月面炎上
頭上に昇る赤い星が青かった頃、燃えているからこの星は輝くと、僕らのご先祖様は思っただろうか?
白かったり黄色かったり赤かったり。時々に形すら変えるこの星を、遥か彼方で輝く変光星のように熱く燃える星だと信じただろうか?
今、誰も住めなくなったあの赤い星から、この星はどのように見えるのだろう? 反射能の大きい白い大地の上で、本当に燃え盛るこの炎はどのように輝いているのだろう?
「休憩終わり! 次こそ消すぞ!」
目の前の大火事に意識を戻す。さぁ! 仕事の時間だ。
超短編 500文字の心臓
第50回競作「月面炎上」参加作を修正
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