ。このね、最高より最強って、大事なんだよ。Highであることよ
       りもStrongであることなんッスよ。しかも、その前に乗っかってるのが「きっとそうなんだ」
空虹桜>微妙に断言し切れてないっていう情けなさ?
U・B  >もちろん!
空虹桜>そこまでくるともう完全に勢いだけだよね。
U・B  >だから、イナ戦は最初勢いだけのバンドだと思われてたところで、いろいろ悩んだけど、ここでもう一回勢いだけ
       に戻れるところが重要だし、それを一周してでもきちんと言えるとこなわけじゃん。ロックバンドのアイ
       デンティティって。フラカン(※12)がメジャ切られてインディーズで「生きてて良かった」連呼してて、そ
       れでメジャ戻ってきても「いつもこの胸の中だけ」とか連呼するわけですよ。
空虹桜>いくらなんでもそこでまくると着いてけません。
U・B  >バカな人ほっときますよ。いちいち説明しませんよ。
空虹桜>そこでテント師匠ですか?
U・B  >ええ。ででで、3連発の3発目が超ストレートの「青春時代」ですよ。街灯に頭傾け泣きました
       心の中で あぁ回る 回るメロディーは そう、あの日のまま※13)ですよ。
空虹桜>個人的には「でもさ」を繰り返してるとこの歯痒さがイイ感じなんですけど。
U・B  >隠れて空虹さん逆説好きですよね。
空虹桜>そう?
U・B  >たんに話の腰折りたかっただけなんで、なことホントは微塵も思っちゃいないんですけど
空虹桜>変化球ってより暴投だなぁ。それ。
U・B  >ともかくさ、この3曲連発の青臭い熱さはたまらんわけですよ。もうね、男汁ドバドバで涙ダクダクなんッスよ。
       EARTH TENT(※14)に汗の雨が降る感じで。これぞ俺の好きなロックンロールっていう
空虹桜>スキカウやらチャミグリ!は?(※15
U・B  >フってくれるのはいいけど、それ喋り出すとあと100行はかかるぞ。まだ2曲あるのに
空虹桜>えーと、ちょっとコミックバンド調に戻った12曲目「Rollin' Rollin'」なのに、言ってることは続きみたいな。
U・B  >またあえて選ぶ いばら道 流行じゃないことだって分かってるけど また
       あえて戦いに行く我道 突き進む事の美学※16)ですからね。
空虹桜>自虐ジョークって言った時点で相当負けてんだけどね。
U・B  >人間言ってでも行かなければならない時があるじゃないですか!
空虹桜>熱い。
U・B  >いいじゃん。冬だし。
空虹桜>そゆことじゃなくて。
U・B  >もちろん、この熱さをいい感じにコミック調へ落とし込んでて、こゆバンドって最終的に祭り囃子系に落
       とし込みたがるよなぁとか。
空虹桜>わかんないんだけど、それってわかる人には「ああ」って膝を打つぐらいに、言えたことなの?
U・B  >スキカウってそゆ毛色じゃないんだけど、フラカンの「真冬の盆踊り」とかソウル・フラワー・ユニオン(※17)の
       「海行かば 山行かば 踊るかばね」とかな。
空虹桜>ふぅん。最後の13曲目が「眼鏡橋ブルース」で一発録り調。
U・B  >そこですか?
空虹桜>んじゃ、いかにもアルバムの最後の曲といった体。
U・B  >まったくもって否定しません。でもできれば、「虎舞竜の『ロード』イナ戦版。ただし、大阪ローカル」とかぐらいは
       言って欲しいなぁ。
空虹桜>大阪ローカルなの?眼鏡橋って?
