第501回 エヴォリューション(後編)

U・B  >ジャパニーズファンクの王様であるところのFLYING KIDS※1)12年ぶりのNEWアルバム「
       ヴォリューション」(Amazon/iTS)レヴュの後編でございまして、6曲目は「ソウルシンガー」。
空虹桜>改めての決意表明的な。
U・B  >何度も歌おう 僕らはSOUL SINGER 声にはならない ぎこちない歌を 闇に
       飲まれても 消える事のない 炎の歌を※2)ですからね。
空虹桜>「声にはならない」ってとこがミソで、
U・B  >それをなんとしてでも唄うから「ソウルシンガー」だっていう。
空虹桜>まぁ、こういう曲があってるよね。このバンドは。
U・B  >浜ちゃんの声質にあってんだよね。あと、エロかこうやって未来というか遠くを見てる曲ね。「幸せであるように」
       はもちろんだけど、「僕であるために」とか「心は言葉につつまれて」かな。あと、ソロだけど「トワイライト」。(※3
空虹桜>感慨浸ってるところで申し訳ないけど、次、7曲目「ハチミツ」は思いのほかエロに跳ねない。
U・B  >いやちょっと待て。グラスのミルクが溢れて 清潔なシャツも汚れて 思わずため息
       ついたよ かすれそうな声 ヒーヒーハーウッヒッヒー・・※4)だぞ。どう読んでもただの
       エロ描写じゃねぇか。
空虹桜>これぐらいなら、今まで散々唄ってんじゃない?
U・B  >そりゃそうですけど、ホラ、このご時世そこまでそこまで踏み込めないじゃないですか。テレビの地上波じゃ
       乳首を塗り潰すご時世ですよ!どこの妖怪だよ
空虹桜>なぜそこで声高になる。
U・B  >ネットができたせいで、昔に比べてエロに接触しやすくなったとか平然とホザく阿呆がいるんだけど、待てと。昔は18ぐ
       らいまでに子ども産んでたりしたんだぞと。田舎なら15ぐらいに一通り通過儀礼で仕込まれたりもしたんだぞと。エロが
       エロとしてではなく営みのサイクルとして組み
空虹桜ウゼェよオタク!
U・B  >・・・ごめんなさい。
空虹桜>次行こう。8曲目「ユルギナキコト」で、スネアがビシバシ。
U・B  >なにがあろうとも、あなたに会いたいことだけは揺るぎがないという、純愛
空虹桜>ホント無闇にカタカナにするよね。タイトル。
U・B  >漢字でも平仮名でもちょっと違う感じはするじゃん。フライングキッズとして唄うなら。
空虹桜>いい歳でもキッズだしね。
U・B  >そっち?
空虹桜>ラップパートがなぜあるかとかはスルーして、9曲目「シャイン!」コテコテな感じのラヴソング。
U・B  >なにげに許された記憶 それが歩き続ける力※5)とかグッと来ちゃうんですけどね。
空虹桜>サビじゃなくて?
U・B  >サビはもちろんいいんだけど、この歌詞が挟まることで、「僕」と「あなた」との距離がハッキリ見えるじゃん。
空虹桜>あなたは記憶の中にしかもういないっていう?
U・B  >そこから10曲目「さよならレインボウ」につながって、2009年を振り返ってみるとぉ
空虹桜>・・・
U・B  >わかんない?
空虹桜>んー・・・
U・B  >んじゃ、その「さよならレインボウ」に下らぬ冗談でさえ 眩し過ぎる思い出 愛しあってる
       かい そんな言葉が耳にへばりついたまま※6)って、歌詞があるんだけど、
空虹桜>あ〜
U・B  >「激しい雨」だってそうなんじゃないかと思ってたりするんだけど(※7)、個人的にこのアルバムは、FLYING KIDSという
       バンドの復活第一弾にして、忌野清志郎追悼アルバムで、ファンとなにより忌野清志郎への宣言
       アルバムだと思っていて、
空虹桜>だからあの人がさよならを 空の虹で描いた 友よ 少しずつ 少しずつ その
       彼方へ近づこう※8)と。
U・B  >うん。その意味では全然素直に聴けないアルバムになってしまった、ちょっと惜しくはあるんだけど、でも、知ってる
       FLYING KIDSというか、あの時あの場で俺が聴いてたFKが歳取ったらやっぱりこうなったのかっていう安心とこれから
       の期待が見えて良いアルバムです。すくなくとも、今の子は一度聴いといた方がいいよ。(※9


※1 FLYING KIDS:「平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国」通称「イカ天」の初代グランドキング。浜谷淳子が結婚のため引退したので、現在のメンバ構成はVo.浜崎貴司、Gt.丸山史朗、Gt.加藤英彦、Ky.飯野竜彦、Ba.伏島和雄(リーダ)、Dr.中園浩之。
※2 拡大部は歌詞より引用。
※3 僕であるために:FLYING KIDS10thアルバム「真夜中の革命」収録。なぜかiTSに無い。いい曲なんだけど、尾崎?とか訊かれてムカツクのでした。 心は言葉につつまれて:FLYING KIDS2ndアルバム「新しき魂の光と道」収録。名曲。 トワイライト:浜崎貴司6thアルバム「発情」収録。クロスフェーダの順番がなんだかなので、その内ね。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 拡大部は歌詞より引用。
※6 拡大部は歌詞より引用。
※7 忌野清志郎のラストアルバム「夢助」に激しい雨という曲があり、この曲はこの曲で、忌野清志郎がRCサクセションのことを唄ってたりして意味深い。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 空虹桜18行。U・B31行で、そりゃの負け。野狐禅かアナログか、どっちかの話をやります。次回より。


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