かめ(1)
落ちている!と思ったら、甲羅だった。
俗に言う「ヌケガメ」のようだ。一部方面では社会問題化もしているという。
「トータスとタートルの違いを忘れた子どもたちが!」
なんてご老体がたは言うのだけれど、「ヌケガメ」するようなカメにとって重要なのは、どこで生きたかではなく、どう生きたか。だから、彼らは甲羅を置いていくのだ。
落ちていた、ほんのり苔生す甲羅をちょっぴり砕き、そのカケラを自分の甲羅に貼り付けた。
甲羅が二重になれば、冬眠しなくても済むのかなぁって、実は本気で考えてたりもする。
超短編 500文字の心臓
第37回競作「かめ」参加作
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