もう寝るよ。
って、そこまで書いたけど送信しない。できない。できるハズない。だって全部妄想幻想「好きです」「好きだよ」で「彼氏彼女」なわけじゃないもの。どころか喋ったことないし。つまり友達にだって至ってなくて、当然メルアドも知らず、でもダミーで名前だけアドレス帳に登録して、吐き出すだけで満足してるから、想いはケータイのメモリを埋め尽くしてて、重くする。化けるよ。このケータイ。たぶん。それはそれでいいのだ。仕方ない。だからまぁ、眼中に無いより「キモい」呼ばわりのがよっぽどマシで。けどさ! 枕の下に写真忍ばせて、平安時代か? 麿か? 小町かわたしは!? ノリで、せめて夢で逢いたい思ってた乙女の純情はどうしてくれるんだ。下着だってわざわさ毎晩下ろしたてが履けるほどお金持ちの子じゃないから、準じる程度に綺麗なの履いて、せめて夢の中ぐらい!
超短編 500文字の心臓
第90回競作「もう寝るよ。」投稿作
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