U・B >さて、アナログフィッシュ(※1)はメジャ契約を切られて(※2)、あまつさえ自律神経失調症で斉藤州一郎が脱退する(※3)という異常事態の中
作られたアルバム「Fish My Life」(Amazon/iTS)を語る前編です。
空虹桜>その分、ゲストドラムが入ってますよと。
U・B >総勢7人で全9曲。
空虹桜>1曲目は「才能 (Intro)」と、文字通りイントロで、その7人にはカウントされない佐々木健太郎一人曲。(※4)
U・B >こないだ出たソロアルバム(※5)と同じ構成と申しましょうか。
空虹桜>1分無い曲ですから、サクッと次に行って、2曲目は「ダンスホール」
U・B >いい曲でしょ?
空虹桜>前のめりに来たなぁ。
U・B >背景を知って聴いてると、この曲の輪唱みたいな下岡(※6)と佐々木二人で唄いつないでいく構成が、意味深いじゃないですか。
空虹桜>まぁ、踊ったら捕まるんだけどね。
U・B >それを言ったら・・・ちなみに、この曲のドラムは森信行。
空虹桜>3曲目が「PARADOX」でまた下岡曲。
U・B >さっきの「ダンスホール」よりはよっぽど下岡っぽいとは思うんですけどね。
空虹桜>普通に異常なワールドで異常に普通なデイズ(※7)なんかはさすが感あるフレージングだよね。
U・B >注目はここで素直に世界を唄ってることですかね。あの下岡が。つまり、斉藤州一郎というドラムが抜けた事実が、否が応でも下岡を
世界に面と向かわせたわけですよ。
空虹桜>そゆことあるよねぇ。
U・B >なんかあったんッスか?
空虹桜>無いけど、そこ乗っかってくるとは思わなかったです。
U・B >隙あれば乗っかれと。あと、フレーズとしてはストレンジなフィーリング(※8)ですかね。空虹さんのタイトルにありそう。
空虹桜>たしかに。さて、4曲目は「Clap Your Hands!」でsay yeahは付かない。
U・B >また、凄いネタ持ってきましたね。
空虹桜>あと、そんな拍手するシチュエーションがない曲。
U・B >手拍子程度ですからね。そうそう、さっきの「ダンスホール」がドラムがフィリポでパーカッションがコテイスイの髭ちゃんコンビだった(※9)んだけ
ど、こっちはモーサムの藤田勇。(※10)
空虹桜>なんか難しい単語がいっぱい並んだぞ。
U・B >今どきのバンドマンが、どれだけキャラ付けに悩んでるか、よくわかりますわなぁ。
空虹桜>そゆ問題ですか?
U・B >そゆ問題です。あと、この曲ぐらいから、健太郎のメロディラインにドレミファを唄いあげるってのが現れだす。
空虹桜>もうちょっとカッコいい言い方知らないの?
U・B >知らなくても語れないようじゃ、音楽の価値が無いんですよ。言語化しなきゃいけないんだったら音楽いらないんで
すよ。
空虹桜>なにを唐突に。
U・B >アナーキーな空の下 ステップ踏んでゆくよ クレイジーなこのムードに ステップ踏んでやるよ
(※11)なんて健太郎曲なのに不意に出てきてドキッとしたりもします。
空虹桜>人の話聞いてないなぁ・・・いいや。次。今回最後の5曲目は「Sayonara 90's」がリード曲で、2008年にSayonara 90'sも無いけど。
U・B >2010年代だって中盤差し掛かったのに、まだ90年代引きずってるよな人に言われたくないですけどね。
空虹桜>アンタもね。
U・B >ええ。まったくで。ともかく、この曲はやっぱり例えばLOVEの曲。
空虹桜>中盤でいろいろ90年代ネタを挟んでも。
U・B >例えばLOVE。
空虹桜>例えばLOVE。
U・B >ただ、歳下のあの娘ってなんだ?ってのは気になるところではあるけれど。
空虹桜>どうなの?U・Bさん的に歳下のあの娘は。
U・B >ええ。なに?その身に覚えの無い唐突な展開は。
空虹桜>言ってみたかっただけ。
U・B >ユルいなぁ。あっと、ちなみに、この曲はドラムが玉田豊夢でした。ってところで、残りは後編で!(※12)
※1 アナログフィッシュ:1999年に結成の下北系ギターロックバンド。長野県下伊那郡喬木村出身の下岡晃(Gt&Vo)と佐々木健太郎(Ba&Vo)に斉藤州一郎(Dr)を加えた3ピースバンド。
※2 メジャ契約:SMEだった・・・
※3 自律神経失調症:自律神経のバランスが崩れた場合に起こる症状の総称。 斉藤州一郎:※1の通り、アナログフィッシュのドラム。このアルバムが出た2008年当時、脱退していたが2009年復帰。
※4 佐々木健太郎:※1の通り、アナログフィッシュのベース兼ヴォーカル。
※5 ソロアルバム:佐々木健太郎ソロアルバム「佐々木健太郎」
※6 下岡:※1にあるとおり、アナログフィッシュのギター兼ヴォーカル。事実上のフロントマン。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 ドラムがフィリポでパーカッションがコテイスイの髭ちゃんコンビ:髭という名前のバンドがいるのだよ。
※10 モーサム:日本のスリーピースロックバンドMO'SOME TONEBENDERの愛称。藤田勇はドラムを叩いたりギターを弾いたりしている。
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 空虹21行。U・B27行で、俺の負け。9曲しか入ってないアルバムを2回に分ける必要があるかと問われると、自分でも疑問ではある。