ロココのココロ -ver. one Love-
知りたいと思ったから、僕は訊いたんだ。
「なに考えてるの?」
って。
キラキラとした名前の女の子を、僕はすぐに好きになって、いろいろいっぱい知りたいと思って、口にできないよなことまで知ってたから。とっくにもう、それぐらいしか知らないことはなかったんだ。
だって、そうだろ? 好きなことは知れば知るほど好きになるし、好きになればなるほど知りたくなる。ずっとそうさ。君は違うのかい?
「意味わかんない」
キラキラした名前の女の子は、そう言ったら、ブランコへ向かったけど、僕は全然嫌いになんかならなかったよ。僕は「意味わかんない」と応えてくれることを知ったんだ。ひとつ、知ったんだ。
ママにそのこと教えてあげたら、ギュッとして、
「愛だね」
って、耳元で教えてくれたよ。
超短編 500文字の心臓
第149回競作「ロココのココロ」未投稿作
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