第624回 東京幻想の話

空虹桜東京人が東京幻想は無くなったとか言うって、どゆ羞恥心の無さ?って話を。
U・B  >これまたずっとストックしてたネタですが。ちょうどオザケン(※1)もそんなような話をチラッとしてたりもしてましたしねと。
空虹桜>してたねぇ。まず、そもそも論で、東京幻想ってなに?って話からだけど、端的に言って東京アコガレ(※2)で、そ
       れが日本の歴史上、江戸幻想があったかどうかよくわかんないんだけど、集団就職で上京してきた金
       の卵ぐらいからは間違いなくあって、それが極まったのが90年代の渋谷系ブームだという分析ならば、そこまで否定はしない
       んだけど、その隅っこに寄生していたヤツらが自分が歳取ったからって東京幻想は
       無くなったとかホザくと鼻持ちならないんだよね。
U・B  >もうだいたい言いたいこと言っちゃった。
空虹桜>言っちゃった。
U・B  >後先考えてない展開は好きな方ですけど、もうちょっと話もたせないと「反省の回」(※3)じゃないんですからねってところで、
       たとえば、海外から見たクールジャパン的なモノって、やっぱり東京幻想だと思うんですよ。
空虹桜>ああ。札幌幻想とか仙台幻想とか新潟幻想とか大阪幻想とか福岡幻想とかではないよね。しいて言えば京都幻想ぐらい。
U・B  >あと今どきだと、福島幻想ね。
空虹桜>広島幻想とか長崎幻想ってあるんだろうかね。
U・B  >どーなんッスかね。すくなくともアメリカだと、悪いヤツらは虐殺されて当然とかいう発想が是とし
       て教育されてたりするからなぁ。
空虹桜>それこそホントに野蛮だと思うんだけどね。
U・B  >所詮、キリスト教原理主義なんて引きこもりな宗教でしかないですからね。
空虹桜>また、とんでもないことを。
U・B  >シレッと言ってみせましたけども、ただね、原理主義者的なところの嫌いになれない部分もあって、それは問答無用で
       好きだと衒いなく言ってるとこなんッスけど、それはまた別の話。
空虹桜>そう、ちょうどいいから乗っかっちゃうけど、東京幻想が無くなった言う人たちって、きっと「東京好き」だとかって
       恥ずかしくて言えない人たちだと思うのね。
U・B  >そのくせクールジャパンとか真顔で言えちゃう
空虹桜>でもって、サブカル論壇とかいうアレなジャンルの大家だったりするっていうね。ある意味、究極の残念な人
U・B  >すみませんね。残念な人で。
空虹桜>アンタが残念な人なのは否定しないけど、アンタはサブカルの大家じゃないからね。
U・B  >まったくなにをもってもその通りで。
空虹桜>話を戻すけど、東京幻想って2つの意味があるんだよね。1つは良い意味で、さっきの東京アコガレなわけだけど、もう
       1コは東京怖いシンドローム
U・B  >新宿で人とぶつかったら殺されると思ってたもんね。未だに東京で生水飲まないし。
空虹桜>平山夢明の「東京伝説」(※4)とか読んでたら、未だに東京怖いシンドロームに犯されるけど、さすがに北海道のド田舎生ま
       れでも東京怖いシンドロームってそこまで強くなくなってるじゃない。
U・B  >おそらくは。「警察24時」とか見たら六本木とか怖くて近づけないけどね。東京住んで10年以上経ってる地方人
       が。夜の六本木一人で歩いちゃ行けないとか言うもんね。
空虹桜>ああ。なるほど。たしかにそゆ意味では東京幻想っていうか東京リアルだよね。
U・B  >むしろ東京現実の方が音数もあって良くないッスか?
空虹桜>チッ。上手いこと言って。
U・B  >怖い方の東京幻想が現実ってのは皮肉だけれど、じゃあ、良い方は?という話で、何人かのTwitterとか見てると、やっぱり
       東京幻想みたいなモノは無くなってないんだよね。
空虹桜>結局、東京が東京の情報を発信するだけだからね。
U・B  >集約化してしまえば効率的にお金を稼げるっていう。
空虹桜>アコガレがお金を基準にして換算されてしまうことに東京幻想が無くなったとラヴェルを貼ることは単純でわかりや
       すい図式だけど、そもそも、昔から東京幻想ってお金のために作られた幻想なわけじゃん。
U・B  >そうそう。もうひとつの文脈だと、たとえばオザケンの唄う東京は東京幻想の中でも実は特殊で地元東京を唄って
       わけじゃん。これがユーミンになると地元にもかかわらず東京幻想を強化する方向で歌を作
       り上げていて、まさやんの「ツバメ」は東京幻想を語り、ピチカートとかだとやっぱり外から思い描いていた
       東京幻想の歌になるっていう。(※5
空虹桜>面白いね。その分析。そうなると、そもそも音楽のセールスが落ちたことと東京幻想が弱くなったことってイコールかも
       しれないよね。
U・B  >たぶん、解釈論の一つとしてはそれ正しいと思うんですよ。ソーシャルメディアの発達と無理矢理くっ
       つけたい人々もいるんだけど、そもそもソーシャルメディアでネタになるイヴェントってほとんど東京で行わ
       れてたりするわけで、お前らアホか!っていう。
空虹桜>ハハハ。たしかにたしかに。結局、東京幻想無くなったって言いたい人たちは、自分たちの方便の強化として
       言わざるを得ないから言ってるわけでしかないんだよね。
U・B  >同じくらい、北海道幻想とか田舎幻想みたいのもあって、どっちも所詮幻想でしかないんだから、無くなるはずがないっていう
       ね。アレですよ。相対論でしかないってことですからね。(※6


※1 オザケン:誰もが見な知る小沢健二のこと。このあとで出てくる小沢君も同一人物を指します。
※2 アコガレ:発音としてはア↑コガレ。俺たちの住みたかったor遊びたかった街「東京」のこと。詳しくはこれこれを聴いてください。
※3 反省の回:毎月最終週にお送りするクロスフェーダ。公開恥さらしというか。
※4 平山夢明の「東京伝説」:ヘタな幽霊より気違いの方がよっぽど怖いという本。これ読んだ日の夜とか、怖くてカーテン開けられない。
※5 ユーミン:ご存じ八王子出身、松任谷由実(荒井由実)の愛称。日本に数いる著名な妖怪の一人。 まさやん:山口県出身の山崎まさよしの愛称。生で「ツバメ」を聴くと問答無用で泣ける。 ピチカート:渋谷系の権化の一人ピチカート・ファイヴのこと。小西康陽も野宮真貴も実は北海道の出身。田島貴男はもちろん東京生まれ。
※6 空虹28行。U・B29行で、よもやの負け。ストックしてたネタとはいえ、空虹さんがこのタイミングでもってきたのは、「東京ヒズミランド」契機であること、言うまでもなく。


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