U・B  >知らん。
空虹桜>なにその投げやり。
U・B  >ともかくですよ、見えそうで見えないからこそたまには考えようって、なんだかいいアシストな感じで、珍しくイナ
       戦で目から鱗な価値感ゲットです。
空虹桜>さて、まとめを。
U・B  >やいのやいの言うて、イナ戦のベストは1stだとは思ってたんですが、このアルバムのがベストか
       もしれない。やっぱりね、ロックバンドは30に脚突っ込んでからどんだけ味出るか
       と思うんッスよ。
空虹桜>間違いなく5年後ぐらいには同じことを「40」にすり替えて言ってるよね。
U・B  >おそらく。でもさ、でもさ、でもさ、
空虹桜>いいよ。今さら。
U・B  >20代で前のめりで突っ込めるのは当たり前じゃん。そこを体力的にも気力的にもそろそろ無理が利かなくな
       ることで前のめってけるか、いつまでもいつまでも前のめれるかがなんですよ。一回リタイアしたけど俺にもまだ
       できるとかじゃなくて、ノンストップで前のめって止まれなくなれるかなんですよ。そこで、
       このアルバムが出て、イナ戦行けんだな!っていう。だから、俺も行くぜ!っていう。(※18


※1 ベストが出る:2月にイナ戦初のベスト「俺達の応援歌」発売予定。ただ、応援歌応援歌路線に行くのは不満なのだが。
※2 イナ戦:ロックバンドTHEイナズマ戦隊の愛称。Vo.上中丈弥(基本全曲作詞)、G.山田武郎、Ba.中田俊哉、Dr.久保裕行の四人組ロックバンド。詳しくはオフィシャル参照。それにしても、今見直すと前編は誤変換とか多数発生で悲惨なことになっとるなぁ・・・気づいた人は教えてチョ!(現在は直しました)
※3 増子チルドレン:怒髪天ヴォーカル増子直純に憧れてロックの道へ迷い込んでしまった可哀想な子どもたちのこと。たとえばイナ戦ヴォーカル上中丈弥。ちなみに、絶チルアニメ化の影響もあってか、○○チルドレンと聞くと、U・Bの頭の中で「Over the Future」がかかります。たとえそれがミスチルでもな。
※4 RSR:U・Bが自分でもビックリするぐらい好きな夏フェスであるところのRISING SUN ROCK FESTIVALのこと。1/1に開催発表されるはずなので、それがのお年玉。
※5 注釈:なにも注釈が多い時に付けなくてもいいときに付けちゃうことで有名な注釈。つまり、ここのこと。これをつけるためだけにクロスフェーダをやっているといっても過言ではない。
※6 拡大部は歌詞より引用。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 ANI:スチャダラパーで一番歳上の人。BOSEのblog読んでて、一番下の同級生大集合の写真にも引いた(笑)
※9 拡大部は歌詞より引用。ちなみに「全を捧げても」は歌詞カードのママ。丈ちゃんの書き間違い。
※10 超短編界隈:空虹さんが紛れ込んで生息してるところ(笑)
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 フラカン:フラワーカンパニーズの略。来年(2009年)バンド結成20周年を迎えるロックバンド。らみたいなアレゲなロックファンはみんな大好き。
※13 拡大部は歌詞より引用。
※14 EARTH TENT:U・Bが大好きなRSRのセカンドステージ。主にロック・パンク系のバンドが出演がする。
※15 スキカウ:U・Bが一番好きなロックバンド。詳しくはこちら。チャミグリ!:U・Bが二番目に大好きだったロックバンド(解散済み)詳しくはこちら
※16 拡大部は歌詞より引用。
※17 ソウル・フラワー・ユニオン:1993年に結成された日本のミクスチャー・ロック・バンド。略称SFU。ソウル・フラワー・モノノケ・サミットとかソウル・フラワー・アコースティック・パルチザンとか別名ユニットもたくさんあるけど、とりあえずもっとおっぱい
※18 空虹桜37行。U・B62行で、圧倒的に大敗。久々に二人合わせてほぼ100行。いいアルバムです。皆さんよろしくお願いします。結構全国でライヴしてます。あと、次のU・Bの版はベストだとさすがに既紹介済曲になるかと思いますんで、アナログフィッシュ話に以降かと。


空虹桜HP アノマロカリス > U・Bと空虹桜のクロスフェーダ > THEイナズマ戦隊 > 第445回 どうにもこうにも俺MHz(後編)
雑感・レヴュ集 メタセコイア > 音楽 > アルバムレヴュ > THEイナズマ戦隊 > 第445回 どうにもこうにも俺MHz(後編)
空虹桜HP アノマロカリスBANNER
(C) Copyright Unaru Bacteria & SORANIJI Sakura,2008
プライヴァシィポリシ
e-mail bacteria@gennari.net