第692回 フェアリーチューンズ♥

空虹桜>ホントはスチャさんの話(※1)をしなきゃいけないんだけど、実はそんな聞き込みが足りてないので、ちゃんと聴けてるものからレヴュしましょ
       うと、川本真琴※2)の話をしましょう!と。
U・B  >はい。そんなわけで「フェアリー・チューンズ♥」の話です。AmazonさんやWikipediaではシングル扱いですが、4曲入ってればミニアルバム
       で良くね?ということで、ウチではミニアルバム扱いします。
空虹桜>っていうか、もうこのご時世にシングルとかミニアルバムって概念が古い感はあるよね。
U・B  >iTunesのせい(※3)で、1曲単位でピックアップされる世界ですからね。
空虹桜>個人的に悪いことだとは思ってないですけどね。
U・B  >ちなみに、本筋的には「KING SIZE BEDROOM TOUR」(※4)の話もしなきゃいけないんですけど、どうします?
空虹桜>やってもいいけど、長くなるからねぇ・・・
U・B  >だいぶ長くなりますね。たしかに。他のレヴュスケジュールもボチボチずれてきてることだし、ネタが尽きたらやりましょうか。
空虹桜>そだねぇ。
U・B  >ってところで、1曲目「Tune」ちなみに、今回は「川本真琴 feat. Tiger Fake Fur」名義になってます。
空虹桜>名義の使い分けにもなんか意図があるかも知れないけど、そこを深掘りすることにあまり興味が無くて、「川本真琴」であることから離れたか
       った痕跡という理解しか持ってないのね。アタシは。
U・B  >それって重要なんじゃないですか?
空虹桜>重要ではあるんだけど、川本真琴をリスタートした今にとっては、その経過があったことだけが事実として記録されていればい
       いのかなぁと。
U・B  >そうかなぁ・・・
空虹桜>実際問題として、Tiger Fake Fur名義の音源って、1枚ぐらいしか出てないからね。(※5
U・B  >まぁたしかに。
空虹桜>そんなわけで「Tune」だけど、珍しく全編英語詞
U・B  >ちうか、ほぼ初めてじゃないですか?英語詞。
空虹桜>逆に言うと、この辺がTiger Fake Furの名残かなぁって気もするけど、シンプルに綺麗な楽曲。
U・B  >英語詞に対する解説は英語力が低くて出来ませんと。
空虹桜>否定はしないけど、拙い英語力からでも、歌詞を云々より曲全体として「Tune」を感じる方が大きいかなぁと。
U・B  >誤魔化した的な。まぁいいです。次、2曲目は「バイバイカレーライス」で、まさかの住所不定無職(※6)とのコラボ!
空虹桜>U・Bさん、住所不定無職がお好きなようで。
U・B  >ええ。そのわりにまだライヴ一度も見れてないですけども。
空虹桜>いいの?そんなんで。
U・B  >いいんです!つか、しっかり構成される川本真琴の世界観に、ユルユルでグダグダな住所不定無職の組み合わせって、あまり想像
       がつかなかったんだけど、ユリナ(※7)の声質が似てるせいもあってか、わりと違和感なくまとまってるなと
空虹桜>メインヴォーカルが川本真琴だし、なにより、作詞作曲が川本真琴じゃないからね。(※8
U・B  >ああ。たしかにそこは大きいかもしれんですね。
空虹桜>もともと川本真琴がユルい人だってのもあるカモだけどね。
U・B  >それにしたって、全然カレーライスが活躍しない歌詞でここまで持たせるあたりはさすがだなぁと。
空虹桜>活躍してないねぇ。カレーライス。
U・B  >象徴性を見出してもいいんだけど、それにしたってねぇ
空虹桜>思いの外「バイバイカレーライス」って語感がいいってのが一番の取り柄みたいな
U・B  >ええ。3曲目は「踊り子ルイーズ」で、西岡恭蔵のカヴァであり三輪二郎とのコラボ。(※9
空虹桜>三輪二郎のヴォーカル力もいいけど、これは楽曲力がスゴいね。
U・B  >デュエットでカヴァしようという発想の時点で勝った感もあって、この手の楽曲って、男性ヴォーカルだと前野健太とか奇妙礼太郎とか、結構
       行けるヴォーカリストがいるんだけど、女性ヴォーカルがあんまいなくて、強いて言えば、中山うりぐらいじゃないかなぁっていう。(※10
空虹桜>なんか久々にオタク力発揮されてます?
U・B  >そこまでじゃないです。で、ここで川本真琴はあくまでコーラス的ポジションでしか無いんだけど、気持ちいい
空虹桜>サビのおまえ“さよなら通りのBlack Bird”※11)のハモリが見事に気持ちいい。
U・B  >ええ。そして、最後の4曲目が「息抜きしようよ」で、見事に川本真琴節炸裂
空虹桜>超今さらではあるんだけど、「愛の才能」(※12)とかのせいで「早口≒川本真琴」みたいなパブリックイメージができあがってるんだけど、実
       はこの曲みたいに、ちょっとたっぷり目に唄う方が川本真琴らしいというか、圧倒感が出るんだよね。
U・B  >激しい曲は激しい曲でいいんですけどね。
空虹桜>その両極性みたいのは、当然川本真琴の長所なんだけど、これだけポップさというかパンクさが薄い音源をドロップするあ
       たり、なんだろ?ライヴシーンと商品というか作品性みたいなものを切り離そうとしてるように見える
U・B  >それで?
空虹桜>さっきの「Tiger Fake Fur」もそうなんだけど、もともと川本真琴はアイデンティティを唄ってる人が、決別ってほどじゃ無いけ
       ど、過去を整理しようとしてる形跡があって、たぶん、そこは自意識過剰なんだけど、ファンとしてはその自意識過剰さ
       も含めて愛してるんだよね。
U・B  >なんか言った?
空虹桜>ええ。だから、安心していいんだよってところが、今ひとつ、伝わりきってない感じがするんだけど、でも、徐々に落ち着いてきてるのかなぁと。
       だから、最近ちゃんとライヴして、リリースできてるんじゃないかなぁと。(※13


