第814回 音樂ノススメ(後編)

空虹桜>活動停止中のHALCALI※1)の2ndアルバム「音樂ノススメ」(iTunes / Amazon)を語る後編です。
U・B>7曲目「HISTORY」はネタ曲というか、祖父母萌え
空虹桜>そっちまで手を出すようになったん?
U・B>待て。そっちって、どっちよ?
空虹桜>熟女的な。
U・B萌えとエロは別物です
空虹桜>知ってる。さすがにそれぐらいは知ってるって。
U・B>ちなみ、喋ってるのはYUCALIのおじいちゃんとHALCAのおばあちゃんだゾ!
空虹桜>目黒生まれの女の子に「垢抜けてきた」とか言っちゃうんだから、HALCAのおばあちゃんはさすがというか、THE東京感を
    ちょっと見たりする
U・B出たー!東京コンプレックス!!それはともかく、8曲目はこのアルバムの目玉「芝生」で、谷川俊太郎が
    朗読してます。(※2
空虹桜>アタシは詩がそんな得意ではないのでアレなんだけど、この曲は完全に作戦勝ち
U・B>他のどのラッパーでもあわなくて、これはHALCALIだからこその組み合わせっていう。
空虹桜>トラックもウマくハマってる。っていうか、ピアノのフレーズがループしてるのって、U・Bさん好
    きでしょ?このトラック。
U・B>ええ。もう、驚きの大好物です。
空虹桜>ブックレットも「芝生」を意識したデザインになってて、生え際の生かし方とか含めて素晴らしいと思ってんだけど、な
    によりこのグリーンに意味なし あるようにある すべての色と同じ※3)って、フロウがとに
    かく好き。
U・B>あとちなみに、「芝生」ググったら、Webで一般公開されてたのでリンクしときます。9曲目は「若草DANCEで、featが
    RHYMESTERの宇多丸。(※4
空虹桜>いかにもヒップホップ的なトラックだと思ったら、FPMだもんね。(※5
U・Bファンタスティックな田中さん※6)ですからね。
空虹桜>この曲順のギャップがやられるっていう。
U・B>ギャップ萌えですよね。
空虹桜>どうしてそうなる?
U・B>そんなに思うところはなく発言してます。ビバ!無責任!!
空虹桜>なんつー・・・長いから引用しないけど、宇多さんの最初のバースが、お手本みたいなリリックで素晴らしい
    だよね。
U・B>はいはい。たしかに。あと、コーラス的に入ってるフワフワフ〜ってのが、パーティーチューン感増してていいッスよね。
空虹桜>その辺は「なんだったらハマるか?」ってのが、適切に見抜けてるなぁっていう。
U・B>フレッシュなことやってても、ハマんないとダメなんだよね。ってのは、物作る人は戒めていただきたい
    んですよ。
空虹桜>ごめんなさい。
U・B>別に説教する気はないんですけどね。さて、10曲目「BABY BLUE!」は、サンプリング元がBOOWYの「B・BABY」(※7
空虹桜>しかも、作詞がVERBALだから、FPMがm-floを意識したっぽいトラックを持ってきた感で、面白いなぁと。(※8
U・B>カオスですよね。曲全体として。
空虹桜>ね。そのクセ、BABY BLUEなfriday週末はこれからだっちゅうのに 隠しきれないfeeling.
    somebody HELP! このままだとlonely!lonely!※9)っていう、サビのキャッチィさね。
U・B>たしかに。あと、超余談だけど。lots and lots and lots of CHEESE!※10)ってのが「ラザラザラザ
    ニアチーズ」に聞こえます!
空虹桜>残念だ。
U・B>いかにも。さて、11曲目は「伝説の2人」で、ヤケにフォーキィだなぁ思ったら、作詞がYUKIで作曲がYO-KINGという夫婦
    共作で、アレンヂがHONESTYと、注釈書くのが大変!※11
空虹桜>そこかい。
U・B>そこです。初めてばっかり集めて 花束にしよう※12)の「初めて」のとことで、キィ高くなるのとかYO-
    KINGっぽいなぁと。
空虹桜>HALCALIにフォーク唄わせてもいいじゃんっていう発想はさすがだよね。あと、サビの願い事は うわの空で 流
    れ星 君のつなぐ手から 感電するテレパシー※13)のフレーズが凄い好き。
U・B>しっかり韻を踏んでるんだけど、ちょっと飛躍感のあるフレージングね。
空虹桜女の子に唄われるべく書かれたフレーズだなぁっていうのに、なんかしみじみすんだよね。かな。
    やっぱ。
U・B>じゃないッスか?最後。12曲目が「コンティニュード」で、O.T.Fプロデュース曲に戻る(※14)んだけど、この曲がや
    っぱり一番HALCALIっぽいなぁっていうのは、刷り込みですな。やっぱり。
空虹桜>シレッとはたしてどこまでゆく 目黒のモンスター※15)とか宣言させられてるあたりが、いかにもいか
    にもだとは思うよ。
U・B>ああ。たしかに。そのあとのどうやらハートはピュアらしい そして右手のマイクはシュアらし
    ※16)ってラインが好きです。当方。
空虹桜>だいたい出てくるマイクはシュアで、他のマイクメーカは織り込みやすいマイクのブランド作ればいいのに!みたいなね。
U・B>わざわざ?
空虹桜>わざわざ。
U・B>さて、まとめを。
空虹桜>12曲目のタイトルでもわかるように、この次のアルバムぐらいまでは、やる気が溢れてるというか、やりたいことがいろいろあ
    って、それを全部ツッコんだおもちゃ箱みたいなアルバムだよなぁと、しみじみ思うんです。この感
    じの発展系が、実は地方アイドルとかに続いてるって見方は存外面白いなじゃないかなぁとか、今、この話をしてて思いつきまし
    た。まる。(※17


