グブームの旗頭的アルバム「ミスターシティポップ」（CD
/ MP3
/ iTS）を語る前編です。Ｕ・Ｂ ＞１曲目はタイトルチューンな「Mr. CITY POP」。実はコーラスが菜花!!（※３）
空虹桜＞このトーンが上がったね。
Ｕ・Ｂ ＞上がります。実は、今回用に空虹さんから歌詞カード借りて、初めて知りました。この辺気づかないあたり、己の耳のパッとしなさが
思いやられますよ。まったく。
空虹桜＞ホント、なに屋だよ！っていう。
Ｕ・Ｂ ＞とりあえず、生業以外では食べてけないから、しがないSEですよ。ええ。
空虹桜＞Ｕ・Ｂさんの愚痴もそこそこに、この曲はもう、THE１曲目な感じの佇まい。
Ｕ・Ｂ ＞たしかに、この曲でステージインするのはイメージしやすい。
空虹桜＞なにせ、呼び込みから曲はじまるもんね。サビもキャッチィナループで、さすがIllicit Tsuboi！（※４）
Ｕ・Ｂ ＞ホント、なんでも出来る人ですよね。Illict Tsuboi。
空虹桜＞ねぇ。歌詞自体の中身の無さというか、ポップなフレーズを並べた感が、やっぱりHipHopの人のセンスだよなぁっていうのもあって、
最初に聴いた時、唄モノアルバムだっていう印象がそんなに無かったんだよね。
Ｕ・Ｂ ＞たしかに。もともと、かせきのラップはメロディアスだってのもありますしね。２曲目は「さよならマジックガール」で、こっちは唄モノ感が
前面に出てきてる。
空虹桜＞とはいえ演奏はハグトーンズ（※５）だから、ポップさにファンキッシュさが紛れ込んでいるというか、ダンスミュージックというか、クラブミュージック
感がある。
Ｕ・Ｂ ＞でもって、コーラスがEPO（※６）
空虹桜＞コーラス入った瞬間、ポップな雰囲気が上がるんだよね。
Ｕ・Ｂ ＞ある意味で、正しく刷り込み効果だとは思うんですよ。結局、やいのやいの言っても、ひょうきん族を通過している世代だってい
う。（※７）
空虹桜＞そういう意味では、こんな感じの曲を、ポップだと実感するのは、世代に依存しているのかもしれないね。
Ｕ・Ｂ ＞ああ。まんざらなくはないですね。ロックフェスが世代依存しているっていうのと同じで。厳密にはシティポップですけど。
空虹桜＞そもそも、たしかかせ君本人も言ってたハズだけど、魔女っ子モノなわけじゃない。曲というか歌詞が。
Ｕ・Ｂ ＞ええ。なにせ「マジックガール」ですから。EDな感じですね。
空虹桜＞プリキュアとかまどマギとかがいる（※８）けど、魔法って概念というか観念がさ、現代科学の前ではそんなスゴくないっていう。
Ｕ・Ｂ ＞思わぬ展開。
空虹桜＞すると、この曲をいいと感じるのは、ある意味の郷愁かもしれないんだよね。
Ｕ・Ｂ ＞ダッセェぜベイビー 切なくて ダッセェぜベイビー 切なすぎて（※９）の高音部分とか、ある意味、様式美です
もんね。
空虹桜＞ポップソングブームみたいなものの近似値は、ガンダムとか仮面ライダーブームと同じっていうね。（※１０）
Ｕ・Ｂ ＞文化論としては、そんなに的外れな気はしないけど、認めたくないなぁ。さて、３曲目は「ソーダフロートシャドウ」
空虹桜＞こういう曲は、いかにもかせきさいだぁだよね。
Ｕ・Ｂ ＞夏だからこそというか、しっかり影のある。
空虹桜＞コントラストがハッキリしているというよりは、水彩画の中で、黒だけ水で溶かずに塗りつけてるような。
Ｕ・Ｂ ＞また言えてるんだか言えてないんだかよくわからない表現を。ちなみに、この曲もコーラスにEPO。
空虹桜＞しっかし、今年も夏、終わっちゃったねぇ・・・（※１１）
Ｕ・Ｂ ＞なにを藪から棒に。なら、次行って４曲目が、出ました「恋の呪文はスキトキメキトキス」歌詞は彼の康珍化！（※１２）
空虹桜＞康珍化のレンジの広さは異常だよね。
Ｕ・Ｂ ＞ええ。しかも、この曲で、この曲名で、「さすがの猿飛」OPですからね。（※１３）
空虹桜＞80年代の頭のおかしさというか。
Ｕ・Ｂ ＞男の子主人公のエロマンガなんですよ。ぶっちゃけ。にもかかわらず、一人称の女の子視点っていうね。
空虹桜＞サビがさ、恋の呪文は スキトキメキトキス 逆さに読んでも スキトキメキトキス さすがのためいき
スキトキメキトキス 恋の忍術 スキトキメキトキス（※１４）だもんね。最初猿飛なのに呪文かよ！で始まっ
て、逆さに読むなよ！で、「さすがの」入れれば許されると思うなよ！で、最終的に忍術かよ！っていう。
Ｕ・Ｂ ＞でも、キャッチィでポップなんですよ。この曲。
空虹桜＞いっそ腹立たしいもんね。
Ｕ・Ｂ ＞「スキトキメキトキス」ってフレーズが思いついた時点で勝ちですよね。
空虹桜＞大勝利だよね。
Ｕ・Ｂ ＞こゆフレーズって、思いつける人は天才だと思いますよ。ホント。
空虹桜＞ねぇ。100％センスだもんね。
Ｕ・Ｂ ＞こゆのだけを、センスとして認めますっていうね。さて、今回最後の５曲目は「ホリデイ」で、さすがにこの曲は、TOTEM ROCK＋夢
眠ねむヴァージョンの方が良いです。（※１５）
空虹桜＞でも、このコーラスも、さっきアンタが言ってた菜花だよ。
Ｕ・Ｂ ＞ねぇ。とはいえさ、フォッカッチャ×３ ラタトゥイユ 聞いたことない料理 来週いかがでしょう（※１６）とかさ、
女の子の声で再生された方が気持ちいいんですよ。
空虹桜＞っていうか、それはフォカッチャとかラタトゥイユとか、女子力高そうとかいう先入観の賜物じゃない？実際、かせ君とハモっ
て唄ってるとこだし。
Ｕ・Ｂ ＞否定はしないけど、ポップさで行ってもあっちのが勝ちじゃなかろうかと。
空虹桜＞勝ち負けじゃないし。
Ｕ・Ｂ ＞まぁね。
空虹桜＞たしかに、TOTEM ROCKヴァージョンのがBPM高くて、跳ねてるんだけどね。
Ｕ・Ｂ ＞ともかくさ、休みたいよね。
空虹桜＞なんですか？急展開。
Ｕ・Ｂ ＞心がダレてるもので。
空虹桜＞ウザいなぁ。
Ｕ・Ｂ ＞ウザいって言うな！
空虹桜＞まぁ、残念なオジサンは置いておいて、たとえ自称であっても「ミスターシティポップ」と名乗ってしまったら、実はついて来るもので、実際、
どんどんシティポップな人になってくかせきさいだぁの、このアルバムがスタートラインなんだよなぁっていう。（※１７）
