U・B>現時点でKETTLES(※1)最新の3rdアルバム「AQUATIC!」(Amazon / iTS)が、世界中で俺一人だけだ
としても何億回も最高だと絶賛する前編です。
空虹桜>そこまで乗り気だと、disり甲斐がありますね!
U・B>いらないです。そのテンション。なお、プロデュースとMIXまでがまさかの下岡晃(※2)です。
空虹桜>MIXまでできたんかい。
U・B>ねぇ。レコーディングエンジニアより、MIXエンジニアの方が五月蠅く言う人すくない気はするし、たぶん、機材があれば俺もMIX
できなくはないけど、できることと実際やることは別ですし、今、下岡は喬木村に帰ってるハズ(※3)だから、
相当なことがない限り、こんなアルバム作られない。
空虹桜>それ知んないけど、1曲目「ダークホース」は、いつものようにダークホースの連呼。あと、黒毛よりも青
鹿毛の方が黒いからな!(※4)
U・B>いらないよ。そんな蘊蓄。つか、誰も黒毛とは言ってない。
空虹桜>最近、正論しか言わないからつまらんなぁ。
U・B>つまらんとか言うな。とりあえずこの曲は当たるなんて考えない方が どん底まで落ちること
もないし(※5)なんて、適度なネガティヴが最高です。
空虹桜>適度なネガティヴ。
U・B>これ以上適切な表現があろうか?いや、無い。
空虹桜>反語。いいや。2曲目が「ファニーデイズ」はドラムのオカヤス(※6)がメインヴォーカル。
U・B>ホントね、どこがダメなのか教えて欲しいんですよ。そこまで俺ダメ?
空虹桜>なんか、個人的な感情が紛れ込んでる?
U・B>ずっと恥ずかしげもなく言ってますけど、わりと優良物件だと思うんですよ。俺。
空虹桜>黙れ。ヲタク。
U・B>空虹さんより呑まないし打たないし、買うぐらいならFANZAのサンプルでヌきますよ!
(※7)
空虹桜>本気で一遍死ね。
U・B>何が悪いのか 分からないし(※8)
空虹桜>黙れ。次、3曲目は「ティーンエイジフィーバー」は、ザ・青春的な歌詞。
U・B>コイケ(※9)とオカヤスが交互に唄ったりとか、この辺の音像表現って下岡プロデュース感全開で最高
なんだけど、空虹さん的にも2番でどこか変だなって 気付いてから 少しずつ離れて 幸せをき
っと 求めながら それぞれの場所へと(※10)って唄ってるの最高だったりしないですか?
空虹桜>そこも良いけど、やっぱり、出だしの何か掴みたくて もがいていた 目の前のことより(※11)のが
グッと来ちゃうな。
U・B>言うてもやっぱり空虹さんいい人ですよね。
空虹桜>ホント死ね。4曲目が「何をやっていたんだ」で、いかにもアンタ好きそうだよね。
U・B>岡村ちゃん的に言うならだいすき(※12)
空虹桜>そんな説明過多な発言止めてください。
U・B>できれば、MV(※13)もわけわかんなくて最高なので見ていただきたい。
空虹桜>もうなにを言っているのか。
U・B>それはもう歌詞からしてそうなんだけど、ひとりっきりで 言い訳並べて ずっと黙っていた 都合
のいいように 何をやっていたんだ 今まで(※14)なんて、お前は俺か?の典型ですよ。
空虹桜>ホントに残念なお人で。
U・B>俺らみたいな人間はオナニーのあと毎度思ってるハズなんですけど、言うても空虹さんだって、結局結果出してないです
よね?
空虹桜>まさかのカウンター・・・
U・B>別に、この1曲を作ったからって、人生やり直すとか、そゆわけじゃないんですよ。ただ、ダメな人間ですって認めることを、気取
ったり正当化したりするのではなく、ただ、そのままとして吐き出すことが重要なんですよ。
空虹桜>すくなくとも、自分に対する肯定感が低い人たちに対して、「肯定感が低いのは自分だけで
はない」って証明してあげることはできる。
U・B>ああ。そう。さすが。たぶん、日本の音楽史的にはそれを女性視点で唄うことでマッチョイズムからの回
避をしてて、その後のフォーク路線で逆にマッチョイズムとして取り込んだんだけど、Theピー
ズが、そゆ文脈から離れて、ただそのものを塊として放り出す(※15)ってことをはじめたわけじ
ゃないですか。
空虹桜>なんとなくわかるけど、なにを言い出した?
