第931回 Here!(前編)

U・BKETTLES※1)の2ndアルバム「Here!」(CD / MP3 / iTS)を語る前編です。なお、AmazonのMP3版はジャケ写
    が違います!
空虹桜>違う方のジャケ写は、インスタントパロディ感があって良いね。
U・B>スゲェ褒めよう。あとまぁ、ちょっとした若気の至り感もありますよね。
空虹桜>ああ。あとで恥ずかしく思うか思わないかで、将来が決まってくるヤツね。ともかく1曲目が「吹き飛ばしたら
U・B思い通りに進まないけど 少しずつでも転がしていく※2)につきますよ。
空虹桜>転がさないと進まないからね。
U・B>進まない進まない。静止摩擦力って、思ってるより相当大きい
空虹桜>転がそうとして転がしてるから、邪魔者なんて蹴散らすんだけど、誰も転がすことを協力はしてくれない
U・B>なんなんッスかね?あの他人事感。
空虹桜>いっそお前の方に転がしたろか!って気になるよね。ちゃんと的確に転がせば面白いことなるし、
    もアンタに責任を求めないのに他人事っていう。
U・B思い切って吹き飛ばしたら 遮るものは何もないのに※3)、吹き飛ばすだけのエネルギが案外無かっ
    たりする。
空虹桜>静止摩擦力乗り越えて、転がすだけで手一杯だっつーの!って、なんだか凄いノリ気味ですが2曲目「サンデーム
    ーン」で、ビートパンク感強いんだけど、さっきの「吹き飛ばしたら」にしろ、この曲にしろ、コーラスの面白さに目
    覚めた感がある
U・B>のちのち下岡晃(※4)が関わる感じもわかりますよね。
空虹桜>日曜日の月夜に、こんなこと考えてる場末感が、ロックの矮小な感じで良いよね。
U・B>また酷い言い方を。でも、気に掛けてる感って、匂わす程度にしとかないとウザくなりそうじゃな
    いですか。
空虹桜>人間が出来てないからね。ウチら。
U・B>ええ。さりげなくそゆことできるヤツらは、どこでそのスキル習ったのか教えてもらいたい。心根だけでもイケメンに
    なりたいッス
空虹桜>残念な発言だなぁ・・・3曲目「約束は覚えてる」は、何気にギターが「夢の中まで」(※5)のサビっぽい。
U・B>まぁ、手癖ですわね。でも、そっからの展開はだいぶ違うし、そもそもさ、思い出すと小っ恥ずかしい約束っ
    て、あるじゃないですか
空虹桜>無いよ。
U・B>無いですか?50過ぎて独身だったら結婚しようって言った呑み友達との青い約束※6)とか。
空虹桜>そんな約束したんだ。
U・B>周りも皆覚えてたんだけど、言った当人はベロンベロンだったから、次に会った時にはすっかり忘れてらっしゃいま
    したけどね。
空虹桜>20年後、不意に思い出したりしてね。
U・B>つか、だいたい結構酔っぱらってした約束も覚えてるんですよ。むしろ、相手が覚えてなかったらど
    うしようって気を遣って忘れたフリをする
空虹桜>ホント、アンタ、気を遣うの下手だよね。
U・B不器用ですから
空虹桜>いらないよ。そのキメ。4曲目「いらないもの」だけど、口を開けば ぶつかって 転がって 跳ね返
    って 傷がついても※7)って、わかるわぁ。
U・B>空虹さんの生き方って、口で敵を増やす生き方ですもんね。
空虹桜>だいぶ丸くなったけどね。というか、だいぶ丸くしたけどね。
U・B>そうそう。たまに激怒するとさ、「U・Bさん怖い」とか言われるんだけど、お前、俺、そこら辺のヤツらより相
    当怖いぞと。
空虹桜>なんだそれ。
U・B>こっちは心中でずっと中指立てながらコントロールしてるわけじゃないですか。
空虹桜>極端だなぁ。指攣らない?
U・B>スゲェツッコミ。
空虹桜>単純に怒りを外に出す方がだよね。
U・B>コントロールのエネルギィ分だけね。こっちはかれこれ30年以上、アンガーコントロールにエネル
    ギィ費やしてんだっつーの。いつもニコニコしてる方が何考えてるかわかんないって、んなの常識だろ!
空虹桜>お怒りで。
U・B>いい歳こいて、当たり前のことを悟ったかのように喋るヤツって、今までなに生きてたんだろ?とか、思いません?
空虹桜アンタの思い及ばない生き方してたんだよ。余計なお世話。さて、今回最後の5曲目「忘れたく
    ても」はまさかの7:07で大曲
U・B>専ら3分台の曲が中心のバンドなんですけどね。しかして、歌詞は170文字しかない
空虹桜>ホントさ、超短編書いてる人(※8)としては、音楽って文字数すくなくても間が持つから羨ましいんだ
    よね。
U・B>また極論を。
空虹桜>この曲だってさ、「hey」と「here」しか言ってないじゃん。ほとんど
U・B>そこ、歌詞カードに書いてないですけどね。
空虹桜冷めたふりして ふさいでいても そのうちに 溢れ出す※9)だもんね。
U・B>エモさの欠片も見当たらない歌詞なんだけど、最後には追い込まれても諦めきれず 残された道がある
    (※10)ですからね。
空虹桜忘れたくても忘れられない
U・B>「売れたい」なのか「聴かれたい」なのか「届けたい」なのかはわからないけれど、今、この場所で忘れようとしたって忘れられ
    ずに唄うことってのは、もう永遠に続くんですよ。それは、どんなに諦めたって業だから仕方がないし、だからこ
    そ、念を込めるかのようにちゃんと曲にして唄うってことは覚悟の表明で、そりゃ7分必要ですって。(※11


※1 KETTLES:2008年夏、結成。コイケヤスオ(Gt/Vo)とオカヤスシズエ(Dr/Vo)による男女2人組ロックンロールデュオ。
※2 拡大部は歌詞より引用。
※3 拡大部は歌詞より引用。
※4 下岡晃:U・Bの大好きなロックバンド「アナログフィッシュ」のギター&ヴォーカル。
※5 夢の中まで:KETTLESの1stアルバム「ビー・マイ・ケトル」収録曲。

※6 50過ぎて独身だったら結婚しようって言った呑み友達との青い約束:ある種のギャグ。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 超短編書いてる人:空虹さんは、500文字ぐらいの短い物語(超短編)を書く人。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 空虹30行。U・B37行で、の負け。後編はのっけから名曲「ヤバイバイバイ」ですよ。ええ。


空虹桜HP アノマロカリス > U・Bと空虹桜のクロスフェーダ > KETTLES > 第931回 Here!(前編)
雑感・レヴュ集 メタセコイア > 音楽 > アルバムレヴュ > KETTLES > 第931回 Here!(前編)
空虹桜HP アノマロカリスBANNER
(C) Copyright Unaru Bacteria & SORANIJI Sakura,2018
プライヴァシィポリシ
e-mail bacteria@gennari.net