第871回 17(後編)

U・BTHEイナズマ戦隊※1)17周年記念アルバムこと、10thアルバム「17」(Amazon / iTS)を語る後編です。もちろ
    ん、有言実行でRSRのリクエスト入れてますよ!※2
空虹桜>うん。知らない。っていうか、どーでもいい。その情報。
U・B>ここ見に来るようなマニアックな人にはどうでも良くないんです。それはともかく、 7曲目「シャララ 〜涙を越
    えて行け! 〜」は、イナ戦イナ戦していて良い曲です
空虹桜>たしかに、イナ戦イナ戦してる。っていうか、その言い回し微妙に言いにくい
U・B>そこ?ツッコミどころはそこ?
空虹桜>「イナ戦」って、n音が2回出てくるから、いちいち口閉じなきゃいけないのが言いにくさの元凶なんだよ。
U・B>真面目に解説しなくていいですよ。とりあえず、もちろんサビもいいんですけど、ガムシャラに駆け上がり転んで
    は立つ君に 人知れず真夜中に唇を噛む君に 足下照らす唄を 力一杯歌え 歌え
    (※3)ですよ。やはり。誰に向かって唄ってるかったら、そゆヤツに向かって唄ってるわけですよ。つか、そゆヤツに唄
    えないならイナ戦に価値なんて無いんですよ。
空虹桜>久々にファンらしくない暴論。
U・B>もちろん、新しい一面みたいなもんだって見たいですよ。でもさ、決定的なところで、裏切っちゃイケないことってのがあって、イ
    ナ戦にとってはガムシャラに駆け上がって転んだり、人知れず真夜中に唇を噛むヤツへ唄え
    なくなったらおしまいなんですよ。
空虹桜>まぁ、散々聴かされてきたから、言わんとしてることはもちろんわかってるんですけどね。
U・B>むしろ、未だにわかってなかったら、クロスフェーダなんて止めてますよ
空虹桜>そりゃそうだ。じゃあ、8曲目「友情のメロディ」だけど、続き物的に来るのは狙ってるよね。
U・B>でしょうね。この曲も、サビのキャッチィさはもちろんあるんだけど、この曲のキッカケは2番の照れくさい言葉に
    苦笑いで答え 真面目に聞けよと くどくど怒られた 真っ直ぐな心が 嬉しくて響い
    た オールドルーキーみたいに もう一度夢見ていいかい?※4)だろうなぁと。
空虹桜>曲名的にもね。
U・B>もらったモノへのお返しっていう。
空虹桜>この文脈としては、友情の定義というかが躊躇いなく贈って返せることなんだよね。
U・B>躊躇い傷って、誰もが脛に一つや二つ持ってるもんじゃないですか。
空虹桜手首じゃなくて?
U・B>リアルな話じゃなくてさ。踏み込めば傷つかなかったのに、踏み込まなかったばかりに傷つくって経験は、ガッツリした人
    間関係をやったことある人の証というかだと思っていて、それはそれでウザくはあるんだけど、
    情モノの基本だとも思うんですよ。
空虹桜>「誰かのため」ってのはさ、たとえ偽善でも心が動くんだよね。
U・B>心の中の真実と行動は別に一致してる必要は無いんですよね。そゆ意味では。ただ、イナ戦は一致させてる必要が
    あって、ちゃんと一致してるぜ!っていうのがこの曲
空虹桜>っていう流れとはまったく無関係に9曲目「NATURAL MONSTER
U・B>ホントに関係無いかっていうと、異論はあって、心意気こそエナジー※5)なわけですよ。
空虹桜>もっぱら中学生のエロ話の思い出し語りみたいな感じだけど。
U・B>でも、その中にあって、結局今につながってるのは、心意気のエナジーなんですよ。
空虹桜>そうなの?
U・B>言い方を変えれば、結局、中高生ぐらいからの成長して無い感抱えてるわけじゃないですか。俺とか
空虹桜>みうらじゅん(※6)とかに言わせれば、その感覚ってアラカンなっても無くならないらしいからね。
U・B>恐ろしい。恐ろしい。
空虹桜>ねぇ。その感じが実はストレートに出てきてる曲だと思うのが10曲目の「君の笑顔にはかなわないよ
U・B>だすな。この曲は悲しいニュースは テレビで擦られ 知らないうちに消えてく※7)っていう、
    「JAM」(※8)を連想させるワンフレーズがなかなかなんだけど、そのあとに続くきっと僕ら 青春を こじらせ
    て 真っ直ぐに 前のめりで 生きているよ 君が居なけりゃ倒れちゃうよ※9)に尽きる
    んですよ。
空虹桜>だろうとは思った。でもさ、アンタ高校時代、相当自由にやってたじゃん
U・Bお前ほどじゃないけどな。つかね、このフレーズを俺はあの娘に伝えたい
    わけですよ!
空虹桜>知るか。
U・B>ホントなんだかいろいろ勝手に大変なんだけど、徒手空拳でもやるんだよ!っていう。
空虹桜>ホント知るか。11曲目が「幸せの唄」で、ラヴソングなバラード。
U・B>ある意味というか、正しくというか、今回喋ってる曲って、いずれも同じことを唄ってると言われれば否定で
    きないんですよね。
空虹桜>そゆ芸風のバンドだしね。
U・B>それが好きだっていうのを、ずっと繰り返し喋り続けるのがアルバムレヴュですしね。
空虹桜好きさみたいなモノに空虚さを抱かないっていう。
U・B>飽きないよねぇ。って、好きなモノを飽きるわけがないじゃないかと。
空虹桜もともと好きじゃないから飽きるんだよね。
U・B>いかにも。
空虹桜>12曲目が「この手の中に」で、流れに乗っかってる感じだけど、こっちのがロックな感じ。
U・B>出だしから月夜の夢 儚い道されど 俺達はどこまでも追いかけろ 心臓破りの 坂道だ
    けど 情熱を心に抱き さあ行こうぜ※10)ですからね。
空虹桜>同じようなメロディラインを何度も聴いた気はするんだけど、とはいえ、このメロディラインがマンネリかと言うと、そうとも言
    えない。
U・B>秘伝のタレ的な。
空虹桜>そこをどう解釈するかだよね。こないだアンタがマグマ(※11)でリンクしてたけど、今の時代、ロックの方が保守なん
    だよ(※12
U・B>そもそも「それはロックじゃ無い」という言い回しが存在できてる時点でロックじゃ無いわけですからね。
空虹桜>ならば、今の時代、ロック=マンネリという方程式が成立するわけじゃない。
U・B>おお。炎上しそうな言い回し。
空虹桜>それでもなお、ロックが好きとかカッコいいって言う人たちは、圧倒的なマンネリズムに照れちゃいけない
    だよね。
U・B>実際問題として、クロマニヨンズ(※13)は正しくそんな態度でいるわけで。
空虹桜>たぶん、ここで唄ってる「情熱」とか「強さ」とかは、そんな態度なんだよね。
U・B>若干抽象的な言い方だけど、言わんとしてることには同意です。で、最後の13曲目が「Everything is gonna be
    alright
空虹桜>「Everything is gonna be alright」をなんて訳すかっていう話で、アタシは「まぁ、いっか」って訳したい人なんです。
U・B>「なんとかなるさ」とかじゃなく。
空虹桜>そっちは「Take it easy」だと岡部幸雄(※14)に教え込まれてるから。
U・B>まさかこの期に及んで岡部幸雄!ってそう、たしかに歌詞にも汗かき べそかき 頭をひとかき ボチボチ
    行こうや 未練も 試練も このさい背負って ボチボチ行こうや※15)言うてますしね。
空虹桜頑張ることと頑張りすぎることは違うし、頑張らないことと頑張りすぎないことも違う
    んだよね。ってところで、まとめてください。
U・B>最後のいいところはだいたい空虹さんに持ってかれた感じですけど、これが17周年記念の10枚目ってのに意義があると思うし、こ
    の曲で終わることに、次への期待というか、ちゃんと這いつくばってもこの道を行こうっていう、気合いが見
    えていて、この道しか無いという盲目さではなく、もしかしたら軽く見える人だっているかもしれないけど、キッ
    チリした覚悟の唄であることが、衒い無く、やっぱイナ戦好きッスわ言えるんじゃないかなぁと。(※16


