雑感・レヴュ集
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映画

作品名記述者記述日
バベル唸るバクテリア2007/06/14★★★★

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江戸っ子以外が東京を描くとヤケに綺麗だ。
なぜなら、日本において東京以外はすべて田舎だからだ。
東京に夢や願望を投射しているから、江戸っ子以外が東京を描くとヤケに綺麗になる。
これは日本人に限ったものかと思ったら、そうでもなかった。

ディスコミュニケーションの話なのはわかる。
でも、そこら辺の話はパンフにも書いてるからそっちを見ておくれ。
そんなことよりもこの綺麗な東京はなんなんだ?
クラブや最後に出てくる高層マンションからの夜景の美しさは優に及ばず、渋谷の路地やどっかのブランコ、飯屋のカウンタテーブルまでヤケに綺麗じゃないか。
俺の知ってる東京ってこんな綺麗じゃねぇーぞ。

モロッコやメキシコの「砂」感によって、インパクトが強化されているのは否定できない。
わずかな色数で世界が塗りたくられ、時々混ざるいくつかの色が映えるようになっている。
逆に言えば、それぐらい東京には色が溢れているのだ。
したがって、どこかに必ず似たような色があって、切り出してディスプレイすれば特別に見えても、紛れてしまえばいずれも「普通」のラベルが貼られる。
だからといって混色が進んで黒くなっているわけではない。
この綺麗な東京はなんなんだ?

バベルの塔を壊したのは俺がNo.1だという神のエゴである。おかげで世界には人が溢れた。
んじゃ、今の東京をぶっ壊すのが筋だと思うけど、エゴイスティックな神はどうやらそうしないらしい。
最後、チエコが投身自殺図るかと思ったのにね。
地球の青と緑の割合が7:3だから綺麗なように、東の端にまで人が散らばったから、もしかしたら神の目線ではそれなりに綺麗なのかも。
そう。きっと、ディスコミュニケーションな人たちにも、最後に出てくる高層マンションからの夜景は綺麗なんじゃないかなぁ。
東京はなんだか綺麗だ。

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