第45回 イキたい話

空虹桜>だからさ、なんでこう変なタイトル※1)なの?人がこれから真面目
       話しようとしてんのに。
U・B  >だから、そうやって長々とかたっくるしい話を読んでくださるお客様へのファン
       サービスに、一服の清涼剤に!
空虹桜>なんか、日本語おかしくない?(※2)まぁ、いいや。アンタになに言っても無駄
       だから。それで、なにから話せばいいんだっけ?
U・B  >お前がなんで作家になりたいなんて調子に乗った発言を繰り返して
       いるのかについて。(※3
空虹桜>んなもん、決まってるでしょ。馬主※4)になりたいから。
U・B  >それ以外の話。別に馬主資格に「作家であること」なんて条項無いんだろ?な
       のに、なんで作家か?って話をだな。
空虹桜>ものスゴいプライバシィ領域の話よね。それ。そういうのってさぁ、普通
       言わないからかっこいいんじゃないの?
U・B  >たしかに、昔から日本人の伝統で「不言実行」なんて諺あるけど、今この
       際化のご時世、自分をプレゼンできないヤツはどんどん淘汰される運命に
       あるわけじゃん。
空虹桜>アンタにそういう話されるとかなりムカツクんだけど。だいたいさ、それってプレ
       ゼンしないと仕事にならないような世界にいるヤツが悪いんじゃない?
       本当にできるヤツなら、プレゼンなんかしなくても、一人で企画を形に
       して公開できる。たしかに、そのモノ自体は広告という形でプレゼンしなきゃ
       ならないだろうけど、それだって、モノさえよければさほど労力を払う必要
       は無い。
U・B  >たしかにプレゼンってのは自分を含めてモノを広告する機能しかないわな。
       それは認めよう。言葉が悪かった。なら、どうしてそこまで作家という職業に拘っ
       てんだ
空虹桜>「拘る」って本来悪い意味だから使わないで欲しいんだけど、
U・B  >いちいちつっかかってくるなや・・・したっけ(※5)、なんで馬主になるために作家に
       ならなきゃならないんだい?君は。別に役者なりなんなり(※6)で
       いいんじゃないのかい?ということを聴きたいんだ。俺は。
空虹桜>役者なりって、アンタ簡単に言うけど、アタシにそんな才能無いわよ。もう、この
       前あんなの見せられたら(※7)参っちゃうわよ。それにアタシは役者ってより、
       芸人だからさ。
U・B  >笑芸人って・・・なら、それになりゃいいじゃん。
空虹桜>そういう問題じゃないってぇの。つまり、アタシが作家になるなる言ってんのは妥協
       し続けた結果なのよ。
U・B  >お前のその発言こそ世の中なめてないか?どうして作家になるなんて戯れ
       が妥協の結果になろうか!
空虹桜>なんで文語口調なの?アンタ。まぁ、いいや。えーとね、まず、馬主になりたいっ
       て目標があるわけじゃない。そのために金持ちになる必要がある(※8)。
U・B  >そこまではわかってるって。だからその先を聴こうとしてんだよ。こっちは。
空虹桜>なら、話のを折らないの。で、単純に金持ちになるだけだったらさ、働けばいいで
       しょう?それこそ水商売でもなんでもさ。時給の高い仕事はそれこそ
       ほどあるんだから。
U・B  >それだって、それに見合った才能とか能力とか、あと根性とかいるだろ?
       職氷河期※9)なんだし。
空虹桜>それもあるけど、どうせ金稼ぐなら、自分のやりたいことやって金稼ぎたい
       じゃない。で、最初漫画家になろうと思ってたのよ。
U・B  >突拍子もない話になってきたな、おい。
空虹桜>悪かったわね。でもさ、アタシには絵の才能無かったのよ。
U・B  >ハハハ。俺にもねぇ※10)。
空虹桜>アンタと一緒にしないでよ。アタシの言ってる才能ってのは商売として通じる通じない
       のレヴェルなの。アンタみたいにデッサン取れる取れないと一緒にしないで。
U・B  >悪かったな。デッサンまともに取れなくて。
空虹桜>それでもさ、アタシって結構妄想激しいし、いろいろ世間に言いたいこと
       もあるんで、ちょっとしたディレンマに陥ったわけよ。
U・B  >絵は描けないけど、表現はしたいと?
空虹桜>そなとこ。でさぁ、昔は、っても小学校ぐらいん時、作文って大っ嫌いだったのね。
U・B  >それは知ってる。あっそっか、だから余計にディレンマだったわけか。
空虹桜>うん。だけど、本読むのは今程じゃないにせよ好きだったから、絵が描けないよりは
       命的じゃないと思ったのね。で、その頃読んだのが、瀬名秀明※11)と
       坂一※12)。
U・B  >なんて組み合わせだ。そりゃ。
空虹桜>今から思えば、そうなんだけど、アタシには結構それがおっきかったのよ。こゆ
       のもあるんだって。それまでって教科書に出てくるよなのしか知らないわ
       けじゃない。普通に生活してたら。
U・B  >えっ、俺的には「おじいさんと傘」とか「ごんぎつね」とか(※13)好きだけど。
空虹桜>だから、そういう童話的か、もしくは純文学的なのばっかじゃない。この歳になっ
       たら、そゆののおもしろさもわかるけど、ガキの頃にはつまんないでしょ。そんなときにS
       Fだのファンタジィだのホラーだのに出くわした。
U・B  >でも、そういう世界自体は漫画なりアニメで知ってたわけだろ?
空虹桜>だから、そういう世界を小説でもやれるんだってのを初めて知ったのよ。かたっく
       るしいのか伝記とかしか知らない人間にとって、これは大きい。それなら絵描けなくても
       表現できるかもしれない
U・B  >だから、妥協の結果として作家になろうと?
空虹桜>他にもいろいろあるけど、自分の才能を一つ一つ分解して突き詰めていっ
       たらね。それに作家なら自分の世界が限定されないじゃない。
U・B  >あっ、その頃から地学じゃ飯食えないってわかってたんだ。
空虹桜笑うな
U・B  >すまん。すまん。
空虹桜>とりあえず、そんなわけでアタシは作家になるわけよ。で、この話をこれからどういう
       ふうに展開させるつもりなの?
U・B  >とりあえず、今回はここで終わって、次回は理想と現実ギャップと言うか無常
       ※14)についてタラタラと。
空虹桜>別にアタシそんなの感じてないけど。
U・B  >それはそれでいい。なんで感じる奴と感じない奴がいるかが重要なんだから。(※15


