魔法(3)
目の眩むような閃光が男に突き刺さる!
刹那、男は新たな呪を紡ぎ、その閃光を天へと跳ね返した。
雲が裂け、月は顔を出すが閃光にかき消される。
「クソッ」
「させるか」
短く交わされた言葉に意味はなく、二人は距離を取って構える。
じりじりとした空気が、魔力障壁とともにスタンドまで届く。
勝負は次の一打で決まる。
誰もが息を呑む―その時!
ドグゥウォワーン
燃えつくさんばかりの火球が、凍らせんばかりの氷弾と中空で衝突した。
余波が会場を包み、聖火を消してしまったことに、まだ誰も気づかない。
超短編 500文字の心臓
第41回競作「魔法」参加作
(ケータイ)
トップ
>
空虹桜
超短編集 エディアカラ
> 魔法(3)
(パソコン)
トップ
>
空虹桜
短編集 バージェス頁岩
> 魔法(3)
(C) Copyright SORANIJI Sakura,2004
e-mail
bacteria@gennari.net