第823回 ハルカリミックス(前編)

空虹桜>活動再開の噂が流れるHALCALI※1)のリミックスアルバム「ハルカリミックス」(Amazon)を語る前編です。
U・B>ずいぶんとシンプルな入りですが、それはともかく、リミックスアルバムとは名ばかりで、実際はカヴァソングまで入
    ってるアルバムです。1曲目はスタンダードに「タンデム -MUTABLE CHROMOSOME REMIX-
    で、リミックスはCIBO MATTOの本田ゆか!※2
空虹桜>そう、アタシ、CIBO MATTO通ってないから、今ひとつわかってないんだよね。
U・B>俺もこないだたまたま中古の100円で2ndアルバムの「Stereotype A」(Amazon)手に入れたぐらいだから、今ひとつ詳しくない
    ですけど、あまり小難しいことは考えず、このリミックスだけの話をしようと思うと、原曲に対してシンプルという
    か、素直だなぁと。
空虹桜ふっふー※3)って、頭に残るよね。
U・B>そこ来ますか。やはり。
空虹桜>テイ・トウワ(※4)のリミックスも似たような感じるんだけど、その曲の中でグッと来たところを強調というか、しつこく繰
    り返すっていう。
U・B>アシッド感ですかねぇ。
空虹桜>ある意味で、お笑いの基本要素と同じで、繰り返すと気持ちよくなるし楽しくなるっていう。
U・B>飽きられたりしつこく聞こえたりするのとの境界が難しいんだけど、そこをテンポ変えたり音程変えたりして誤魔化す
    っていうか乗り越えていく
空虹桜>そこがリミックス仕事の腕の見せどころだよね。
U・B>もちろん、そこを持ってきたか!ってところがあった上での話ですけどね。
空虹桜>2曲目がウッカリ耳にしても卓球(※5)のリミックスだってすぐにわかる「エレクトリック先生 -electric body
    sensei mix-」だけど、これもアシッド感だしエルニーニョか!っていう。
U・B「エレクトリック先生」言ってる声とか、素材が卓球感ですよね。で、ライヴ見てて、クラップ音叩いて
    る時の卓球が楽しそうなんですよね。
空虹桜>ああ。さすが、どーでもいいとこ見てるねぇ
U・B>あとこの曲はシャウトのインパクトも強いですけど、次の3曲目「ストロベリーチップス -fascinate mix-」の
    リミックスが、シャウトと言えばの岡村ちゃん※6)じゃないですか。この並びは、作り手側の作為も感じ
    るんですよね。(※7
空虹桜>てか、世の人々は、卓球とか岡村ちゃんとか好きすぎるよね。
U・B>それは単に、空虹さんの世界が狭すぎるだけでは?
空虹桜>待て。自分を棚に上げてそゆこと言うの?アンタって男は。
U・B>言いますよ。もちろん、自分のことなんて他人事ですよ
空虹桜>なんだそれ。
U・B>まぁ、日本におけるエレクトリック先生こと卓球のあとに、岡村ちゃんのリミックスなんですけど、これも、ベースやホー
    ンの使い方とか、思わず靖幸!って叫びたくなる感じ。
空虹桜>とはいえ、HALCALIのラップパートはそんなに弄ってなくて、ちょっとしたことで岡村ちゃんのライヴでもやりそ
    なリミックスっていうか、アレンジになってる。
U・B>ああ。そゆ意味では、岡村ちゃんが「ストロベリーチップス」って、ジャストですよね。選曲が。
空虹桜>「ストロベリー」って単語の隠喩さが際立つというか。あと、曲がクライマックスでフェードアウトするっ
    ていう斬新さね。DJプレイでもない頼まれ仕事で、それよくやったな!っていう。
U・B>素人DJとか使い勝手良さそうですけどね。さて、4曲目が「ギリギリ・サーフライダー -HALF RIDER
    remix-」で、リミックス名からもわかるように、最近は本名での活動の方が本流っぽいHALFBYこと高橋孝博(※8)のリミッ
    クス。
空虹桜>イントロからサーフミュージックっぽい音をあえて入れてくるところが、安直で好きですよ。アタシは。
U・B>嫌いにはならないですよ。
空虹桜>うん。そのギャグやりたくなる気持ちわかる!っていう。
U・B>もちろん、ちゃんと曲としてまとめてくれてるから、余計に出オチじゃ無い感があって好感と。
空虹桜>ネタの面白さが、出オチになってしまうことで尻つぼみに見えてしまう損失って、アマチュアに毛が生えた人たち
    に多いんだよね。
U・B>また、無闇な上から目線でありがとうございます。
空虹桜>いやでもさ、ホント、アタシの何倍もカヴァアルバムとか聴いてるだろうU・Bさんに真面目な話で訊くんだけど、プロのク
    セに出オチなだけでつまんないカヴァ曲っていっぱいあるじゃない。
U・B>それはまぁ、作ってから言えって話じゃないですかね。
空虹桜>違くて。その論理は一見正しそうだけど、あくまで作る側の暴論に過ぎなくて、単に作り手が一視点の価値体系に執着してい
    ることの裏返しでしかなくて、読者の価値体系を否定し、自分の価値体系以外認めないという偏屈
    アピールしてるに過ぎない
U・B>ホントに真面目な話されても対応しにくいんですけど。とりあえず、この曲はいいリミックスってことでいいですか?
空虹桜>その点については異議無しです。
U・B>んじゃ、今回最後の5曲目「ニ福星 -FORCE OF NATURE Remix-」で、言わずもがなのFORCE OF NATUREリ
    ミックス。(※9
空虹桜>FORCE OF NATUREは最近オリジナルのリリースがなくて、ちょっと淋しいんだよね。
U・B>そうなんッスか?
空虹桜>200X年代までなんだよね。オリジナルリリースしてたの。今年は久々にLBやる(※10)から、ちょっとだけ期待はするんだけ
    ど、まぁ、そゆ時期でもあるのかなぁっていう。
U・B>電気の映画(※11)でもあったけど、その手の倦怠期的ななにかはあるんだろうね。長くやってると。
空虹桜>DJ仕事はやってるっぽいんだけど、オフィシャルサイトもエラー出てるのに放置だったりするしね。
U・B>正直、HALCALIだって活動休止すると思ってなかったですしね。
空虹桜>そゆ意味ではさ、長くやってるだけで凄いし、誰からも求められてないのに16年もやってるって、ある意味頭おかしいよ
    ね、ウチら
U・B>そこで己を振り返りますか。
空虹桜>とりあえず、珍しく引用0のアルバムレヴュですけど、2枚しかアルバム出してないのに、こんだけ豪華なリミキサ陣のアルバム出
    せるあたり、恵まれた娘たちだなぁって感慨だし、それだけ面白いオモチャだったんだろうなぁと、今聴く
    と思うアルバムなのです。(※12


