夏の日
7月2日生まれの彼女は、大きな瞳に物言わせて、痛いとこビシッと突く女の子。僕はいつも張り合う前に負けを認めて、スゴスゴ引き下がった。
季節が廻るから、暑くなるとついつい思い出す。彼女のようにこの国を離れれば、僕は思い出さなくても済むんだろうか? 案外、タイとかインドネシアとかに住んじゃって、年中彼女を思うハメになる気がする。
7月2日生まれの彼女は、気を使うそぶりは見せるけど、ホントはもっと深いとこを見抜こうとしてる、気の抜けない女の子。そのクセ、自分のベールは厚手で囲って、僕は必死でめくったけれど、坊主でおじゃん。
季節が廻るから、積み重なった距離とか時間とかに責任を押しつけて、僕らの恋は終わった。けれど、無責任に僕は思う。季節が廻るから、きっと僕らはどこかで出遭う。
第2回「
超短編のパトロン
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