※1 HALCALI:「HALCA」と「YUCALI」を合わせたユニット名でお馴染みの2人組ヒップホップユニット。2012年頃に所属事務所やレコード会社と契約をすべて終了した。
※2 谷川俊太郎:日本の詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家。代表曲は「鉄腕アトム」「六花亭の歌」
※3 拡大部は歌詞より引用。
※4 RHYMESTERの宇多丸:今じゃすっかりTVに馴染んだ感のあるヒップホップグループRHYMESTERのマイクロフォンNo.1。
※5 FPM:音楽プロデューサ、リミキサー、DJとして活動する田中知之のソロプロジェクトのこと。Fantastic Plastic Machineの略称なんだけど、今じゃすっかりFPMが正式名称。
※6 拡大部は歌詞より引用。
※7 BOOWY:1981年結成、1987年解散のロックバンド。群馬県高崎市出身の氷室京介、布袋寅泰、松井恒松を中心に結成される。この注釈のためにWikipedia見て初めて、3文字目が「Φ」(ファイ)じゃなくストローク符号を付した「O」だと知りました。なお、「B・BABY」は東京ドームの解散コンサート1曲目。YouTubeに上がってたのでリンクしてみる。

※8 VERBAL:MC、DJ、音楽プロデューサ、デザイナ。ホントは牧師になるハズだった人。 m-flo:MCのVERBALとDJの☆Takuで構成される、日本の音楽グループ。LISAがいた頃はの青春。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 YUKI:函館が生んだ歌姫。元JUDY AND MARYのヴォーカル。本名は倉持有希。 YO-KING:真心ブラザーズやエレファントラブやO.P.KINGのヴォーカル倉持陽一のこと。SMA顧問。 HONESTY:Curly Giraffeこと高桑圭とEL-MALOの曾田茂一が結成したバンド。「圭」は「きよし」って読むんだよ!
※12 拡大部は歌詞より引用。
※13 拡大部は歌詞より引用。
※14 O.T.F:オシャレ・トラック・ファクトリーの略。本性は田辺エージェンシー所属でお馴染みRIP SLYMEのRYO-Z、FUMIYA。
※15 拡大部は歌詞より引用。
※16 拡大部は歌詞より引用。
※17 空虹桜36行。U・B31行で、の勝ち。次は3rdアルバムではなく「ハルカリミックス」の方を喋ります。


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