U・B>KETTLESの曲は基本的に「その塊」を唄うバンドだと思ってて、もしかしたら純文学的なのかもしれないけど、そんなんじゃなく
て、なんていうか、もうちょっと侘び寂び的というか、受け手に対してどう受け取るか?を問いか
ける曲だと思うんです。
空虹桜>解釈を求める?
U・B>意味なんて無いんですよ。民生が言うところの「マシマロ」(※16)
空虹桜>なんだそれ。知ってるけど。
U・B>あと言うなら「シン・ゴジラ」の「私は好きにした、君らも好きにしろ」(※17)
空虹桜>余白があると取れば超短編的(※18)だけど、ちょっと違うんだよなぁ。リアルにより過ぎているというか、デキの良い青春モノ
とデキの悪い青春モノを決定的に分ける条件はなにか?みたいなところが違う。
U・B>さらにわけのわからないことを言わないでください。
空虹桜>じゃあ、とりあえず、今回ラストの5曲目は「冷めないうちに撃て」
U・B>「何をやっていたんだ」の続きみたいですよね。この流れで聴くと。
空虹桜>「何をやっていたんだ」と悔やんで、反省して、思い立ったが吉日の意味を知ったよ!っていう。
U・B>実際のところは振り幅が大きすぎるから、ちょっとは考えた方がいいんですけどね。この手のタイプ。つか、俺。
空虹桜>とはいえ、動き出したら止まらないからね。
U・B>止める度量というか、辞める気力みたいなことを、もうちょっと褒める文化であって欲しいですけどね。
空虹桜>っていうか、バッサリ辞めることと意地でも諦めないことは同価なんだよ。きちんと決心してる
という意味に置いて。
U・B>ああ。なるほど。
空虹桜>それでいうと、ようやく理解したって言うかだけど、作品にするとかこれで完成とみなすって決心は相当なんだよ
ね。この手のって。
U・B>たしかに。なにをもって完成と判断すればいいのかよくわからんッスな。
空虹桜>エンドマークの打ち方が一番難しいタイプだから、作った楽曲の数だけエンドマーク打つって、その数だけの決死をし
てきたって証明でもある。
U・B>寡作が悪いわけじゃないけど、どんな駄作ばかりだったとしたって、多作の人はそれだけで凄い。
空虹桜>なんの話かわからなくなったところで、残りは後半で。(※19)
※1 KETTLES:2008年夏、結成。コイケヤスオ(Gt/Vo)とオカヤスシズエ(Dr/Vo)による男女2人組ロックンロールデュオ。
※2 下岡晃:U・Bが大好きなロックバンドアナログフィッシュのギター&ヴォーカル。
※3 喬木村:長野県下伊那郡の北部に位置する村。アナログフィッシュの下岡晃と佐々木健太郎の出身地。あとは椋鳩十 a.k.a 大造じいさんとガン
※4 黒毛よりも青鹿毛の方が黒いからな!:正式には黒鹿毛が正解なのでは?とりあえず、比較はこちらで。
※5 拡大部は歌詞より引用。
※6 オカヤス:※1の通り、KETLLESのドラム&ヴォーカルオカヤスシズエのこと。チャームポイントは黒子。
※7 空虹さんより呑まないし打たないし:空虹さんはお酒と競馬が大好きな人。 買うぐらいならFANZAのサンプルでヌきますよ!:21世紀の日本男児は、たいていFANZAが好き。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 コイケ:※1の通り、KETLLESのギター&ヴォーカルコイケヤスオのこと。パッと目は典型的なもやしっ子。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 だいすき:岡村靖幸の8thシングル。だいすき。
※13 MV:ミュージックビデオの略。
※14 拡大部は歌詞より引用。
※15 Theピーズ:日本のロックバンド。芥川賞作家の絲山秋子が大好きなバンド。
※16 民生が言うところの「マシマロ」:奥田民生の10thシングル。だいすき。
※17 「シン・ゴジラ」の「私は好きにした、君らも好きにしろ」:from 牧悟郎
※18 空虹35行。U・B43行で、俺の完敗。話がとっちらかってる感はありますが、いやいや、それぐらいに喋りたくなるぐらい良いアルバムなのです。