大衆を堕落させる毒

 時に宗教の言葉は妙な色香があって、だから人々を籠絡し続けられるのだと理解した気がしたけど、無理だ。わたしは「なんだそれ」しか思わんや。
 恋を忘れた哀れな男に、そんなの教えるアラブの偉いお坊さんは、知恵の実を食べるよに囁く蛇だ。ん? それは宗教違う?
 どちらにせよ恋は堕落だ。この論に沿えば。堕落。堕落。若い女にコルンビア踊ったりしたんでしょ? 相手10代とかじゃない? 淫行だよ。犯罪。アラフォー以上のオッサンども。勘違いもたいがいにしろ!

 目の前に座る男の子が語る蘊蓄聞きながら、わたしはそんなことを考えてた。
 1つ歳上の大学生だけど、クラスメイト連中と大差ない由緒正しい「男の子」
 きっと彼は、彼らは「無知なわたし」を望むだろう。可愛らしいけど幼すぎて辛い。
 陽気に飲んで踊るのは楽しいけど、終わったら空しくない? 空しさ埋めるのに体求めるのは愚かすぎない? ありきたりでつまんない。
 中学からブラックしか飲んでないけど、浅はかと笑う浅はかなわたしは・・・ちぇ。幼いなぁ

珈琲の超短編」投稿作

トップ > 空虹桜短編集 バージェス頁岩 > 大衆を堕落させる毒
空虹桜HP アノマロカリスBANNER
(C) Copyright SORANIJI Sakura,2020
e-mail bacteria@gennari.net