※1 当初の予定では、どういうところまで行きたいかまで話が進むはずだったのでこんなタイトル。
※2 語尾上げでお読みくださいな。
※3 インタビューのディレンマで、知っていることをさも知らないかのように振る舞わなきゃならんとです。
※4 には良くわかりませんが、空虹の目標はロンシャンのオーナ席から愛馬が先頭で坂を駆け上ってくるところを赤ワイン片手に眺めることだそうです。
※5 いっつも書いてるけど、北海道弁。それならとかそういう意味。
※6 一応、空虹は高校時代に演劇同好会を有志で設立した人。現在は部に昇格したらしい。
※7 ここ参照。空虹的には結構ショックだったぽいですねぇ。K藤嬢の芝居の上達が。ただ、「これで役者も身内で揃えれる」とニンマリしていた(謎)
※8 地方競馬も中央競馬も、馬主になるにはそれなりの年収を数年に渡って得る必要がある。らしい。
※9 自分で言っといてなんだけど、この言葉嫌い。
※10 だから、ウチのサイトには絵が少ない。代わりに描いてくれる人は常に募集中!
※11 ホラーとSFの真ん中あたりを行く作家。代表作「パラサイト・イヴ」「BRAIN VALLEY」「八月の博物館」他多数。
※12 日本で一番「おたべ」が似合う小説家(笑)代表作「スレイヤーズ!」「ロスト・ユニバース」「日帰りクエスト」他多数。
※13 同時期に教育出版(?)の教科書を使っていた小学生ならわかってくれるはずだ(断言)
※14 話がひょんな方向に走ったが、大抵こういう話は理想論に執着して、中身がないことが多い。そこら辺のことをも少し詳しく。
※15 空虹桜50行(!!)。U・B34行。完勝。しかし、こんなにしゃべったのか?・・・


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