鳴星
レコードのクラックルノイズのような音が、鳴る。鳴り続ける。
波も。雲も。椅子も。アンモナイトも。
観察の限り、この星はそのようにできている。
僕と降りたった少女は、鳴り続ける髪を恐れ、立ち上がることもできず、鳴り人形と化した。
機械鳥は瞬きに合わせて鳴る。憐れむように少女の側で鳴る。
陽は傾き、鳴る音は増すばかり。騒がしい時はそれでも鳴り止もうとしない。
ただ、豊かにエーテルは鳴る。星の航行で裂けゆく度、鳴る。
少しずつ弱く鳴っていくのは・・・嗚呼、僕の音か。
超短編 500文字の心臓
特別企画「イラスト超短編」参加作
(ケータイ)
トップ
>
空虹桜
超短編集 エディアカラ
> 鳴星
(パソコン)
トップ
>
空虹桜
短編集 バージェス頁岩
> 鳴星
(C) Copyright SORANIJI Sakura,2004
e-mail
bacteria@gennari.net