天国の耳
ここには足りないと気づいた。つまり、ふにふにたぷたぷできないってことで、これは重大時だ。みんな、何処に安らぎを求めればいいのか!?
だから、作ることにした。
小麦粉から餃子の皮を作るように、好ましいふにふにたぷたぷを求めて、捏ねたり足したりを繰り返した。
グルテンよ。グルテン。親愛なるグルテン!
唱えながら捏ねて、この感触だけが幸福。素晴らしき、ふにふにたぷたぷが出来上がったので、引き延ばして地獄との境から順番にデコる。気持ち良いふにふにたぷたぷで満たされてこそだから。
ああ。至高のふにふにたぷたぷ。ああ。
超短編 500文字の心臓
第131回競作「天国の耳」投稿作
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