シャバダバ
きつね色と言われても、動物園で見たキツネはもっと色が薄かった記憶。野生だと違ったりするのかもしれないから、深くは考えず、溶きタマゴをくぐらし、小麦粉をまぶし、パン粉をまとわせる。
実家じゃ、みじん粉をすこし混ぜているのだけど、子どもの頃お使いなんかで
「『みじんこ』買ってきて」
と言われた時は恐怖に近い驚きだったので、今もたまにこのネタを仕掛けることがある。
パチパチと弾ける音を聞きながら、揚げ時を見計らってる間が、結構ボーッとできて良い。今だってホラ、イカリングの向こうがちょっとした洞窟に見えたりする。なんて妄想を脳内で声にしている。まぁ、五個も揚げた頃には飽きるんだけど。
揚げ物の匂いは、体調さえ良ければ最高の調味料だ。音も含めて、きっと揚げながらつまみ食いするのが、一番おいしいね。うん。
なわけで、揚げたて、いっただきます!
コトリの宮殿「
祝!みじんこ洞5周年記念号
」掲載作
トップ
>
空虹桜
短編集 バージェス頁岩
> シャバダバ
(C) Copyright SORANIJI Sakura,2014
e-mail
bacteria@gennari.net