何の音だ

『ジャララララララン』
 ちょうど行き詰まったとこだし、ヤな予感はしてたけど。
『問題。タン タン タ〜ラタララン タン タン タ〜ラタララン』
 ジェンカ?
『合ってるけどブー。これ坂本九唄ってるから』
 なことより、仕事中なんだから静かにして欲しいんですけど。
『では続きを。タン タン タ〜ラタララン タラララ〜ラララランランラン』
 あ〜んと……タン タンだから……レット・キス?
『ピンポーン! 正解。では、またいつか』
 ここ数年、頭使ってる時なんかに突然変なジングルが流れ、謎な脳内DJが妙な調子の鼻歌でイントロドンする。アニソンからキリンの鳴き声まで、出題範囲は無駄に広範囲で、正解するまで永遠鼻歌を聞かされるのだ。拷問にもほどがある。
 今回みたいのは簡単な方で、一番ヒドかったのは『フスー ットン』だったかな? 札幌市営地下鉄南北線のドアが閉まる音。なの、修学旅行で一度乗ったきりだっての! どんだけノイローゼなんだ? わたしは。って、自分事ながらよく解ったなぁ……
『ジャララララララン』
 連荘? もしかして今必死で思い出そうと頭使ってたとか!? モノローグだったじゃん! ズルいって!
『問題。トントントン』

超短編 500文字の心臓
第68回競作「何の音だ」参加作を修正

(ケータイ)トップ > 空虹桜超短編集 エディアカラ > 何の音だ
(パソコン)トップ > 空虹桜短編集 バージェス頁岩 > 何の音だ
空虹桜HP アノマロカリスBANNER
(C) Copyright SORANIJI Sakura,2007
e-mail bacteria@gennari.net