アウトサイダー・ブルー
教室には居場所がある。カーストの頂点には頂点の。底辺には底辺の。システム化されているから、革命が起こっても座標が変わるだけで、教室には居場所がある。
したがって、残念ながらわたしにも居場所が存在している。
休み時間。ジャニーズの話とV系の話とアニメの話は、同時多発的に発生し、互いの存在を大なり小なり認識している。BLな話なんかを共通項にして、接触する可能性を秘めている。けれど、「anise」を毎号書かさず買っていたり、劇団フライングステージを見に行くような人間は認識の外側に置かれる。田舎だから、なおさら。
理解の及ばないすべてを「外」と定義すれば、「外」と理解できただけまだ安心できる。だから、教室の中の外側に、わたしの居場所が存在している。
本当に外側のシステムでは「マイノリティ」と呼ばれると、わたしは知っている。けれど厭だ。わたしは厭だ。何者でもありたくないから。「わたし」と呼ぶことすら、厭だ。
「
コトリの宮殿
」特集:本の超短編 掲載作
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