第636回 我ら、時 DISC1(前編)

空虹桜>なんと一般発売されることになったらしい、小沢健二※1)の「毎日の環境学」以来(※2)となる15,000円する音
       源「我ら、時を、きっと1年以上かけて語る、とっぱじめ、DISC1の前編です。
U・B  >同封の「ドゥワッチャライク」とか手綴製本っぽいんだけど、量産追いつくんッスかねぇ。
空虹桜>どーなんだろうね?小沢マネーがあればなんとかなるんじゃないの?
U・B  >なることとならないことがあると思いますけどねぇ・・・それはともかく、本題。(※3)トラック1は「流星ビバップ(一)
空虹桜歓声からはじまるのが、ありきたりっちゃありきたりだけど、待ちかねた感でいいよね。
U・B  >本編では照明点けずにこの曲やってたらしい。
空虹桜教会通りにきれいな月 火花を散らす匂いとまぼろし※4)だからね。
U・B  >ぶっちゃけ、過剰演出じゃね?って気もする。
空虹桜>その場にいたらこの演出に飲み込まれる自信もあるけどね。その定型的な感じが、さすが小沢健二というか。
U・B  >たしかに。そのままトラック2として「」の朗読。
空虹桜>予備情報無しでこれは面食らうよねぇ
U・B  >食らうでしょう。なに突然曲途中で喋り出してんねん!
空虹桜>天然。
U・B  >天然。
空虹桜>このへんもなんだかトゥーマッチ感というか、いかにもいかにもな演出だよね。真っ暗闇で真っ暗闇の中で音楽を
       聴いた日のことは絶対に忘れない。その記憶は消えることがない※5)とか言っちゃうわけ
       だから。
U・B  >ええ。だからこそのオザケンでもあります。まぁ、この辺の解釈論はオザケン本人が褒めてたんだから、大山卓也のblogでも見
       ればいいんじゃないですかね(※6)ってところで、トラック1同様また、スカパラの沖さんが「ひい、ふう、ひいふうみいよ」言
       って、トラック3で「流星ビバップ(二)
空虹桜>このトラックを聴いて決定的に気づくけど、やっぱり高いキィが全然声出てないっていう。
U・B  >今年見た「東京の街が奏でる」(※7)になるとそこまで出てない感は無かったんで、やっぱり反省したという
       か、鍛え直したのかなぁと。
空虹桜>ストリングスをバックでやるんだから、ヴォーカル力が無いとちょっと恥ずかしいもの。コーラスの真城さん(※8)は相変わらず
       の声量なんだし。
U・B  >あとは声の張り方のコツを掴んで、上手いこと誤魔化せるようになったのかなぁっていう。
空虹桜>たしかに。それもあるかもね。まぁ、その辺は再来年あたりにまた15,000円ぐらいする音源が出て
       からきっちり聴き直せばわかることかな。
U・B  >また出すんですか?あの人。
空虹桜>むしろ、ヤツならやりかねんと思うでしょ?
U・B  >そりゃまぁ・・・なにせ夢の中で見たデザインで写真立てとか作る人ですからね。
空虹桜>小沢君以外に許されない行動だからね。
U・B  >ぶっちゃけ、狂気の沙汰ですからね。それはともかく、トラック4で「ぼくらが旅に出る理由」曲途中の歓声は、どう
       もこのタイミングでステージの照明が点いたみたいです。
空虹桜>たぶん、この瞬間の小沢君のシルエットとかが、偶像化されたりするんだよ。
U・B  >はいはい。旅に出る理由があって、帰ってきて、んで、「光あれ」ですからね。
空虹桜>なんだかんだで、アメリカ的センスというか。
U・B  >ポップですわな。
空虹桜>この曲もそれで僕は腕をふるって 君にあて返事を書いた とても素敵な長い手紙さ
       何を書いたかはナイショなのさ※9)のあたりが声がふらついてて、発声する根本的な筋肉が
       落ちてるのがわかる。
U・B  >それも含めて、このタイミングでオザケンを見るのは大事だったと思いますけどね。さて、
       今回最後はトラック5の「想像力」の朗読。
空虹桜>アイヌのオバサンがカラスを呼び集めてくれるあたり、なんだかヤケにリアリティある絵が思いついて、どうしようかと思った。
U・B  >どうにかすればいいじゃないですか。
空虹桜>どうにか。
U・B  >どうにか。
空虹桜>にしたって、さすがに北海道をどんだけグルグル回しても、他の太平洋数多の島と区別つくよねぇ。
U・B  >それはウチらが道産子(※10)だからですよ。刷り込まれきってるから。
空虹桜>まぁね。あと、ちゃんと本州も島としてカウントしてるのは、わりと好感。
U・B  >ああ。内地の人間(※11)ってそゆ実感あまり持ってないなじゃないかって、たまに思いますわな。
空虹桜>その感覚が島国根性の起点かな。
U・B  >また暴論。
空虹桜>あと、後半パートの数の数え方のところは、「五」の件が強引だよね。
U・B  >個人的にはその強引さがある種のアカデミックさじゃないかと思いましたよ。
空虹桜>ああ、たしかにその感覚はわからじゃないね。でも、4人家族のところとか当たり前じゃん!って話してるでしょ。
U・B  >4人家族で7個買って帰ったら絶対喧嘩になるじゃんっていう。
空虹桜>サザエさんでも買って帰らない。
U・B  >4人家族じゃないですからね
空虹桜>いや・・・
U・B  >数学って、わりとそゆ単純な発想から生まれてると思いますけど、まぁ、オザケンが言いたいことを言うためのモノローグだか
       ら、いいかっていう。(※12


※1 小沢健二:限られた人にのみ許されたレアジョブ「旅人」の人。旅先へは圧力鍋を持って行ってるらしい。恐ろしい人。
※2 我ら、時:2010年に行われた「ひふみよ」ツアーのライヴCD3枚組+αで構成された作品集。「Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学」が2006年の音源なので、6年ぶり。
※3 若干、この手の言い回しが口癖みたいになっている自覚はある。しっかし、なんでこんな忙しい時にこんな大ネタを・・・
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 拡大部はモノローグより引用。
※6 大山卓也:ナタリーの中の人。古い人にとってはミュージックマシーンの中の人。RSRがはじまってから実家に帰るようになったので、両親に喜ばれてる人。
※7 東京の街が奏でる:2012/3・4に行われた小沢健二のライヴ。
※8 真城さん:ヒックスヴィルの真城めぐみのこと。油断するといろんなライヴにコーラスで参加しているので、「は真城さんを見に来たのか?」と、思うことがある。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 道産子;U・B空虹も北海道は赤平市の出身です。
※11 内地の人間:北海道の人は本州以南を内地と呼びます。外の人だという自覚症状があるため。
※12 空虹桜32行。U・B31行で、辛うじての勝ち。このアルバムは曲じゃないのもあるんでトラック数でカウントです。


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