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山崎まさよし10th Anniversary LIVE「ARENA2005」真駒内アイスアリーナ唸るバクテリア2005/11/27

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レポ書く前に調べ物しまくったの久々だよ。まったく(のっけから愚痴)

高校時代以来久々に来た真駒内。あの頃は毎年通ったもんだと遠い目をする・・・
それはともかく、妹連れで見ることになるとは思わなかった山崎まさよし。
タクシーでアイスアリーナまで乗り付けるも、寒い寒い。いろんな意味で寒い
チケットの番号からして見難いだろうなぁと思ったら、予想通りというか、ステージ向かってU字型の左側で通じる?そんな位置。つまり、ステージ左袖側でなんかやられても見えないけど、右袖はスタッフまで見える感じ。
ある意味いつものRSRポジション(苦笑)
そんなわけで、アリーナの中なのに寒くてジャンバも脱がずじっと椅子に座ること数十分。
NACSとイナダ組とSKGぐらいしかステージを見たことがない(並べると極端だなぁ・笑)妹は、規定時間になっても始まらないことにやきもきしたり。
まぁなんと言いましょうか、ライヴが定刻に始まるはず無いよねぇ〜(思い出される苦い経験)
ブザーが鳴って、幕が開いて、セットにはなにやら額縁みたいの。「アトリエ」?
と、思うも束の間OPMCで犬の話。
えーと・・・その話の笑いどころはどこですか?
みたいなことを思う内にMCも終わり、まさよし登場。そして一曲目・・・アカン!俺「アトリエ」以後全然知らんのだった(ファン失格)
でも、わかることはいくつかある。いつものようにステージ前面にはドラムセットやらベースが置かれていて、ゲンタさんとキタローさんが出てくるだろうこととか、セットの額縁の向こうにはオーケストラが控えていることだとか!
オーケストラですよオーケストラ。お前はクラプトンかい。レイ・チャールズかい!!(笑)
服部隆之とRUSHって、よくわからんのですけど、服部隆之はそこらここらで幾度か目にしたことある名前だったりもしつつ、それにしたってオーケストラですよ。なんだかちょっぴりおめかしした(遠目だったからあまり良くはわからない)まさやんのギターに被さるバイオリンやらチェロやらなんやらかんやら。
1曲目知らんかったから掴みきれんかったけど、2曲目の「やわらかい月」が流れると、重層的なメロディというか、山崎まさよしのクセに奥行きのある(笑)世界が広がる。
思わず、とても素直に、このアレンジで聴きたいと思った曲が3曲。
大好きな「水のない水槽」「ツバメ」、そして、「One more time,One more chance」
はやる心を抑えつつ、ステージを見つめる。

アレンジがいつもと違うせいか、スローな曲で始まったせいか、オーディエンスのノリが悪い。一人を除いては
なんか、あの声かけてるねぇーちゃんっていうかは、いつも同じ声に聞こえてるから、同一人物じゃないかと思うんだけど、とりあえず絡みすぎだから。もう少し空気読んどくれ
それでもまぁ、無いよりはあった方が良くて、まさやんのMCで「千歳に来たらミゾレで〜」みたいなところに「暖めて」絡んだのは良かったんだよ。うん。俺も笑ったし。
閑話休題。
で、えーと、お約束のゲンタさんとキタローさんが登場し「ふたりでPARISに行こう」
以降の構成としてはわりといつものバンドアレンジ+オーケストラ
二人のコントなんかもあって、徐々に暖まってくる気配を感じつつステージは進む。
「Plustic Soul」の「ラララ〜」でも乗り切れないオーディエンスを前に、暗くゆったりとしたイントロが忍び込む。
「水のない水槽」
今このレポ書くために引っかけたサイトの方(ここでリンクする通れに悪意があるように見えそうなのでリンクは張りません。あしからず)にはこの曲が史上最悪の駄作らしいのだが、U・Bにとってこの曲は、「アドレナリン」で終わったと思った山崎まさよしを再発見した曲なのである。
STVで「アタヤン」をやっていたまさやんが「セロリ」「One more〜」でプチブレイクをしたあと、「アドレナリン」で豪快に転け消えたと思っていたU・Bが、ある日たまたまラヂオで聴いたのが「水のない水槽」
この曲の陰鬱の極みのような世界が、とてもまさやんっぽく聴こえたあの日――
今、目の前のアリーナを包もうとしているのはあの日と同じなようで、もっと重々しい世界。
心が震えるのを手で押さえながら、椅子に座り直したところに追撃をかける「振り向かない」
危うく泣きそうになる。というか、隣が妹じゃなくてあの娘だったりしようものなら、しがみついて泣いてたね。まったく。イカンよ。そういう弱いところを削ろうとするコンボは
もう一曲挟んでまさやんがギターを置くと、いつの間にセッティングされたのか、ステージ左袖(見えるギリギリぐらいのとこ)のピアノへ。
山崎まさよし+ピアノと来れば・・・
10周年ということで、厳密には11年目に入ったわけですが、総決算的なステージにしようということで
そんなMCを挟んでから響くイントロ。

