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洋画

作品名記述者記述日
エルヴィス唸るバクテリア2022/08/26★★★★

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ちょっと迷ったのだけど、予告編でトム・ハンクスの悪党感が最高だったので「エルヴィス」見ました。
せっかくだから良いスピーカで・・・・と、ドルビーシネマ@丸の内ピカデリーで。
遅れて隣に来たのが、老人のようにずっとエヘン虫してたので映画館来んなよ馬鹿と思ったのは秘密です。
それはともかく、トム・ハンクス最高映画でした。
あの体型も今のトム・ハンクスだからできる感じじゃなかろうか。40代から60代とかでしょ?きっと。演じてた年代
いいなぁ。屑だなぁ。
パンフ読んでると、プリシラはプレスリー家は、なんだかんだでパーカー大佐を嫌って無さ気なのだけど、そゆ意味でも、人タラシ感の最低っぷりが良いですね。
ホントもう屑で最高。
それで行くと、やはり、周りにロクな人間がいないと、どんどん周りにロクでもない人間が寄ってくるよね。怖い。隙がありすぎるとロクな人間が寄ってこない。
なにせ親父はボンクラで、母親は息子依存(プレスリーに死産した双子の兄がいた)、でもって、イトコは集りですぜ。
そう。だいたい、この手の映画で出てくるイトコは屑ばかりなのだが、まともなイトコは距離を取るってことか?
B.B.キングとか、ずっと側にいてあげてくれていれば・・・
とはいえ、手を伸ばしても向こうから疎遠になるのだから仕方が無い。身につまされるところでもある。
プレスリーについて、基本的な楽曲の知識はあるけれど、人生についてあまり知らなかったので、クリエイターのイメージが無かったのだけど、思ってたよりだいぶクリエイターだったというか、ミュージシャンだったんだなぁと。
あるいはちゃんとパンクス。
「TROUBLE」なんかは知らない曲でもあったので、おおっ!と。

そして、最初のライヴからして、本質的な小心者っぷりが震えに出ているように見えるので、あの腰フリはその震えを誤魔化したと読み解くと、因果が酷いね。
俺、気ぃ小さいんッスよ!
なんて言えんよな。
その点において、オースティン・バトラーはインタヴュで言及もしてるけど、見事プレスリーになりきっているのではないかと。
物語としては、事実なのでアレだけれども、結局は「共依存よくない」に尽きるのですよ。
パーカー大佐は「愛に殺された」と形容していたけれど、彼一流の責任転嫁なのは当然として、観客の強烈なまでの感情表現は「ロックマナー」が作られる前だからこそだし、下着投げつける衝動って、正直よくわからん(笑)けど、ステージパフォーマンスに上がるか上がらないかでいえば、圧倒的に上がるのですよ。
つい手拍子したくなるし、なんだったら踊りたい。ライヴ行きたい!
クラウドサーフっぽいダイブとか、そういう衝動はわかる。その衝動に突き動かされるためにライヴへ行っているのだ。
だから、そう、それは衝動であって愛では無いのだよ
パーカー大佐は、その意味においてちっとも音楽を理解していなかったのだ。
お金稼ぎが中心となっているエンタメ業界の今の比喩として、バズ・ラーマンの演出が冴えているところでもある。
とはいえ、バズ・ラーマンの畳みかけるような演出で、メリハリがある展開は良いのだけど、CG多用で今らしい映像にドキュメント映像をリミックスするというカオスは、なにを見ているのかわからなくなる勢いでもありました。
殊、最後のライヴシーンはドキュメント映像にしか見えなかったので、そこを再現できなかったのは負けじゃなかろうか?
全般的にオースティン・バトラーの歌唱は素晴らしかったので、本物に逃げなくても説得力はあったんじゃないかと。
それだけプレスリーの迫力が大きいとも言えるが。実際、終盤の歌唱はプレスリー本人だったらしいし。
とはいえ、パーカー大佐を主役に持ってきた歪みは絶品なのだけど。
で、もちろんやっぱり、60年代から70年代のアメリカの糞っぷりね。
ホント糞。
右翼保守なんぞ滅んでしまえ。堕落のなにが悪いのか。
にしても、プリシラ役のオリヴィア・デヨングは好みだなぁ。あの濃い顔は好みなことこの上なく。
プレスリーと一晩過ごす時の、あのなんとも言えない髪型の時が凄いツボでどうしようかと思いましたよ。ええ。
なおなお、金ピカ極彩色な映画にもかかわらず、記憶に残っているのは底的にピンクでした。
ピンク・キャデラックもそうだけど、序盤のピンクスーツ(もち、デヴィッド・ボウイ感!)もそうだけど、なによりプレスリー as オースティン・バトラーのが映えていたなと。
意図的に何度かよって映されるピンクの
バズ・ラーマンはただの変態ですよ。ありがとうございます。
なので、晩年は特殊メイクでも流石に草臥れは出し切れてなかったけど、ピンクが無くなっていった演出も良いですな。

アレ?そういえば、「Don't Be Cruel」かからなかったな・・・
親父の持ってたプレスリーのベスト1曲目が「Don't Be Cruel」だったんだ。

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