全身麻酔で眠る彼女は、彼女の夫の祈りを受け止めていた。繰り返す夢の中で何度となく「生きろ」と伝えられていた。 彼女は、それが嬉しかったし、すこし重く感じてもいた。主に金銭面の現実的な計算も、彼女は夢の中で行った。 「ごめん。諦めるよ」 五回目の繰り返しで、彼女は彼の祈りにそう告げた。そして、彼の祈りを主語だけ変えて、彼に返した。
短歌の超短編投稿作