第601回 WORLD CRASS(後編)

空虹桜AFRA※1)が友人のヒューマンビートボクサと組んだバンドAFRA & INCREDIBLE BEATBOX BAND
       (※2)のセカンドアルバム「WORLD CRASS」(Amazon/WORLD CLASS - AFRA & INCREDIBLE BEATBOX BAND)を語る後編です。
U・B  >一言違わず前回と同じ台詞を仰いましたね。たぶん。
空虹桜>知らない知らない。さすがにそこまで意識して喋ってない
U・B  >なら、もうちょっと意識的に発言なさってくださいまし。さて、後半最初の9曲目「Nice」はわりとダンスっぽい感じのループな
       インスト曲(※3)で、次、10曲目が「Let The Music Take You Higher feat. ロボ宙, SHIVA,
       ZOI」で、なんかお洒落
空虹桜>見事にアホっぽい発言を。
U・B  >ええ。アホですから。
空虹桜>アーバン感溢れるトラックとかに聴こえても、所詮、口ドラムでラップはロボ宙だからね。(※4
U・B  >久々に思ったけど、お前ホントにファンか?
空虹桜>まぁ、このアルバムのコンセプトが世界へ向けての発信みたいんところにあるとして、こゆトラックってクラブ受けは絶
       対いいよね
U・B  >ベースがしっかり鳴ってるしね。11曲目が「Tighten Up」で、元ネタ派Archie Bell & The Drells(※5)なんだけど、これの
       YouTube聴いたら結構完コピ路線だったという。
空虹桜>またちゃんと掘り返したねぇ。
U・B  >役割的にそゆ立ち位置ですから。
空虹桜>こうやって入ってくるMCのシャウトというかって、やっぱり盛り上がってる感が一番重要だと思うんだよね。
U・B  >間違いないです。ライヴアルバムであればあるほど気持ちがいい。
空虹桜>そこの表現というか感情移入感は元ネタの方が大きいかなぁと。
U・B  >今日は軒並み否定派ですね。次、「Stavanger Live Edit」はひっくり返って、ライヴ音源のリミックス。
空虹桜>かといってこゆのは嫌いじゃないんだよね。
U・B  >どっちかって言うとこれは遊びの要素が強いですからねぇ。
空虹桜>遊びというか、ちゃんと客観視しないと基本自分の作ったモノの切った貼ったってできな
       のね。で、無自覚かもしれないけど、その客観が寄り添うというか寄り立つのが遊びとかオモロとか、そゆ感情や感
       覚なんだよ。
U・B  >ああ。はいはい。なるほど。そこには楽屋落ちが一番面白い的な発想はなくて、
空虹桜>たしかに楽屋落ちは面白いけど、それよりもシリアスというか、「俺もアイツも楽しいんじゃね?」みたいなとこだよね。始点が。
U・B  >そこまで噛み砕かれると、「アイツ」って客観が具体的になるからわかり良いッスな。さて、ウダウダこの話をしていても仕方が
       ないので次。13曲目「What Does That Look Like? feat. コトリンゴ」は、ぶっちゃけコトリンゴの
       無駄遣いに聞こえるのです。(※6
空虹桜>無駄遣いって、このユル〜いコーラス感は美味しい役回りなんじゃないの?コトリンゴのことよく知らないけど。
U・B  >そう。よく知らないことは発言しない。これ重要。
空虹桜>そうだねぇ・・・でもまぁ、牧歌的な感じが嫌いじゃないです。「なにに見える?」って訊かれて、「なんか」って答える間抜けな感
       じっぽさというか。
U・B  >ごめん。さすがにわからなさすぎる。その感覚。14曲目が「Incrediplo -Produced by Diplo-」で、一転して攻
       撃的なダンスミュージック。
空虹桜>Diplo(※7)のプロデュースだからね。4つ打ちでダンサブルだから、普通にクラブでかかりそう。
U・B  >ちょっとだけヒューマンビートボックス感に欠けるかなぁって気もするんだけど。
空虹桜>わかるんだけど、そのアナログとディジタルのハイブリッドさがAFRA以降というか、肉体発であるところで担保
       されてるなにかだと思うんだよね。この辺よく言語化できてないんだけど、ディジタルすぎないしアナログすぎない感
       じって、この先結構重要だと思ってて、その実体の一つがAFRAなりI.B.B.なりのヒューマンビートボックスの人たちな
       んじゃないかなぁっていうね。
U・B  >なんかまとめっぽいこと仰いましたけど、もうちょっと曲が続いて、15曲目「Out」って27秒のインスト曲に続いて、ボーナスト
       ラックの16曲目「OMG
空虹桜>まぁ、この曲は普通のインストだよね。とくに思い入れもなく。
U・B  >普通って・・・じゃあ最後。17曲目が「Spacy La La_今夜は解放です
空虹桜>これも普通っちゃ普通なんだけど、AFRAの自分語りラップってわりと珍しいから、そこは聴き所かなぁ。
U・B  >なんかボーナストラック否定気味ですが。
空虹桜>全体的に、一発目のアルバムの衝撃というか、キャッキャ感が消えちゃって、じゃあなにをしなくちゃいけないんだろうね?
       って、ところで目的がうっすらしてしまったかなぁとは思うんだよね。
U・B  >否定するなぁ。
空虹桜>もちろん、面白いところはいっぱいあるし、聴き所というか、今回聴き直してて、思いのほかいい曲多いなぁって感じだったんだ
       けどね。


※1 AFRA:本名の「Akira」とアフリカ系アメリカ人を意味する「Afro」を混合して作ったAFRA。1stアルバムのタイトル「Always Fresh Rhythm Attach」は後付けらしい(Wikipedia情報)有名になったキッカケはゼロックスのこのCM
※2 AFRA & INCREDIBLE BEATBOX BAND:AFAR・啓・K-MOONの3人で結成したビートボックスバンド。
※3 インスト曲:インストルゥメンタルの曲。つまり、唄無し音だけの曲。
※4 口ドラム:ヒューマンビートボックスのこと。 ラップはロボ宙:脱線3のリーダであり、スチャダラパー第4のメンバと呼ばれるロボ宙がラップをしている。
※5 Archie Bell & the Drells:アメリカのR&Bグループ。1966-1980まで活躍していたらしい。
※6 コトリンゴ:本名は三吉里絵子なシンガーソングライタ。結構いろいろ細かい仕事をしてらっしゃる人。
※7 Diplo:アメリカ人のDJ、プロデューサ、テクノミュージシャン。エレクトロクラッシュ〜ニューレイヴなど、2000年代後半の世界的ダンス・ムーヴメントにおける最重要プロデューサとして知られるらしい。以上、Wikipedia情報
※8 空虹桜29行。U・B25行で、の勝ち。もう1枚AFRAが続きます。


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