※1 THEイナズマ戦隊:Vo.上中丈弥(基本全曲作詞)、G.山田武郎、Ba.中田俊哉、Dr.久保裕行の四人組ロックバンド。詳しくはオフィシャル参照。
※2 RSR:もういい加減、この注釈もいらないんじゃないかと思いつつも、U・Bのために開催されるロックフェスティバルこと、RISING SUN ROCK FESTIVALのこと。
※3 拡大部は歌詞より引用。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 拡大部は歌詞より引用。
※6 みうらじゅん:a.k.a MJ。まさか、仏像顔だからとbirdと結婚するとは思わなかった人。等には、いとうせいこうが含まれるそうです。あと、さくまあきらは、すぎやまこういちにあやかって芸名がひらがなな人だという理解をしている。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 JAM:1996/2/29という閏日に発売されたTHE YELLOW MONKEYの楽曲。2016年の大晦日に新聞一面広告になったことで有名。この曲は、良田君と直結しているのであるんだよなぁ・・・
※9 拡大部は歌詞より引用。ホント、あの娘に伝えたい。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 マグマ:当サイト掲示板こと、U・Bの日記。もう、今時掲示板という概念が古いのか・・・
※12 ロックの方が保守:大統領選、テイラーが沈黙した理由 「トランプ就任式」の舞台裏を参照されるがよろし。
※13 クロマニヨンズ;甲本ヒロト、真島昌利を中心に2006年7月に結成されたロックバンド。まさ化クロマニヨンズが10年以上続くだなんてあの頃は1nmも思わなかった!!!!!!
※14 岡部幸雄:トップジョッキィだったのに調教師にならなかった希有なオッサン。馬優先主義者。普通、「Take it easy」は「気楽にいこう」ぐらいに訳されるので、空虹さんの説には異議がある。
※15 拡大部は歌詞より引用。
※16 空虹34行。U・B55行で、やっぱり大敗。わかっていただけるとは思いますが、ツッコミは同胞に向けてだからこそ言える愛ですよ。愛。


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