U・B>微妙に活動が停滞しているKETTLES(※1)の1stミニアルバム「grind」(CD / MP3 / iTS)の話をする後編です。
空虹桜>残り3曲しかない(※2)し、ちゃっちゃと片付けてしまいましょう!ってことで、5曲目「また会えるまで」
U・B>あがいても気付かれなくて 簡単にまた 踏み潰されるのも 慣れてきたんだろう
(※3)とか、超切ない感あるんだけど、この曲はカタルシスが来ないところが素晴らしいなぁと。
空虹桜>そゆの好みぶる男とか、ホント、めんどくさい。
U・B>ええ。ええ。わかってますよ。めんどくさいと自分でも思いますよ。ええ。ええ。でも、好きなんですもの。
空虹桜>アレでしょ?曲入りの怪鳥音的なのも好きだったりするんでしょ?
U・B>いや、それは微妙。
空虹桜>乗らないんだ。
U・B>易々とは。つかね、やっぱ、どうしたってこのあと6曲目「後には引けない」の名曲っぷりが断トツなんですよ。
空虹桜>手放しで絶賛し続けてるよね。
U・B>だって、歌詞全部引用したいけど、とりあえず、邪魔をされないところで ひとりぼっちになってもい
いから 後には引けない(楽にはなれない) 毎日を(※4)ですよ。
空虹桜>凄いネガティヴポップ。
U・B>ちゃんと諦めてて、でも、後には引けないんですよ。
空虹桜>引けばいいんだけどね。わかってるんだけど、
U・B>後には引けない。
空虹桜>楽な道を選択できないわけじゃなくて、単にもう戻れなくなってる。
U・B>絶望ですよね。単純に。
空虹桜>でも、このポップさは、全然諦めてないよね。
U・B>ってより、受け入れているというか、受け入れざるを得ないというか。
空虹桜>実際問題さ、ウチらももう、後には引けないもんね。
U・B>ええ。もう、とっくの昔に退路は断たれてますよ。
空虹桜>悲しいなぁ。
U・B>でも、楽しいッスよ。きっと。
空虹桜>「楽にはならない」けども。
U・B>しゃーない。
空虹桜>全然楽観じゃない楽観。
U・B>アウトサイダーにしかなれないんですよ。今さら、インサイダーとか無理。秘密保持とかできない。
空虹桜>労働者階級とは思えない発言。さて、最後に7曲目「誰にも見れない景色」
U・B>どうしたって、このアルバムは「後には引けない」のアルバムなので、アウトロ感を拭いきれないんだけど、出だしのうまく言
えないことに なぜか夢中になって 何も分からないまま すでに始まっていた(※5)っ
て、カッコつけて言い換えればロックンロールの衝動ってヤツだと思うんです。
空虹桜>ああ。言いたがりだよね。その手のフレーズ。
U・B>でもさ、空虹さんだって、物語書くのってそんな感じでしょ?(※6)
空虹桜>でも、書き上がってみたら、自分の中で縮小再生産だったりで、厭になるけどね。
U・B>アラフォーになって思うんですけど、それはそれで悪いことじゃないんですよね。たぶん。同じとこをグルグルして
たとして、その遠心力で、どっか遠くへ飛べばいいじゃんっていう。
空虹桜>ほぉ。たまには、面白いこと言うね。
U・B>お褒めにあずかり。
空虹桜>さて、まとめをどうぞ。
U・B>俺、いくつか絶対に諦めないと決めたことがあるんですけど、
空虹桜>カッコつけてらっしゃる。
U・B>そうじゃなくて、んと・・・俺、飽きるの早いから、諦めるより先に、たいていのことは飽きるんですよ。
空虹桜>どっちかっていうと、ADHDだもんね(※7)
U・B>ええ。だから、飽きないってことは、好きだってことだから、すくなくとも、俺にあってるだから、後
には引けないよな。っていう。
空虹桜>いさぎ悪い。
U・B>おうよ。もう、どうしようもなくなった時、いつも頭の中で流れるのは、Theピーズの「ドロ舟」(※8)とKETTLESの「後には引
けない」です。縋ってでも、戦い抜いてやる。(※9)
※1 KETTLES:2008年夏、結成。コイケヤスオ(Gt/Vo)とオカヤスシズエ(Dr/Vo)による男女2人組ロックンロールデュオ。
※2 残り3曲しかない:ミニアルバムの話を2回に分けてるので、致し方ない。
※3 拡大部は歌詞より引用。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 拡大部は歌詞より引用。
※6 空虹さんだって、物語書くのってそんな感じでしょ?:空虹さんは、500文字程度の短い話を書く人。
※7 ADHD:注意欠陥・多動性障害の略。じっとしてられないですよ。ええ。ええ。
※8 Theピーズの「ドロ舟」:超名曲。
※9 空虹21行。U・B29行で、俺の負け。本当に「後には引けない」が名曲なんですよ。何度でも繰り返すけど。