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スウェーデン国立美術館 素描コレクション展—ルネサンスからバロックまで唸るバクテリア2025/10/03

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クソ暑い夏さ中、涼みに「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展—ルネサンスからバロックまで」を国立西洋美術館で見ました。
えっ?素描コレクション展???いよいよトチ狂った!?!?!?
と、思わず前売りで買ってしまったのだけど、まさかホントに素描メインで特別展するとかさ!
で、実際に行ってみたら、これがまぁ予想通りとち狂っているのです。最高です
ワンフロアに展示80点。
普段の展示より照度を下げてお送りします。
思わず、この風景に写真撮りたくなるじゃないですか。
展示も撮影可だったけど、それよりも風景優先。
場内の風景。たしかに暗め。
この中で、淡い絵 a.k.a 素描が展示されてるわけですよ。
まずは全体像と画材の展示から。
ヤだ。もう、最高か!羊皮紙屋さんが画材を提供しまくってるのも最高。素敵。
展示は画家の地域ごとに展示されているのだけど、そもそも、途中改めて気付いたんだが、基本16世紀から17世紀の展示。
つまり、500年凸凹昔の絵であり、インクであり、紙であり、炭素なのだ。
半 減 期 !
美術展で「半減期」なんて説明見る日が来るとは。
そりゃ、照度を下げた展示せざるをえないし、輸送にも細心の注意が必要ですよね。
ありがとう。現代文明
ざっくり見た感じだと、イタリアの素描はBL的というかBL作家っぽい。
フランスは油断するとジブリや森薫を感じたりする。
ドイツは目のタッチが手塚的というか漫画的で、ネーデルランドはどれもがまんべんなくまぶされている気がした。
ネーデルランド界隈には、ローマへ行ったことないけど、ローマ憧れでローマの絵を描いてる作家がいっぱいいたらしいゾ。
俺が考えた最強のローマ! 最高か!

何気にこの展示で大事なのは、ほんのりと素描の概念が拡張されることだ。
ただ、線画だけが素描ではない。
下書きがすべて素描なのだ。そうなのだ。
したがって、ステンドグラスの下絵で、ガッツリ彩色されていても、それは素描なのだ
版画の原版にする時、構図を変えても下絵こそが素描なのだ。
なんだ。素描のレンジって無茶苦茶広いじゃないか!
もう完全に知らない世界に陥る。
しかも、素描だから作者が特定されるまでに七転八倒してたりする。
何度も見たことがある「帰属」だけでなく「周辺」なんて単語まで出てくる。
さらには「シャルル・ル・ブラン派」どころか「南ドイツ」なのだ。作者が
南ドイツ!
もちろん、BL感みたいな理由や森薫みの理由、ジブリ感の理由は考えて結果に辿り着きはする。
素描だから輪郭線が無くて、水彩だけでなんとなく描かれる輪郭にたまらなくリアリティがある。
さらりと描かれた船の修復が素晴らし絵に見える。
馬鹿馬が凄まじく馬鹿馬でめんこくて仕方がなかったりする
この馬鹿馬の作者がまさかの南ドイツ!
南ドイツ!!!
スズメが傷んだ絵なのに会場中を飛び交っていて、しかも、抜群のフレーミングで栞になっていたから、つい買ってしまう。
あの娘に、素描でならくれない?って言おうかなと思う(絶対くれないけど)
予想だにしないことに、世界がすこし広がる展示だった。
あるいは、こうなることをホンノリ予期していたから前売りを買ったのかしら?自分。

スズメ!

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