U・B >はいはい。無理を押し通しスキップカウズ(※1)の11thアルバム「オープンエンド」を問答無用で喋ります!
空虹桜>先月時点でほぼほぼこうなることが予想できていたとはいえ、やっぱり理不尽だなぁ。
U・B >理不尽こそ生きる道!理不尽こそロックンロール!!
空虹桜>うっさいよ。馬鹿。ともかく1曲目「冬の時代」
U・B >リード曲のわりにはそこまでそこまでじゃないというのがファーストインプレッションだったんだけど、もう聴きすぎていい
曲にしか聴こえなくなってます。ちなみに、YouTubeで見れるから、お前ら聴け!と、編集ポイントを。
空虹桜>世界はいちじるしく 嘆いているのに 僕の周りに咲く花は 痛い程青く(※2)のおかげ
で、幸か不幸かタイムリィさを獲得してしまった曲だけど、春を求める曲に「冬の時代」と名付けてしまうのはどうなの?
U・B >そこをどうかと問われるとアレだけど、まぁ、ストレートに理解するなら、スキカウ自身の曲なわけじゃん。ここにいる意味
はどこだ(※3)って、お前ら20年近くバンド活動してて、今さらそこか?って気もしないじゃないけど、改めてここにいたってこ
の曲を持ってくるあたりの潔さというか、明け透け感はやっぱり嫌いになれないですよ。ええ。
空虹桜>もう既にウザいぐらいな熱量ですけど、2曲目「無理矢理君のモノ」はちょっと面白いラヴソング。
U・B >というか、この曲凄い時代性を背負ったいい曲だと思うんですよ。つまり、イマヤスがライナーノーツで草食系云々への言及もし
てるけど、この曲タイトル、字面だけ見れば全然草食系じゃないですか。
空虹桜>あんま草食/肉食議論もくだらないなとは思うけど、まぁ、肉食系だったら「無理矢理君は俺のモノ」だろうね。
U・B >でも違くて、あくまでも君のモノだってところがホントイマヤスの恋愛観というか、イマヤス好きだなぁと思うんだけど、ここに
あるのは確実に、自分と君の二人が別々の他人同士で、人格を持っていて、それぞれ個として独立している上で、それでも無
理矢理自分は君のモノだって宣言して押しつけてるワケじゃん。
空虹桜>押しつけられた側としては最悪だけどね。
U・B >うん。でも、その押しかけてる自覚が無いヤツっていうか、サドマゾ論とかでもそうだけど、お前がどうじゃなくて、相
手との関係性の中で成立していくワケじゃん。
空虹桜>その話し長い?
U・B >いや、えーと・・・無理矢理君のモノになりたいッスよねぇ。
空虹桜>なんだそのシメ。いいや次。3曲目「特別な人」いい曲。
U・B >否。名曲。
空虹桜>やっぱりツボは何から話そう 昨日までの事 時間はあるから ゆっくり話すよ(※4)ってサビ
のところでいいんだよね。
U・B >YES!いろいろ話したいことがあって、それをどれから話そうか悩んでるのは、君が特別な人だからなわけじゃないで
すか。この感覚。わかるかな。わかんないだろうなぁ。
空虹桜>松鶴家千とせですか。
U・B >なんつー、醒めたツッコミ。
空虹桜>この曲でなにげにいいなぁと思ってるのは遅刻してきた相手に気づいてるのに知らんぷりしてるとこ
ろで、この手のいじましさは萌えだなぁってところで4曲目「けど でも」
U・B >正直、「特別な人」で気分的には上がってるから、あまり覚えていない曲なんだけど、相変わらずイマヤスだなぁと思うのはボ
クを下の名前で呼んだ人 さよなら(※5)ってところで、名曲「君は恋人」(※6)からの伝統だけど、イマヤス
にとっては「下の名前で呼ばれること」って重要というか別なんだよね。
空虹桜>別でもどーでもいいから、謝るならちゃんと謝れよって気がするけどね。
U・B >ああ、なんて身も蓋もないことを・・・ちなみに、これはユーヤン曲。
空虹桜>いらない豆知識をどうも。さて、5曲目は珍しくホーンが入ってる「号泣」
U・B >サックスはEmpty Black BoxのYUSAKUなんだけど、なによりも遠藤君作曲でこんなブラック寄りというか、ジャジーな曲が出てく
るのがビックリで、さらに、演奏が本職のジャズマンみたいに聴こえるところが、さすがに年期積んでるバンドは
違うなぁっていう。
空虹桜>まるでジャズには一家言ありそうな言い様ですが。
U・B >ただ好きなだけのミーハですから、もちろんとくになにもないんですけどね。あとは泣かないでって言って 一番
聞きたい言葉を 負けないでって言ってくれ 俺に聞かせてくれ(※7)ってフレーズは、素直
