Jungle Jam

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リンク部分がそれぞれ引用箇所になります。

 長く甘い口づけを交わす――なんてこっ恥ずかしい夢のせいで目が覚めた。
"Tell me how can I forget you
 点けっぱなしのテレビから、そんな台詞が聞こえた。枕元のスマートなフォンは、ここが朝の6時で、東京は夜の7時だと表示する。
 汗はかいたが、まだ怠さは抜けない。おはよう。鳴りを潜める怠け者
 異国で引いた夏風邪は、他人の言葉つなぎ合わせ、イメージだけに加速度つけて無限の言い訳と完璧なイノセンスを組み立てるから、厄介なことこの上ない。
 ベッドを離れ、冷蔵庫のミネラルウォーターで喉を潤す。夢が反芻され、いまだ心のベストテン第一位があの女だという事実に嫌気。
 雨のよく降るあの街で、木も草も眠れる夜、風邪のせいでこの世の果てに放り込まれるそんな気分の時、いっつも電話をかけて眠りたいとか、そんなメルヘンを立て続けに思い出してうんざりする。
 抱え込み過ぎたこの毎日じゃ、電話することには臆病にならざるを得ない
 東京はまだ夜の7時

超短編 500文字の心臓
第141回競作「Jungle Jam」投稿作
tribute to 渋谷系

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