ロココのココロ
11歳。男の子の主人公だけど、わたしは彼の子だから名前をもらった。名付けた。自分に。自分で。
空と山と川しかない町の、16人しかいない5年生。適度に狭い世界から切り離される一番確実な方法。一緒にされたくないし、仲間外れにしているとも思われたくなかった。別な存在と理解される必要があった。
FxxKと呼ぶことすら勿体無い憐れな大人たちと育ち、町も人も嫌いだけれど、でも、この土地は好きだ。風土が、風景が好きだ。限りなく自分と不可分であり、自分ではない幸福。己の生はここでのみ叶えられると信じた。
だから、貶す奴は神でも殺す。
糞みたいな両親だったけど、オーケンを教えてくれたから赦した。わたしは、そうして幼少から思春期を生き、今、ここで生きている。思うままに生きている。11歳から。
超短編 500文字の心臓
第149回競作「ロココのココロ」参加作
Special thx「
ロコ! 思うままに
」
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