かわき、ざわめき、まがまがし

「今夜も『the 和 make it』! お相手はトニーと」
「アンナです。ねぇトニー。今日はどうmake itするの?」
「真窯菓子の『茶碗蒸し』で、和のPUDDINGをmake itだ」
「WAO!」
「まずは下拵えだ。材料・分量はこの通り。まず、鶏肉を小さめに切ったら、さっと熱湯をかけ、塩ひとつまみを揉み込んでくれ」
「OK。トニー。Sweetsなのにお肉を入れるのね」
「これぞ、fantastic 和!他にも、椎茸と百合根、三つ葉を切って、海老を塩茹でする」
「『ユリネ』ってcuteね」
「the 和って感じだね。OK。次に、アンナは卵を溶いてくれ」
「どれぐらい溶けばいいの?」
「日本人の肌色ぐらいかな。ハハハ。僕は窯の火を熾して水を過沸きさせるよ。そして、冷ました出汁に醤油と塩を溶かして混ぜるんだ」
「トニー、もう疲れた。これぐらいでどう?」
「GOOD! じゃあ、僕は調味した出汁とあわせて一度漉す。アンナは茶碗に下拵えした具を盛ってくれ」
「宝物を埋めるみたい!」
「漉した卵液をそっと注いで蒸すんだけど、残念。実食は明日にお預けだ。SEE YOU!」

超短編 500文字の心臓
第154回競作「かわき、ざわめき、まがまがし」逆選王作を一部修正
Special thx わんでるんぐ

トップ > 空虹桜短編集 バージェス頁岩 > かわき、ざわめき、まがまがし
空虹桜HP アノマロカリスBANNER
(C) Copyright SORANIJI Sakura,2017
e-mail bacteria@gennari.net