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大吉原展唸るバクテリア2024/05/31

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吉原行ってから「大吉原展」行ってやったぜ!
と書き出したいがために吉原行って、吉原から鶯谷とか経由し上野まで散歩して、超久々の東京藝術大学大学美術館。
そうだそうだ。物販が2階にあるのは藝大美術館だ!
ちなみに、吉原までは「続テルマエ・ロマエ」の1刊読んだりなので、ビバ!お風呂屋さん
それはともかく、1時間程度の見積もりでやってきてみたら、1時間で半分ぐらいしか見終わらず、3階をほぼすっ飛ばす勢いで見たので、極めて勿体ないことになってしまいました。
2000円で半分しか見てないことに!
物販で歌川広重の「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣(部分)のマグネットと栞だけ買ったけど。
って、ケチくさい話は置いといて、新吉原の地理は、現代吉原で客引きに会釈しつつある程度歩いてるからわかるのだけど、存外歴史がわかっていなかったり。
もちろん、元吉原と新吉原とか、吉原炎上とか、明治維新とか、ある程度は把握しているけれど、細かいというか、大事なことはそこになかった。知らなかった。ビックリ。
吉原にとって大事なのは、大名が来るか来ないかだった!
京都にとっての公家同様に、江戸にとっては吉原にとっては大名が高貴なのだ。
江戸は武士の町で商人の町であるという歴史。
結果、大名が来なくなって太夫が消滅し、町人が出入りするようになって、吉原はゴールデン街みたいなことになった。
酒井抱一は赤塚先生みたいなモノだった!
この衝撃。全然、この歴史を把握していなかった。
第二会場で酒井抱一の展示見て、解説読んで仰け反るほど驚くとは思わなかった。
日本史というか風俗史は本当に面白い。勉強しようと普通に思った。
もうひとつの衝撃は、高橋由一の油絵「花魁」
あの「鮭」描いた高橋由一が描いた四代目小稲は、さんざっぱら見てきた美人絵という名の同じ顔の行列や、外国人が描いたヨーロッパ価値観におけるビジュアライズ(G.F.ビゴーの「MA-TA」とか)に比する、日本人が描く写実的な油絵のリアリティ。
これはたしかにアジア人なのだ!
そうだよ。ついつい脳内であの美人絵で再現されるのだけど、そんなわけはない。
とくに江戸末期から明治期の日本人の顔があんなハズ無いじゃないか!
この極めて極めてな当たり前感は、また凄い衝撃がある。
当然なのだという事実が突きつけられる。ビックリ。ひゃー
そりゃ小稲が「わちきはこんな顔ではありんせん」と泣いて怒る。
でだ。
広報ミスで反発のあったことに対する巻頭言から、メインビジュアルのみんな大好き福田美蘭による「大吉原展」にはじまり、このメインビジュアルは見甲斐がある。
そこにはたしかに、遊女たちが生きようとしていたと明らかにされている。
この事実は絶対的に見逃しちゃいけない。
酒井抱一が奥さん身請けしてたとか全然知らなかった(そんな情報ググっても出てこないよ!)けど、その才能に惚れ込んで身請けしたのだし、そもそも、ゴールデン街のような吉原で成り上がるには、男も女も才能と鍛錬が必要だったと明確にキュレーションされている
これはエネルギィあるよ。
ボンヤリと生きてるとそういう流れに乗り逃す。
実際、いくつか乗り過ごしている自覚はある。乗らねば。
わりと珍しい、背の低い屏風なんかも出てくるけど、たしかに時代劇なんかで芸者呼んでくるシーンなんかでは、背の低い屏風が出てくるなぁとか思う。
渓斎英泉「花魁打掛 鯉の滝登り」や五渡亭国貞の藍摺遊女「扇屋内 花扇」なんかの、パンキッシュですらある打掛なんぞも考えると、たしかに伊達で傾いた世界なのだ。
公界は自由だというのもわからいではない。
ちなみにちなみに、結構、着物のお客もいらっしゃいました。
そして、本当に良い絵はたいてい大英博物館にあるのだ。悔しいなぁ。悔しいなぁ。
面白いのは、たばこと塩の博物館が結構所有していて、たしかに、美人画や遊女には煙管が付き物だったりする。
あと結構川崎・砂子の里資料館(川崎浮世絵ギャラリー)が所蔵してるんだけど、すくなくともオイラは知らなかったので、存外穴場かもしれない。
でもって、時間が無かったから、全然アングル探せなかった江戸風俗人形のジオラマは、台東区立下町風俗資料館で見れるの?
サイトでは見当たらないけど、アングル探しに行きたひ(目的が)
江戸風俗人形のジオラマ

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