霞の向こうに新宿が見える
ツバメはうまくビルを縫ってゆく
今年はゆっくりと春がおとずれる

「ツバメ」
1コーラス目のピアノonlyからゲンタさんのドラムが入り、キタローさんのベースが入り、そしてメインのオーケストラが入る。
一つ一つ音が重なっていくのが、歌詞で描かれた都会に馴染んでいく「自分」と重なり、世界が高く深く広がっていく。
感情移入の度合いが高まる。
せめて一人で来たかった。うん。
ゆっくりと開場から拍手が起こり、ピアノから離れたまさやんはギターを手にしてまた一曲。そしてその流れから

これ以上何を失えば 心は許されるの
どれほどの痛みなら もういちど君に会える
One more time 季節よ うつろわないで
One more time ふざけあった時間よ

「ツバメ」の時と同様に、音が重なっていく「One more time,One more chance」
もともと、この曲は最後の最後へ向かってテンションを上げていく曲だけに、悲痛さと切実さが今の自分と重なったりとかまでして、なんと言いましょうか、ねぇ。
ずっと手で鼻と口を覆うような姿勢で、座ったままだけれど、俺は山崎まさよしを見ていた。

カラオケでよく唄うらしい「勝手にシンドバット」のツカミなんかもありつつ、「Fat Mama」のイントロがかかると、オーディエンスみんなが席を立つ。
やっぱりこの曲じゃ席立ちますか。ふぅ〜
手の振りを徐々に思い出したりしつつ、そのままアゲアゲタイムへ突入で「ヤサ男の夢〜昼休み」と流れ込み、後ろのオーケストラの皆さんが紙風船で遊んだりしつつ、「審判の日」まで一気に。
ちなみに、ウチの妹は何故か「ヤサ男の夢」の手拍子(パン パン パン パパン)ができなかった(笑)
ちょっと落ち着いてからこれまた広がるよなイントロ。「僕はここにいる」
実はこっそりU・Bはこの曲が好きではない。これが主題歌だったドラマがあまりにヒドかったもんでつい。
なにせ、まさやん主演だからって、空虹から原作(といったら真保裕一に怒られるか?)の「奇跡の人」借りて読んだもんだからさ・・・あの悪しきイメージがついて離れないのですよ・・・
でもきっと、ほとんどのオーディエンスにとっては、山崎まさよしにはこの曲が大切だということを俺は知っているので、あのイメージさえなければU・Bにとっても大切な曲なので、この曲がステージを終わらせることを直感した。

幕が閉じてもお約束のように開場は明るくならず、手拍子はならない。妹に「アンコールが2回ある」と説明し(笑)、時計を見ると、思ってたよりもだいぶ早い。
さて、アンコール一発目はピアノがあったはずの位置に三畳間ぐらいのこぢんまりした和室セットというか、コントセット(笑)が組まれ、いつもの3人によるたわいもない(ホントにたわいもない!)フリートーク。
設定上はまさやんの部屋らしいが、貼ってるポスタは由美かおる!!(笑)
ともかく、ありもんのウクレレ(!?)やら灰皿やらを楽器に、「中華料理」を含めて3曲ぐらい。
まぁ、セットからして面子からしてグデグデだったのは否定しない(笑)
でもでも、やっぱこの3人は抜群に上手いよね。楽器。
最終的にはツアースタッフのおねぇーちゃんに時間が押してるとダメ出しくらって、セットごと退場していく3人。
結局、まんまコントでやんの。パーパーパパン(ドリフのコント終わりホーンのイメージ)

で、またまた誰も立たず手拍子でアンコールを求める。
とりあえず俺としてはこの編成で「心拍数」が聴きたいし「セロリ」が聴きたいし、なにより「パンを焼く」が聴きたいので、まだ時間あるなぁとか思いながら期待し、期待し。
幕が開くとピアノがあって、そしてオーケストラの皆様も揃ってて、なんといってもヤケに白い格好した山崎まさよし。
風邪引くなとか良いお年をとか言うので、「アレ?アレもコレも無しですか?」と思う俺に流れてくるピアノ
ごめんまさやん。だから新しいの知らない・・・_| ̄|○
でも、ふと思い出す。そうだ!「8月のクリスマス」だ!!
気づいたときにはもう終わり
あまりに豪華だったがために、アレもないコレもないと物足りなさが残ったアリーナツアー。
でも、いや、だからこそ、いいよ。山崎まさよし。
素敵な時間、ありがとうございました。


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