Remember ME
「知らないフリも、嘘は嘘なのね」
亜子さんは中学時代に転校した想い出の君である、件の男性同僚と結婚した。
「『Remember ME』っていうんだけど、勿忘草の香りなんだって」
出産を機に、嘘が香らなくなったという。
「この話、旦那には秘密よ」
亜子さんの隣で、一歳になる彼女の娘は自分の鼻をつまんだ。
言わないのも、嘘らしい。
超短編 500文字の心臓
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