鳴星

 レコードのクラックルノイズのような音が、鳴る。鳴り続ける。
 波も。雲も。椅子も。アンモナイトも。
 観察の限り、この星はそのようにできている。
 僕と降りたった少女は、鳴り続ける髪を恐れ、立ち上がることもできず、鳴り人形と化した。
 機械鳥は瞬きに合わせて鳴る。憐れむように少女の側で鳴る。
 陽は傾き、鳴る音は増すばかり。騒がしい時はそれでも鳴り止もうとしない。
 ただ、豊かにエーテルは鳴る。星の航行で裂けゆく度、鳴る。
 少しずつ弱く鳴っていくのは・・・嗚呼、僕の音か。

超短編 500文字の心臓
特別企画「イラスト超短編」参加作

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