なヒーロー願望でもあるんだけど、好きです。
空虹桜>もうだいぶ疲れてきたけど、6曲目「イエス」
U・B >冗談抜きでスキカウでも五指に入るぐらいの名曲で、どこがどう名曲かっていうと、白根ゆたんぽ先
生が歌詞全部3Dで飛び出るようにしたぐらいの名曲。(※8)
空虹桜>凄いんだか凄くないんだか。
U・B >全歌詞引用してもいいんだけど、「イエス」って単語についてくるのが「ひたすら」だったり「ひたむき」だった
りするあたりが、スキカウなんだよなぁ。これが、フラカンだとなにも付けずに連呼するだろうし、怒髪だと「まぁいろいろあるだろ
うけど」と清濁併せ呑んじゃうし、ピーズだったら照れ隠しつつ諦め気味に「お〜いえす」みたいな感じだろうと。
空虹桜>はぁ。
U・B >その中で、思いとか希望とかもひっくるめて、ただひたすらにひたむきに「イエス」って叫ぶのはイマ
ヤスなんだよなぁ。
空虹桜>さいですか。7曲目「発展途上」
U・B >ホント、サッパリ流してくださりますが、この曲も「けど でも」みたいにインパクトが残りにくい曲ではあるんだけど、不格好だ
どうしても(※9)って言い切っちゃうのは、たしかに後ろ向きだけど、いい決意表明だなぁと。
空虹桜>なんだか手短な感じなので8曲目「キリトリセン」
U・B >イントロのギターが好きです。
空虹桜>これまた手短な。
U・B >嫌な事には見えないセンがある(※10)って、単に励ますだけの曲じゃなくて、そうやってセンがあるんだから、
本当に嫌なら切って、千切ってしまえばいいって、イマヤスいいこと言うなぁって、ホント、この曲出た時から思って
おりました。(※11)
空虹桜>じゃあ最後。9曲目「俺」最後の最後にあったま悪い感じがして、嫌いじゃないです。
U・B >そここそスキカウというか、これもライナーノートで「イエス」と双子のような曲とか言ってたんだけど、こっちはなんでもかん
でも全部自分のことにしてるワケじゃん。
空虹桜>良きにしろ悪きにしろね。
U・B >その感じが、「イエス」って肯定するのも「俺のだ」って背負い込むのも同じよな意味というか、同じよな意志で発せら
れるわけだ。
空虹桜>でもね、なんかそゆ感覚って存外一般的じゃないんだってのをこないだ知った。
U・B >人に責任取ってもらえるから楽。ってのと、責任背負ってでもやらせてください。ってのなら、後者を取りたいと思う人がすくないご時世ですわな。
空虹桜>ねぇ。
U・B >そこでやっぱり背負ってくのがロックンロールの命題だと信じてるから、この歌を唄えたスキカウはやっぱりいいロックバンドだと
思うし、帯の有吉(※12)じゃないけど、くだらない曲を唄ってるヤツらや崇める馬鹿にもっと見せ
つけてやって欲しいよなぁ。(※13)
※1 スキップカウズ:U・Bがベタ惚れする千葉を代表するバンド。メジャデヴュ後のアルバムはすべて過去に紹介しています。Gu.遠藤肇(リーダ) Vo.今泉泰幸(イマヤス) Ba.小川雄二(ユーヤン) Dr.直井茂雄(シゲ)
※2 拡大部は歌詞より引用。
※3 拡大部は歌詞より引用。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 拡大部は歌詞より引用。
※6 君は恋人:4thアルバム「野暮天・上」収録曲。「好き」だの「愛してる」だの陳腐な日本語を一切使わず、君への愛を唄った名曲。クロスフェーダでも語ってるけど、中身が無い・・・
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 白根ゆたんぽ:イラストレータ。イマヤスがオールナイトニッポンをやっていた昔、聞いて、ファンになって、アルバム等のジャケを描いてくれるようになったいい人。絵を見たことあるハズなんで、オフィシャルへ行ってみましょう!
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 iTSで2009年にシングル発売されていたのじゃ。
※12 有吉:無論、元猿岩石の有吉弘行のこと。Wikipediaでいうところの広島ローカルタレント時代にイマヤスと仲良くなったのでした。ちなみに「イエス」は広島ローカルのTVCMとタイアップしたりもした。広島との不思議な縁。
※13 空虹桜27行。U・B50行で、無論俺の負け。それはともかく、久々に喋ったったぜ!次回からはまたしばらく普通にやります。