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邦画

作品名記述者記述日
あの頃。唸るバクテリア2021/03/26★★★★

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劔樹人が松坂桃李!
劔樹人が松坂桃李!
劔樹人が松坂桃李!
という、なんだか俺は気がフれたんじゃないか?
自分のアイデンティティというかが揺れ荒んで仕方無い設定を今泉力哉監督で、って、えっ?待て。今泉力哉タメか。なんだそれ?ちょっと、いろいろ困惑しすぎてヤヴァい。
こんなの、俺、見る側じゃなくて作る側じゃなきゃいけないんじゃね?
つか、なんだよ!松浦亜弥役って!!
あの頃の松浦亜弥は最強過ぎて、演じるなんて無理がありすぎないか?
デヴュ曲が「ドッキドキ!LOVEメール」で、
約1年後に「Yeah! めっちゃホリディ」だけど、その間に「トロピカ〜ル恋して〜る」「LOVE涙色」「100回のKISS」「♡桃色片想い♡」と、ほぼ2ヶ月に1枚出して、普通のアイドルが10年ぐらい掛けてやることを、一気に1年で消化してたんだぞ。21世紀初頭。
みたいな、どうしようもない混乱を抱えてしまう「あの頃。」見ました。
まさか桃李君が劔に見えるだなんて!
パンフにも書いてる人間不信というか屑人間としてのオーラもそうだけど、腕を組む時の独特さとか、ベースの運指とか、ライヴとかで見る劔。
桃李君、ベースウマいな!思ったら、ちゃんと劔が教えてたのか。
全然出演者予習してなかったので、兄ィ出てきてビックリしたんだけど、関西ゼロ世代のアイコンであるオシリペンペンズ石井モタコに、つい俺は笑ってしまうわけだが、周りの人たちはそういう意識で見てないから、単に俺が「オシリペンペンズ」の語感に笑っただけのように思うに違いない。
そういうの、ホント辛い。
掟さん出てくるかなぁ。思ったけど、出てこず。しかし、挿入曲にロマンポルシェ。「記憶喪失」

ああ・・・気付かなかった・・・不覚!
まぁ、ぱいぱいでか美にも気付かなかったのだけども。
そういうことは、実は些末で驚くほどボンヤリした映画。
今泉作品は初めてなので、これが芸風なのかどうか判断つかないんだけど、説明しすぎず、しかし、話の焦点がハロプロ愛から緩やかに、仲野太賀名演のコズミンを中心とした友情モノへとシフトする。
糞みたいな友達は、けれど、生涯で一人として出会えないかもしれない人間である。
問答無用で松浦亜弥にアがるし、山崎夢羽は松浦亜弥にしか見えない。
あの時の石川梨華は恐ろしいほど美しく、最後に引用された道重の台詞は、たまらなく愛しい人への愛おしさが詰まっていて、涙が出る。
モー娘。詳しい人では無いけれど、道重は偉大だよなぁ。ガチモーヲタは納得いかない引用らしいのだが。
恐ろしいほど実話ベースで、吉祥寺GBとか本物だけど、途中からさりげなく本当のフィクションへシフトする。
だけど、最後の最後に、好きな人の歌声を聞けるのだとしたら、今すぐ死んでしまいたいとも思える。
ここで描かれていないたくさんのことが事実としてあって、「劔氏ね」と、あの頃の後藤まりこは連呼していたことを俺は知っている。
実は、何気に赤犬誕生前夜だし、あら恋も池永正二も出てこない。
ああ。
細部が驚くほどよくできていて、ほぼ同年代としてのリアルと、モーヲタでなくとも、魂のレベルで刷り込まれた楽曲の数々。
「♡桃色片想い♡」の恐ろしいほどの完璧さ。
衝動買いを刺激する「恋ING」のエンドロール。
なにより、主演がモー娘。じゃないのに、こんなにモー娘。の曲が適切に使われるのは紛う事なき愛であり、敬意なのだ。
けれど、なにか決定的なところでがボンヤリしていて、まだ巧くまとめきれない。
ステレオタイプな青春モノや友情モノとは、すこし、違う。
もしかしたら、コンバットRECが言っていたように近すぎるのかもしれない。
ただ、良い映画ではあった。

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