などと、20違う叔母は嘯く。アラフォー。無闇に追い詰められているのかもしれない。言わんとしていることは理解できる。共感に近い感情も抱く。
でも、それが自分の感情たり得るのかはよくわからない。わかるわけがない。
とはいえ、叔母が燃えるような恋に落ちたことがあるか? は疑問だ。彼女の言う「恋」は「りぼん」や「なかよし」染みていて、「別マ」ですら高尚に見える。
かすめただけで静電気よりも激しく痛い爆発を感じたことはあるのか? 考えるだけで窒息しそうなスリルな瞬間を感じたことがあるのだろうか? 爛れるような苦しい口づけは? 哀しいだけのセックスは?
元素12ヶ月を改訂
トップ > 空虹桜短編集 バージェス頁岩 > 酸素