クスクスの謎

 語源はマグリブ・アラブ語だが、さらにベルベル語の「セクス」が源となっている。(1
 しかし、現在の語が指し示す料理の内いくつかは、まったく異なる料理・語だったと考えられている。
 たとえば、トウモロコシ粉による場合、「ウガリ」と呼ばれることもあったが、古代地球でも厳密には区別されておらず、同一の料理であった。(2 一方、もち米粉による場合、「シラタマ」と呼ばれ、果物や小豆を甘く煮詰めたものなどと盛り合わせ「アンミツ」として供されるデザートであった。(3
 「シラタマ」のように、古代地球での文化的背景を失い、他と混交した料理の復興運動を「ルネサンス・クック」と呼ぶ(4 が、本稿では、料理が文化的背景を失う過程について考察する。
 具体的には、様々な文化の習合と毀釈の起因となった約500年前の宇宙強制移民政策(5 について、一点目にアフリカからアラブを経由しアジアへ到るシルクロードの地域性と歴史を整理する。二点目にアラブ人と華僑の宇宙覇権争いの中、各地域に適応していた土着料理が、どのように文化的背景を失ったか? を文化の生存戦略として考察する。

超短編 500文字の心臓
第144回競作「クスクスの謎」参加作

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