母についてはなにも語りたくない
母が死んだ。
うん。まぁ、人は死ぬもんだから仕方ない。母だっていつか死ぬ。のに、まさか本当に死ぬとは思ってなかったようで、父からの電話に「マジか!?」答えた自分の声にマジか!?思った。
そもそも父の電話に何故出たのか?さらに言えば、半ば敵対している父の電話番号がケータイに残っていたのは大きな謎だ。
兎も角、10年以上ぶりに帰った地元は近所のコンビニすら潰れていて、歩くには遠すぎるバイパス沿いにしかお店が残っていない。
バタバタして香典の札すら下ろし忘れた身としては、ATMの在処もパッと思いつかない。だからインフラを私企業に任せちゃ!とさもしく悩んでいたら、買いだしに行く兄嫁の車に乗せてもらえることとなった。みっともないけど背に腹はかえられない。
車内で当たり障りの無い会話を続けたが、すぐにネタは尽きて、馴染みのない地方ラジオCMに耳を任せていたら、背の高い雑草の向こうにポツンとコミュニティセンタが見えた。
「葬儀って、コミセンじゃないですよね?」
「ああ。あそこもう使ってないですよ」
近隣市町村共有の火葬場は、地元の高校合格率より競争倍率が高いらしい。
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