国立げんなり研究所

File3:失恋した姉に「銀英伝」を進める妹

所長:File1からの続き物なのだが、今回もまた唸るバクテリア君の投稿で、必然的に彼には研究員見習いの称号が与えられることになるのじゃ。

助手:まぁ、当然と言えば当然ですよね。所長。なにせ彼は

所長:ふぉっほっほっ。あまり余計なことは言わん方が良いぞ。助手君。

助手:それにしたって所長、「銀英伝」と略したところで、報告書を読まれるお歴々は理解できないのではありませんか?

所長:うむっ。「銀英伝」とは「銀河英雄伝説」の略で、田中芳樹の代表作であるスペオペ戦国モノのことじゃな。

知り合いの話なんですけど、その人、大学時代に失恋して、ちょっとした傷心モードで暗い日々を過ごしてたそうなんですよ。その頃。
それを見るに見かねた彼女の妹さん。
ドンと、彼女の目の前に置いたそうなんですよ。ヴィデオテープ。
「銀英伝」アニメシリーズ全話。
置く方も置く方だけど、見る方も見る方で、見た姉は結局ハマってしまったとか・・・

所長:これの象徴的なところは、もちろん「銀英伝」であることじゃが、なによりもアニメ版だということじゃな。

助手:萌え萌えですね。

所長:ゴホンッ。歳のせいか、その手の言葉にじんま疹が出るんじゃがのぅ・・・

助手:精神的なものですから、耐性をおつけになれば済む話です。

所長:君がもう少し優しくしてくれれば・・・

助手:所長。それはセクハラ、もしくはアカハラになりますのでご注意ください。それはともかく、つまり、妹は萌え概念による現実逃避を推奨したという認識でよろしいのでしょうか?

所長:俗に「腐女子」と呼ばれる集団への接近じゃな。たしかにそれは大きな理由の一つじゃろう。しかし、わしはそれだけじゃないと睨んでおる。

助手:物語へ感情移入することによって、現実問題を客体化し、再検討するためのクールダウンを図ったとでも?

所長:ごく一般的な発想じゃな。たしかにそれもあるじゃろう。それにしても、もう少しその固い口調はなんとかならんのかのぅ?

助手:所長。所長こそ、もう少しハキハキ発言して頂けませんか?タイピングするときまどろっこしくてしかたないのですが。

所長:ゴホゴホ。ともかく、妹が「銀英伝」を進めた理由として推察されることは以下の通りじゃ。

File3:失恋した姉に「銀英伝」を進める妹
・萌え概念による現実逃避
・物語へ感情移入することによって、現実問題を客体化し、再検討するためのクールダウン
・物語によって得られるカタルシスによる補完
オタクのごく自然な布教活動。もしくは洗脳活動

助手:しょ、しょちょう・・・最後のその1行にまとめるのは、なんとも・・・ズルいです・・・一応血族なんですし・・・

所長:ふぉっほっほっ。なんと綺麗事で言い繕うとも、これ以上の理由はあるはずが無かろう。オタクであればあるほどステレオタイプな分類を嫌いたがるが、概してオタクはステレオタイプなのじゃ。

BACK

BANNER
(C) Copyright Unaru Bacteria,2003
e-mail bacteria@gennari.net