※1 スチャさん:空虹さんが大好きなヒップホップユニット、スチャダラパーの略。最近「6ピースバリューパック」ってアルバムが出た。
※2 川本真琴:福井が生んだシンガソングライタ。90年代を駆け抜けた才能。
※3 iTunes:Appleさんが営業してる音楽販売サーヴィス。アルバムのバラ売りがキモ。
※4 KING SIZE BEDROOM TOUR:川本真琴の3rdツアーにして、2012年に発売されたライヴアルバム兼Blu-ray。
※5 Tiger Fake Fur名義の音源って、1枚ぐらいしか出てない:2006/8/9発売の「山羊王のテーマ」ぐらい。
※6 住所不定無職:ユリナ(ギターとか)、ザ・ゾンビーズ子(ギターとか)、ヨーコ(ギターとか)の3人組だったロックバンド。当時。最近、シ・オンチュ(ギターとか)が加わって4人組となった。
※7 ユリナ:そんなわけで、住所不定無職のギターとか。つか、リーダ。ドラムヴォーカル。
※8 作詞作曲が川本真琴じゃない:作詞作曲トクガワロマン。
※9 西岡恭蔵:シンガーソングライター。ザ・ディランとかだった人。三輪二郎:シンガーソングライター。地を這うようにソロ活動を続行している人。川本真琴のバックバンドにいることが多い。
※10 前野健太:シンガーソングライター。佇まいが若かりしころの井上陽水みたい。奇妙礼太郎:バンドマンでありロックボーカリスト。同年代で一番風格のあるヴォーカルかと。中山うり:シンガーソングライターかつアコーディオン弾きかつ美容師。うりたん可愛いよ。うりたん。
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 愛の才能:川本真琴のデヴュシングルにして伝説。ご存じ岡村靖幸プロデュース。
※13 空虹桜32行。U・B26行で、の勝ち。久々に川本真琴話でした。次回も空虹回は川本真琴です。


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