※1 HALCALI:「HALCA」と「YUCALI」を合わせたユニット名でお馴染みの2人組ヒップホップユニット。2012年頃に所属事務所やレコード会社と契約をすべて終了した。で、空虹さんが活動再開を疑ってるのは、このタケイグッドマンのblog
※2 CIBO MATTOの本田ゆか:日本人の本田ゆかと羽鳥美保によって結成された音楽ユニット。2011/6/26アメリカ「Hollywood Bowl」にて、10年以上ぶりに復活ライブを行い、2014/2/14、15年振りとなるオリジナルアルバム『ホテル・ヴァレンタイン』をショーン・レノンが主宰するChimera Musicよりリリースした。
※3 拡大部は歌詞より引用(笑)
※4 テイ・トウワ:日本のDJ、音楽プロデューサ、アーティストTOWA TEI。目を隠したアー写で有名。あと、手は必ず顎に。
※5 卓球:テーブルテニスではなく、電気グルーヴの石野卓球のこと。
※6 シャウトと言えばの岡村ちゃん:ようやくオリジナルアルバム「幸福」を発売した岡村靖幸のこと。
※7 作り手側の作為:石野卓球と岡村靖幸は2003年に岡村と卓球名義で「The Album」をリリースしている。
※8 HALFBYこと高橋孝博:京都が誇るリミキサ、アレンジャ、DJ。
※9 FORCE OF NATURE:四街道ネイチャーのKZAとDJ KENTによる、ハウスやヒップホップを中心とした音楽性のインストゥルメンタルユニット。こっちも活動休止状態?
※10 LB:スチャダラパーを中心としたヒップホップクランLittle Bird Nationの略称。「スチャダラ2016 〜LB春まつり〜」が4/17(日)日比谷野外大音楽堂で開催される。
※11 電気の映画:「DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~」のこと。お金がある人はBlu-rayをお買い上げあれ。
※12 空虹桜36行。U・B35行で、の勝ち。さて、次回は後編をやるとは思うんですが、途中でスチャダラの新譜が入るんだよなぁ。どうすんだべ?


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